愛媛大学先端研究院沿岸環境科学研究センターの仲山慶講師らの研究グループは、国立環境研究所、産業技術総合研究所、日本獣医生命科学大学、鹿児島大学との共同研究により、タイヤから生じる微粒子を魚が取り込み続けると貧血が起こることを明らかにしました。
実験では、タイヤのトレッド(路面と接する部分)を細かく砕いた粒子を混ぜた餌を、コイに最大4週間与えました。その結果、体の成長には目立った影響が見られない一方で、血液中のヘモグロビン量と赤血球の割合が低下し、貧血の状態になることが確認されました。
一方、屋外での日光による変質を再現するために紫外線をあらかじめ当てた粒子では、血液への明確な影響は認められませんでした。未処理の粒子からは、タイヤに含まれる添加剤とその変化物が数多く水中へ溶け出すことも確認されており、それらの多くは紫外線を当てた後には検出されなくなるか、濃度が大きく低下していました。
以上の結果から、コイに生じた貧血は、粒子そのものによる物理的な刺激ではなく、タイヤに含まれる化学物質が主要な要因になっている可能性が高いと考えられます。本研究は、タイヤ由来粒子の生態リスクを評価する際には、粒子の量だけでなく、そこから溶け出す化学物質の変化と行方まで視野に入れる必要があることを示すものです。
本研究の成果は、2026年8月20日付で「Environmental Chemistry and Ecotoxicology」(Elsevier社)に掲載されました。
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https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/pr_20260918_cmes/