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お知らせ

2017/12/13

ラストマイル自動走行の実証評価(輪島市)を開始
-一般公道における国内初の車両内無人による遠隔型自動運転-

ポイント

  • 公道における無人小型カートによる移動サービスの実用化に向けた実証評価
  • 遠隔監視・操作、自動走行技術により安全・安心と事業性を両立
  • 交通弱者の移動手段確保と地域の活性化につながる新しい交通手段の実現に貢献

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)情報・人間工学領域 端末交通システム研究ラボ 加藤 晋 研究ラボ長、橋本 尚久 主任研究員らは、平成29年12月18日に石川県輪島市において「ラストマイル自動走行の実証評価」の出発式を行い、実証評価を開始します。

 産総研は、経済産業省および国土交通省の平成29年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」を幹事機関として受託し、ヤマハ発動機株式会社、株式会社日立製作所、慶應義塾大学SFC研究所、豊田通商株式会社などと共に、端末交通システムの研究開発と実証を進めています。

 端末交通システムとは、基幹交通システム(鉄道やバスなど)と自宅や目的地との間、地域内といった短中距離を補完するラストマイルモビリティとも呼ばれる次世代の交通システムです。本事業では、公共的な利用を前提とし、地域の活性化などにつながる端末交通システムとして、自動走行技術を取り入れた運行管理システムなどの研究開発を行っています。また、本事業では、平成30年度に研究開発された端末交通システムの社会実装に向けて、平成28年度に実際に端末交通システムの導入が求められている地域の環境で実証評価を行うこととし、小型電動カートと小型バスという乗車人数の異なる車両を用いて地域に応じた実証を行う自治体や地域団体を公募しました。その結果、小型電動カート応用・開発の実証評価を行う地域の一つとして石川県輪島市を選定し、輪島商工会議所の協力を得られることになりました。

 輪島市は、実証環境の特徴から市街地モデルと分類し、生活施設や観光施設などを巡回する一般公道の走路において、他の一般車両や横断歩行者などとの共存空間における自動走行を、遠隔監視・操作システムを搭載した車両を用いて行う社会実験となります。

 今回の実証実験では、小型電動カートの自動走行技術と遠隔監視・操作技術を組み合わせた遠隔型自動走行システムを、一般公道に規制をかけずに行います。事業性向上に資する無人回送を想定した車両内無人での実証実験は、全国に先駆けたものとなります。実験にあたっては、平成29年12月1日に国土交通省 北陸信越運輸局より遠隔自動運転車両の基準緩和の認定を受けました。また、本認定を基に警察庁が策定した「遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取扱いの基準」における石川県警察本部による走行審査を12月12日に受け、公道実証実験に関する道路使用許可を得る見込みとなりました。これにより、一般公道において規制をかけずに、自動運転のレベル4の機能を持った車両と遠隔型自動走行を組合わせた実証評価を推進し、安全性や受容性の向上と自動運転サービスの早期実現を目指します。

 出発式では、電磁誘導線などによる自動走行(実証評価の走路である1 kmの周回コース上)や、センサーによる自動ブレーキ機能、遠隔監視・操作システムによる遠隔からの緊急停止や発進停止、横断歩行者を優先するための一時停止と発進、遠隔操作による障害物の回避対応、無人回送などの走行デモンストレーションを行う予定です。

 今後は、自動運転機能の向上を図り、遠隔監視・操縦者の負担を軽減することや、少人数の遠隔監視・操縦者での複数車両の運行を目指した遠隔型自動運転の拡張、複数ルートでの効率的な運用などの技術実証を行い、その後、利用者や事業者などの受容性の実証評価を行う計画です。

 本実証評価を通じて端末交通システムの社会実装が加速され、高齢化市街の活性化に資する交通弱者への安心な交通手段の確保や沿道施設の利用による観光客の需要促進などが期待されます。

車両内完全無人での自動走行デモンストレーションの写真
車両内完全無人での自動走行デモンストレーション
  出発式のテープカット(右端が産総研 端末交通システム研究ラボ 加藤研究ラボ長)の写真
出発式のテープカット(右端が産総研 端末交通システム研究ラボ 加藤研究ラボ長)
     
遠隔監視・操作装置の様子の写真
遠隔監視・操作装置の様子
  遠隔監視用モニターの画面(遠隔操作用とは異なる)の写真
遠隔監視用モニターの画面(遠隔操作用とは異なる)
     
遠隔監視・操作用映像モニターの画面(車載カメラからの映像)の写真
遠隔監視・操作用映像モニターの画面(車載カメラからの映像)
   遠隔監視・操作の様子の写真
遠隔監視・操作の様子

用語の説明

◆遠隔型自動走行システム
車両内にはドライバーは存在しないものの、車両外(遠隔)にドライバーに相当する者が存在し、その者の監視などに基づく自動走行システム。[参照元へ戻る]
◆遠隔自動運転車両の基準緩和の認定
遠隔自動運転車両は、車両外(遠隔)にドライバーの運転席にあたるものが存在することになるため、一般の車両とは異なり道路運送車両法によって規定されている保安基準を緩和の認定を受ける必要がある。[参照元へ戻る]

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