発表・掲載日:2026/07/31

フンガ火山の地下に「2つのマグマ」を発見

-爆発的噴火のメカニズムと「大陸誕生」の謎の解明に寄与-

国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 河村 知彦、以下「JAMSTEC」という。)地震火山研究部門の田村 芳彦 上席研究員らは、ニュージーランド地球科学研究所(Earth Sciences New Zealand)、産業技術総合研究所との国際共同研究チームにより、2022年1月に地球規模の衝撃波を伴う大噴火を起こした南太平洋トンガ弧の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai、以下「フンガ火山」という。)」において船舶を用いた調査を実施し、フンガ火山のマグマシステム(マグマの発生メカニズム)を岩石学的に詳細に解析しました。

フンガ火山の海底山腹部においてサンプル採取を行ったところ、これまで見つかっていなかった「玄武岩溶岩」および「マグネシアン安山岩溶岩」を初めて採取しました。これらの岩石サンプルの詳細な解析により、本研究チームは以下の2つの重大な科学的解明に到りました。

火山学的な観点として、採取した岩石の初生マグマに戻す計算から、マントルの異なる深さ(圧力)で2つの「初生マグマ(玄武岩質および安山岩質)」が独立して存在していることを突き止めました。そして、この異なる深さに存在する2つのマグマが地下浅部で急激に混合したことが、2022年のフンガ火山における未曾有の爆発的噴火を引き起こした直接の要因(エンジン)であった可能性を指摘しました。同様のマグマ混合による爆発化は近年の西之島(2020年噴火)でも確認されており(Tamura et al., 2023)、海底火山の噴火予測や防災監視において極めて重要な知見となります。

一方、地質学的には「大陸誕生」についての新たな示唆を得ました。従来は「初生玄武岩マグマからできた岩石が再溶融して安山岩(大陸の芽)になる」というプロセスが一般的と考えられていました。これに対し、「薄い地殻のもとでは、マントルから直接安山岩マグマが発生し、それが集積して大陸へと成長する」という新たな地球進化説が「西之島モデル」です。今回、西之島から遠く離れた南太平洋のフンガ火山でも、初生安山岩マグマが発見されたことから、西之島と全く同じプロセスが生じたと考えられ、本モデルが西之島特有の現象ではなく、地球規模で普遍的な「大陸誕生のメカニズム」と言える可能性があります。

本成果は、Nature Publishing Groupの英国科学誌「Scientific Reports」に2026年6月18日付け(日本時間)で受理され、7月31日に掲載されました。(なお、本研究の一部はJSPS科研費[21H01195・23K20899]および環境研究総合推進費[JPMEERF20244M02]の助成を受けて実施されました。)


詳細は以下をご覧ください。 
https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20260731/






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