大阪大学産業科学研究所の筒井真楠准教授・川合知二招へい教授、同微生物病研究所の阿部隆一郎特任准教授(常勤)、東京大学大学院工学系研究科の大宮司啓文教授・徐偉倫准教授(研究当時)、産業技術総合研究所の横田一道主任研究員、イタリア技術研究所(IIT)のDenis Garoli研究員らによる国際共同研究チームは、化学反応で状態を変える固体ナノポアを用いて、DNA塩基分子やアミノ酸を一つずつ識別する新しい一分子センサ技術を開発しました。
ナノポアは、ナノメートルサイズ(1ナノメートルは10億分の1メートル)の小さな孔です。この孔に分子を通すことで、イオン電流の変化から、分子の種類や性質を読み取ります。試薬で分子に目印を付ける必要がなく、リアルタイムで直接観察できるため、DNA解析、タンパク質解析、医療診断などへの応用が進んでいます。
本研究では、固体ナノポアの、析出と溶解が繰り返し起こる仕組みを利用しました。孔は完全に開いたままではなく、閉じた状態から一瞬だけ小さな通り道を作り、すぐに再び閉じます。この短い開口の瞬間に分子が通過すると、電流信号の高さ、幅、出現間隔などが分子ごとに少しずつ変化します。研究チームは、この電流波形を機械学習で読み取り、4種類のDNA塩基分子と7種類のアミノ酸の識別に成功しました。
本研究成果は、2026年7月30日(木)23時(日本時間)にAmerican Chemical Societyが刊行する学術誌 『ACS Nano』 のオンライン版で公開される予定です。
詳細は以下をご覧ください。
https://www.sanken.osaka-u.ac.jp/achievement/release/20260730.html