大阪大学大学院工学研究科の津中康央特任准教授(常勤)、内山進教授らの研究グループは、株式会社ちとせ研究所、株式会社ユー・メディコ、自治医科大学、群馬大学、産業技術総合研究所、国立成育医療研究センター、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合との共同研究で、新規国産ヒト由来細胞株であるHAT細胞を用いて製造された遺伝子治療用ウイルスベクター(アデノ随伴ウイルスベクター:AAV)が高品質で、かつ高生産性であることを世界で初めて明らかとし、HAT細胞によるAAV製造プラットフォームを確立しました。
これまで、遺伝子治療用AAVの製造においては、生産性と品質の両立が困難であると考えられており、特に治療効果を持たない空粒子の生成を低減する有効な手法は非常に限られていました。
今回、研究グループは、HAT細胞を用いたAAV製造において、実験計画法(DoE)による製造条件の最適化およびバイオリアクターを用いた培養・製造を行うことで、高い生産性を維持しながら空粒子の生成を大幅に抑制できること、さらに包括的な重要品質特性 (CQA)評価により、得られたAAVが高い品質特性を有することを明らかとし、HAT細胞によるAAV製造プラットフォームを確立しました。
本研究成果により、遺伝子治療薬の製造工程の効率化やコスト低減、さらには高品質な遺伝子治療薬の安定供給が可能となり、臨床開発および実用化の加速が期待されます。
本研究成果は、米国科学誌「Molecular Therapy Advances」に、2026年2月15日(日)に公開されました。
詳細は以下をご覧ください。
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2026/20260304_1