English

 

エネルギー・環境領域

エネルギー・環境問題の解決を目指して

世界的規模で拡大しているエネルギー・環境問題の解決に向けたグリーン・イノベーションの推進のため、温室効果ガスの排出量削減を実現する再生可能エネルギーなどの新エネルギーの導入を促進する技術(創エネルギー)、エネルギーを高密度で貯蔵する技術(蓄エネルギー)、エネルギーを効率的に変換・利用する技術(省エネルギー)、エネルギー資源を有効利用する技術、環境リスクを評価・低減する技術の開発を進めています。

重要戦略詳細

新エネルギーの導入を促進する技術の開発

 東日本大震災以降、日本のエネルギー政策は大きな転換を求められており、新エネルギーとしての再生可 能エネルギーへの期待が高まっています。産総研では、再生可能エネルギーの大量導入時代に向けて、エネルギー変換効率の飛躍的向上に向けた新しい原理や構造に基づく太陽電池の研究開発、太陽光発電における発電コスト低減と信頼性向上、風力発電の発電量向上と長寿命化、地熱の適正な利用を目指した技術などの開発を行うとともに、再生可能エネルギーの有効利用に必須のエネルギーネットワークなどにも取り組んでいます。

フレキシブルCIGS太陽電池の写真

フレキシブルCIGS太陽電池

エネルギーを高密度で貯蔵する技術の開発

 エネルギーの需要と供給の時間的・ 場所的な不一致を解消するため、高効率なエネルギー貯蔵技術が必要とされています。産総研では、再生可 能エネルギーなどを効率よく水素などの化学エネルギーに変換して貯蔵・利用する技術を開発するとともに、日々の生活を支えるための利便性、安全性、環境性、安定供給性を考慮したエネルギーシステムの実現を目指し、車載用、住宅用、産業用の蓄電池(二次電池)に関する、材料基礎からシステム化まで一貫した研究を進めています。

福島再生可能エネルギー研究所の外観の写真

福島再生可能エネルギー研究所の外観

エネルギーを効率的に変換・利用する技術の開発

 世界的規模で急速に増大するエネルギー消費に対して、省エネルギーの推進は重要な課題です。産総研では、電力エネルギー利用の高度化・高効率化に半導体エレクトロニクスを活用するため、SiC、GaN やダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体材料を用いて、これらの結晶・ウェハ技術から、パワー半導体デバイスや電力変換機器に至るまでの幅広い技術階層を、一貫して研究開発しています。また、熱エネルギーの有効利用技術として、発電と同時に熱の有効利用が可能な燃料電池、未利用の廃熱から電気エネルギーを回収できる熱電変換などの高性能化・耐久性の向上、より高効率なエンジンの実現に向けた技術開発などにも取り組んでいます。

SiC を用いた電力変換機器の画像

SiC を用いた電力変換機器

エネルギー資源を有効利用する技術の開発

 エネルギー資源の少ないわが国において、新たな資源開発とその利用によりエネルギーセキュリティを確保することが必要です。産総研では、非在来型資源としてのメタンハイドレートなどのエネルギー資源の有効利用にかかわる技術を開発しています。メタンハイドレート資源開発においては、長期的な安定生産技術、生産増進技術の開発や地層挙動の評価など、早期の商業化実現に向けた技術整備に取り組んでいます。また、褐炭などの低品位炭や非在来型資源から水素などのクリーンな燃料を高効率に製造する技術など、未利用エネルギー資源の環境調和型利用技術の開発も行い、新たなエネルギー産業の創出に貢献します。

メタンハイドレート海洋産出試験の様子の画像

メタンハイドレート海洋産出試験の様子

環境リスクを評価・低減する技術の開発

 産業と環境が共生する持続可能な社会の実現に向けて、新しい技術やシステムが社会に及ぼす影響を評価し、リスクを低減するための技術開発を行います。具体的には、環境の変化をいち早く検出するための環境分析・センシング技術の開発、環境リスクやその社会影響を評価するためのリスク評価手法の開発、環境負荷を低減するための資源リサイクル技術や環境浄化技術の開発を行います。また、産業事故の防止や万一の事故の際の被害低減のための産業保安技術やシステムを開発します。

レアメタルを高純度に回収する複管式気流選別機の画像

レアメタルを高純度に回収する複管式気流選別機


最近の研究成果

イオンを見分けるセパレーター

金属有機構造体を電池のセパレーターに用いて、安定な充放電サイクル特性を持つリチウム硫黄電池を開発した。リチウムイオン電池の正極に硫黄を用いるリチウム硫黄電池は、高い正極容量(理論値では1,675 mAh/g)を示すため、次世代蓄電池として期待されている。しかし、放電反応の中間生成物であるリチウム多硫化物は、電解液に容易に溶出する。充放電サイクルが進むにつれ、溶出した多硫化物イオンは正極と負極の間での酸化還元反応を引き起こし、その繰り返しにより、リチウム硫黄電池の容量が劣化するといった問題があった。金属有機構造体は従来から気体分子の吸着や分離に多く使われており、その機能は「分子ふるい」とも呼ばれている。今回、この「分子ふるい」はイオン種が分別できる「イオンふるい」としても機能すると考え、金属有機構造体をリチウム硫黄電池のセパレーターとして用いた。このセパレーターが溶出した多硫化物イオンの負極側への移動を防ぐため、新型のリチウム硫黄電池では、長時間にわたり安定な充放電サイクルが実現した。電流密度1Cでの1,500回のサイクル試験後も900 mAh/gという高い充電容量を維持している。

