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最近の研究成果

熱電材料 2018年2月1日発表

高効率な熱電変換を可能にする新しいタイプの大振幅原子振動-新規熱電材料の新しい設計指針を提案-

新規高性能熱電材料の新しい設計指針を提案した。熱電発電では熱の流れの一部を電気の流れに変換して発電する。高い熱電性能を得るには高い電気伝導率と低い熱伝導率を併せ持つ必要がある。これらは一般に相反する性質であるが、両立させるには、原子の大振幅振動(ラットリング)が有効であることが知られていた。しかし、これまでラットリングは原子がかご中に取り込まれた構造を持つカゴ状物質でのみ生じると考えられており、ラットリングによる熱電性能向上を期待できる材料系は限られていた。一方、本研究グループは、これまでにカゴ状構造を持たないテトラヘドライトでもラットリングが生じていることを発見していたが、その原因解明が課題となっていた。今回、このテトラヘドライトを詳細に調べ、カゴ状構造がなくても平面配位構造がラットリングを誘起しうることや、その原因を明らかにした。この成果は熱電材料探索の範囲を飛躍的に広げ、より高い熱電性能を持つ新材料の創製に資すると期待される。

カゴ状物質(左)と平面配位物質(右)の大振幅原子振動概念図

薬剤耐性 2018年1月26日発表

エイズウイルスの力を借りてB型肝炎治療薬の作用機構と薬剤耐性の仕組みを解明-エイズウイルスの逆転写酵素をB型肝炎ウイルスの逆転写酵素に似せて改変-

現在B型肝炎治療に広く用いられている核酸アナログ製剤エンテカビルの作用機構と、薬剤耐性が生じる仕組みを明らかにした。核酸アナログ製剤のB型肝炎治療薬は、B型肝炎ウイルス(HBV)が持つ逆転写酵素に結合し、その働きをブロックすることでウイルスの増殖を直接的に抑制できる。しかしながら近年、既存の核酸アナログ製剤に対する薬剤耐性が報告され、薬剤耐性HBVを克服するための新しい治療薬の開発が求められている。新しい治療薬開発には既存の薬剤の作用機構を深く理解する必要があり、そのためには薬剤が結合した状態の逆転写酵素の立体構造の情報が不可欠だが、HBV逆転写酵素は非常に不安定なタンパク質で、構造研究は進んでいなかった。そこで今回、ヒト免疫不全ウイルス(エイズウイルス(HIV))の逆転写酵素をHBV逆転写酵素に似るように改変し、エンテカビルが結合できる、いわばHBV型のHIV逆転写酵素を作製した。この改変HIV逆転写酵素にエンテカビルが結合した状態と、DNAの材料であるデオキシグアノシンが結合した状態の立体構造を高分解能で解析した。両者の構造を詳細に比較したところ、逆転写酵素にエンテカビルが結合する仕組みや逆転写酵素がエンテカビルの結合から逃れて薬剤耐性に変わる仕組みが明らかになった。本研究により、薬剤耐性HBVに効果を示す新しい薬剤の開発が期待される。

改変HIV逆転写酵素の作製とエンテカビルと結合した状態の立体構造図

パスワード認証方式 2017年11月9日発表

従来方式より安全で高機能な二種類のパスワード認証方式が国際標準化-アカウントの乗っ取り対策や匿名のまま認証を受けられる方式が国際標準規格として発行-

パスワードのみを用いてユーザーとサーバーが安全に相互認証することで、フィッシングなどの攻撃検知が可能となる「AISTパスワード認証方式」をISO/IEC JTC 1/SC 27に提案し、この度、本方式が標準技術の一つとして掲載された国際標準規格 ISO/IEC 11770-4:2017が発行された。また、安全性は確保しつつ、ユーザーを特定せずに特定の権限や属性を有している事を認証する「AIST匿名パスワード認証方式」を同じくISO/IEC JTC 1/SC 27に提案し、同様に、本方式が標準技術の一つとして掲載された国際標準規格 ISO/IEC 20009-4:2017が発行された。AISTパスワード認証方式(AKAM3)は、パスワードのような短い秘密情報のみでユーザーとサーバーの相互認証を安全に実現するため、現在ウェブにおけるサーバーの認証に広く利用されているSSL/TLS通信のような公開鍵証明書を使った認証方式と異なり公開鍵証明書の検証処理が不要になり、また同じレベルの安全性を保証するISO/IEC 11770-4(第一版)に掲載の既存の認証方式に比べて少ない計算量で相互認証を実現できる。今回AKAM3が国際標準規格として発行されたことにより、今後計算能力が低い機器を含む端末などにおけるさまざまなアプリケーションへの本方式の導入が期待される。

