所長挨拶
人工知能とゼロエミッション・スマート社会実現に向けた国際的な融合研究(製造、バイオ等)拠点を目指して
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産業技術総合研究所
臨海副都心センター所長
横井 一仁
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産業技術総合研究所の研究拠点の一つである臨海副都心センターは、国際研究交流大学村を構成する一機関として、2001年の産総研の発足と同時に設置されました。その後、2005年にバイオ・IT融合研究棟を、また、2018年にサイバーフィジカルシステム研究棟を竣工しており、産総研の唯一の都心型の研究拠点として拡充を図ってきております。
研究の内容としては、これまで、情報技術とバイオ技術の融合研究拠点として研究を推進してきましたが、近年の人工知能への関心の高まりを踏まえ、都心型立地の特性を活かしつつ、人工知能技術に係る研究開発への重点化を図るとともに、その実世界適用に向けたバイオ技術や製造技術などとの融合研究に取り組んでおり、現在、人工知能研究に係る国際的な産学官連携による中核研究拠点へと変貌しつつあります。また、2020年には、ゼロエミッション国際共同研究センターの本部も設立され、国際的な融合研究がさらに強化されつつあります。
その結果、臨海副都心センターは、研究者数でも、産総研の約10の地域研究拠点の中ではつくばに次ぐ第二の規模の拠点になるとともに、産総研全体の平均と比較しても、多数の産学の関係者や、非常に多くの海外研究者が参加する国際的な産学官研究・交流拠点として、成長しつつあります。また、このような中、東京に立地する研究拠点としてのメリットを活かして、企業や大学等との共同研究や連携、次世代人材の養成、研究成果の展示施設の設置など、技術移転、人材交流、人材育成、広報等の活動を積極的に展開しています。
臨海副都心センターは、これらの活動を通して、「社会の中で、社会のために」という産総研憲章の理念のもとに、我が国の産業競争力の強化と新産業の創出に貢献していきます。