安価かつ環境に優しい共融系二次電池の開発

世界で初めて正極側の活物質に共融系液体を利用した二次電池を開発した。二種類の固体物質を共融点組成で混合すると、凝固する温度が大幅に低下する。レアメタルを含まない安価な三塩化鉄六水和物 (FeCl3・6H2O)と尿素(CO(NH2)2)とを共融点組成で混合して液体とし、これを正極側の活物質として用いた。正極側の電解液を別途必要とせず、また固体で問題になる構造劣化が生じない点が、電池を構成する上での大きな利点となる。金属リチウムの負極と組み合わせると、電圧が約3.4 V、正極側の体積容量(共融系液体の体積当たりの容量)141 mAh/cm3の二次電池として動作した。


研究ユニット

創エネルギー研究部門

エネルギー資源を有効利用する技術の開発

エネルギー資源に乏しい我が国において、新たな資源を開発し、その利用によりエネルギーセキュリティを確保していくことが強く求められています。創エネルギー研究部門では、非在来型の国産資源を始めとしたエネルギー資源の有効利用にかかわる技術を開発しています。例えば、メタンハイドレート資源開発においては、長期的な安定生産技術、生産増進技術の開発や地層挙動の評価など、商業化に向けた技術整備に取り組み、体系化された生産技術の確立を目指します。また、褐炭等の低品位炭や非在来型資源等から、水素などのクリーンな燃料を高効率に製造する技術および関連触媒技術など、未利用エネルギー資源の環境調和型利用技術の開発を行っています。これらの取り組みによって、新たなエネルギー産業の創出に貢献します。

研究拠点

つくばセンター(西、中央)、北海道センター

参画する技術研究組合

・技術研究組合単層CNT 融合新材料研究開発機構(TASC)
・自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)

所在地

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL : 029-861-8400 FAX : 029-861-8408
創エネルギー研究部門WEBサイト

電池技術研究部門

蓄電池をはじめ日々の生活に役立つエネルギーを蓄える技術の開発

経済と環境を両立する持続的成長を発展する低炭素社会の実現のため、自動車や住宅などのエネルギー需要者側におけるエネルギーの効率的な利用が求められています。生活の中での利用のため、安全性や環境適合性も高い次元で達成されなければなりません。このため、蓄電池、燃料電池をはじめとした生活に役立つエネルギーを蓄える新しい電気化学デバイス開発に貢献する材料基礎からデバイス化、システム化までを通した研究に取り組んでいます。

研究拠点

関西センター、つくばセンター

参画する技術研究組合

・技術研究組合FC-Cubic
・技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)

所在地

〒563‑8577 大阪府池田市緑丘1‑8‑31
TEL : 072‑751‑8528 FAX : 072‑751‑8528
電池技術研究部門WEBサイト

省エネルギー研究部門

熱・燃料の高効率利用等による省エネルギー技術

限りある地球のエネルギー資源の持続的有効利用と温室効果ガス排出量削減を目標に、省エネルギー技術、高効率エネルギー変換技術等の研究開発を通して持続発展可能な社会の実現、産業競争力の強化に資するグリーンイノベーションの実現を目指します。具体的には、未利用熱を有効活用する熱電変換等による排熱利用技術および革新的な熱マネージメント技術の研究開発、クリーンディーゼル車向け高効率エンジン燃焼のために基盤技術の研究開発、新たなブレークスルーをもたらす革新的、萌芽的エネルギー技術の研究開発、等を行っています。

研究拠点

つくばセンター(東、中央)

参画する技術研究組合

・未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)
・自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)

所在地

〒305-8564 茨城県つくば市並木1-2-1 つくば東
TEL : 029-861-7239 FAX : 029-851-7523
省エネルギー研究部門WEBサイト

 

環境管理研究部門

産業活動と環境保全の両立を目指した環境計測技術・浄化技術・リサイクル技術の開発

活力ある産業活動と安全・安心な環境の両立を目指し、産業活動に伴い発生する各種物質の計測技術を開発するとともに、その成果を活用した環境浄化技術や再資源化技術の研究ならびに地球温暖化等の環境問題に対応する研究を実施しています。特に、従来の環境計測にバイオ・ナノ技術を融合させた次世代環境診断技術、水や大気中の有害化学物質によるリスクを省エネルギー的に削減する技術、都市鉱山からのレアメタル等の戦略的リサイクル技術、地球温暖化防止・二酸化炭素排出削減技術評価のための大気や海域での環境動態評価に関する研究を実施しています。

