所長挨拶
材料系ものづくりによる
産業振興と新規産業創出への貢献を目指して
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産業技術総合研究所
中部センター所長
淡野 正信
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国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研=さんそうけん)は、日本の産業を支える多様な分野の研究を行うわが国最大級の公的研究機関です。わが国の産業技術水準の向上や知的基盤の整備への貢献を通じ、「持続発展可能な社会の実現」に寄与することを目的として、2001年の発足以来、基礎から製品化に至る出口を見据えた研究(本格研究)を一貫して推進しています。2020年4月から始まった第5期中長期計画では、「世界に先駆けた社会課題の解決と経済成長・産業競争力の強化に貢献するイノベーションの創出」をミッションとして、社会課題の解決に向けたイノベーションを主導する研究開発、「橋渡し」の拡充によるイノベーション・エコシステムの強化、イノベーション・エコシステムを支える基盤整備に取り組んでまいります。
中部センターは、産総研が全国11箇所で展開している研究拠点ネットワークの一つで、工業技術院名古屋工業技術研究所(名工研)を前身とする、中部地域における研究拠点です。当センターには、研究ユニットとして、極限機能材料研究部門、マルチマテリアル研究部門、磁性粉末冶金研究センター、窒化物半導体先進デバイスオープンイノベーションラボラトリの4ユニット並びに日本特殊陶業-産総研 ヘルスケア・マテリアル連携研究ラボ、UACJ-産総研 アルミニウム先端技術連携研究ラボが配置される等、ものづくり産業の集積地である中部地域において、「機能部材技術」を核に、「材料系ものづくりの総合的な研究拠点化」を目指しています。特に中部の製造産業の中核をなすクルマの一大変革期に当たり、「未来モビリティ材料研究開発拠点」として、ゼロエミッション社会の実現等の社会課題の解決と同時に、産業競争力強化に貢献していきたいと考えています。
地域発のイノベーションの創出のためには、世界水準の成果を創出する研究拠点として高い研究ポテンシャルを有するとともに、研究と地域・産業を繋ぐ連携拠点としての機能を果たすことが重要です。中部センターの4ユニットだけではなく、つくばセンターを始めとする産総研の全研究ユニットのポテンシャルをも活用して、中部地域の広範な社会・産業ニーズに対応することを目指します。また、名古屋駅前イノベーションハブや産業技術連携推進会議等での活動を通して、地域の大学や公設研・産業界と連携をとり、地域産業を牽引するプレーヤーの一人として活動しています。
中部センターは、「社会の中で、社会のために」という産総研憲章の下で、研究成果の社会への還元に努め、産業振興と新産業創出に貢献する所存ですので、皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。