AISTパスワード認証方式の図

シリコーン材料 2018年2月20日発表

分子量や末端構造が制御されたポリシロキサンの簡便な合成法を開発-高分子の構造制御による高機能・高性能シリコーン材料創出の鍵に-

シリコーンなど有機ケイ素材料の主成分となるポリシロキサンの構造を精密制御できる新しい合成技術を開発した。近年、高い耐熱性などを有する高機能・高性能な有機ケイ素材料が求められており、そのため構造が精密に制御されたポリシロキサンを合成できる技術が必要とされている。今回開発した手法では環状トリシロキサンを原料とし、水を重合開始剤、高い塩基性の有機化合物であるグアニジンを触媒に用いて重合反応を行った。これにより、従来法では合成自体が困難であるか合成操作が煩雑であった、分子量と両末端構造を制御したポリシロキサンを簡便な操作で合成できる。今回開発した技術により、エラストマーやゲルなどの高機能・高性能シリコーン材料の開発が加速されると期待される。

ポリシロキサンの分子量と末端構造を同時に制御できる簡便な新規合成技術

不揮発性メモリー 2018年2月13日発表

次世代不揮発性磁気メモリーの新しい記録技術を開発-配線の一部材料に磁石を用いることで高信頼・高性能化-

配線材料に鉄を基本とする磁石材料を用いることで、高い信頼性を実現しうる次世代不揮発性磁気メモリーの新しい記録技術を提唱し、実際に素子を作製してその原理実証を行った。産総研などは、近年、磁石材料の異常ホール効果と呼ばれる物理特性を利用することで、不揮発性磁気メモリーの記録書き換えエラーが低減しうることを提案してきた。今回、配線材料としてコバルト鉄合金の磁石材料、記録層としてニッケル鉄合金の磁石材料を用いた新構造の面内電流型磁気メモリー素子を作製し、記録技術の原理実証を行った。その結果、安価でありふれた鉄をベースとした材料の配線によるスピン注入効率が、白金などの既存材料の配線と同等に高効率であることを見出し、さらに記録書き換えのエラー低減を可能とする高い信頼性が得られることを示した。今回開発した新構造の素子や記録技術は、高信頼性と省エネ機能を併せ持った次世代不揮発性磁気メモリーの実現に繋がると期待される。

(左)今回作製した素子の模式図、(右)今回の成果から提案される不揮発性磁気メモリーの模式図

巨大津波 2017年12月4日発表

先島諸島では、1771年八重山津波と同規模の津波が、過去2千年間に約600年の間隔で4回起きていた

石垣島を含む先島諸島で初めて、砂質津波堆積物を発見し、その成果が国際誌Tectonophysicsにてオンライン公開されました。1771年八重山地震は、最大遡上高30mの巨大津波を引き起こした琉球海溝沿いの最大の地震です。この地震に伴う八重山津波は、石垣島を中心に先島諸島全域にわたり、1万2千人の犠牲者と甚大なる被害を与えました。この八重山津波のメカニズムの研究は、これまでは主に津波石を用いて行われてきましたが、その分布からは津波の遡上限界を決定できません。一方、砂質津波堆積物の分布からは遡上範囲を決定できますが、先島諸島では、津波堆積物の分布を把握できる場所は未発見でした。しかし、本研究による調査用溝(トレンチ)で、津波堆積物の分布を正確に決定できる場所が発見され、過去2千年間に約600年間隔で、1771年八重山津波とほぼ同規模の津波が、4回起きていたことが判明しました。さらに、従来、八重山地震は “津波地震”(津波の大きさに比べ地震動が小さい、断層面上でゆっくりとしたすべりが生じた地震)と考えられていましたが、今回の調査ではトレンチ内から地割れがいくつも発見され、激しい地震動を伴う、“巨大地震”であったことが推定されました。以上の研究成果は、先島諸島の防災対策に有益な科学的知見となります。

左は石垣島と琉球海溝の位置、右は古文書記録に基づく1771年八重山津波(明和津波)の遡上高の推定値(単位はm)の図

単一電子素子 2018年2月2日発表

たった1個の電子で1ビットを表現する世界初のデジタル変調を実現-広い周波数範囲で正確に任意波形の極微小交流電流を発生可能に-

電流の最小単位である電子を1個単位でオン・オフ制御できる単一電子デジタル変調技術を開発した。電流は電子の流れなので、電子1個1個を正確に制御・検出できれば、従来の計測器では不可能だった精度での電流発生・計測を実現できる。産総研では、これまで、半導体ナノ加工技術で作製した単一電子素子を用いて、一定周期で電子を1個ずつ送り出し、直流電流を発生・計測する技術の開発に取り組んできた。今回、電子の密度を時間的に変化させる単一電子デジタル変調技術を開発し、電子数個レベルで正確な任意波形の電流を発生させることに成功した。発生させた電流を基準とすることで、直流(0 Hz)~メガヘルツ(MHz)の周波数帯域で、フェムトアンペア(fA)(10-15 A)以下の極微小電流を精密に測定できるようになる。今回開発した極微小電流の発生技術は、低消費電力化が期待されるスピントロニクスなど次世代素子の研究開発や、ナノ構造中で生じる物理現象の解明などの基礎研究への貢献が期待される。

電子1個を制御できる素子の電子顕微鏡写真(左)、今回開発したデジタル変調技術の模式図(右)

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