研究拠点

つくばセンター(西)

所在地

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL : 029-861-8300 FAX : 029-861-8258
環境管理研究部門WEBサイト

安全科学研究部門

産業と環境が共生する持続可能な社会の実現を支える評価基盤技術の開発

当研究部門は、従来の枠にとらわれない学際的な融合研究を推進し、環境リスクや産業・災害リスク、社会システムの持続可能性を評価する手法及びツールを開発することを目的とします。新しい産業技術が世の中で受け入れられるためには、それがもたらす便益だけではなく、ヒト健康、生態系、資源、気候などの環境に対する様々なリスクを評価し、さらに社会・経済や人々の生活に与える影響も考察する必要に迫られる時代になりました。この要請に応えるため、信頼性の高い評価手法と使い易い評価ツールを社会に提供します。さらに、行政や事業者への橋渡しとして、評価結果に基づく政策や革新的技術の普及のあり方に関する提言を行うことにより、我が国の産業の国際競争力の強化に貢献します。

安全科学研究部門の画像

研究拠点

つくばセンター(西、中央、東)

参画する技術研究組合

・技術研究組合単層CNT 融合新材料研究開発機構(TASC)
・人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)

所在地

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL : 029-861-8452 FAX : 029-861-8422
安全科学研究部門WEBサイト

太陽光発電研究センター

低炭素社会実現に向けたクリーンエネルギーの開拓と普及

低炭素社会の実現、エネルギー安全保障などの観点から再生可能エネルギーの普及が重要になっています。太陽光発電は導入に対する障壁が比較的低いということ、太陽光エネルギーは無尽蔵かつ地域的な偏在が少ないことなどから導入が進んでいます。当研究センターでは太陽光発電の大量導入と持続的発展を支えることを目指して、太陽電池のさらなる高効率化、低コスト化、モジュール・システムの信頼性向上、性能評価技術などに関して、産業化に直結する技術から太陽光エネルギーを利用する革新的基礎技術まで広いフェーズについて研究開発を実施します。さらに、これら技術成果の国際標準化等にも力を入れていきます。

研究拠点

つくば(中央)、九州センター

所在地

〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央第2
TEL : 029-861-5110 FAX : 029-861-5615
太陽光発電研究センターWEBサイト

再生可能エネルギー研究センター

再生可能エネルギーの大量導入の早期実現に向けた技術開発

再生可能エネルギーの大量普及のためには、時間的に大きく変動する、コストが高い、場所ごとに適切な技術の選択が必要、等の課題を解決する必要があります。このため、当研究センターでは、研究拠点に設置している実証フィールドを有効に活用し、以下の3つの研究課題を中心に研究開発を進めています。

  • ・水素や蓄電池等のエネルギー貯蔵とパワーエレクトロニクスを駆使した統合システム技術を開発し、太陽光や風力など時間的に変動する大量の再生可能エネルギーを有効に活用する技術モデルの実証研究
  • ・軽量安価で長寿命な太陽光発電モジュール等による発電量単価での評価で大幅なコストダウンを実現する革新的技術の研究開発
  • ・適正な開発と社会の受入れを目的とした、地熱、地中熱利用技術の開発と資源量データベースの構築

再生可能エネルギー研究センターの画像

研究拠点

福島再生可能エネルギー研究所

所在地

〒963-0298 福島県郡山市待池台2-2-9
TEL : 024-963-1805
再生可能エネルギー研究センターWEBサイト

先進パワーエレクトロニクス研究センター

ワイドギャップ半導体を用いた新規エレクトロニクスによる効率的な電力エネルギーハンドリング

家電や自動車、各種産業機器に使われるインバータで代表されるパワーエレクトロニクスは、電気エネルギーを制御するキー技術で、現在はシリコンパワー素子で成り立っていますが、性能に限界が見え始めています。当研究センターでは、シリコンカーバイド(Si C)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどのワイドギャップ半導体のウエハ技術からパワー素子の開発、さらにその素子性能を充分に生かせる回路・実装・制御からなるパワーエレクトロニクス統合化技術へと開発を進め、システムメリットからこの限界突破を目指すと共に、エネルギー制御のためのエレクトロニクス基盤構築を将来的な目標としています。

先進パワーエレクトロニクス研究センターの画像

研究拠点

つくばセンター(中央、西)

所在地

〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央第2
TEL : 029-861-5050 FAX : 029-861-5032
先進パワーエレクトロニクス研究センターWEBサイト

「プロジェクトユニット」及び「研究ラボ」

 「プロジェクトユニット」は政策的・社会的に重要な国家プロジェクト等の研究課題を、「研究ラボ」は将来の研究センター化を目指す重要な研究課題や政府等からの要請に基づく研究課題、研究所外との連携研究課題等を、領域や研究部門を問わずに集中的に実施する研究者の集合体です。

プロジェクトユニット

  • メタンハイドレートプロジェクトユニット

研究ラボ

  • 次世代自動車エンジン研究ラボ
  • エネルギーナノ工学研究ラボ

▲ ページトップへ