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最近の研究成果

太陽電池 2015年6月22日発表

信頼性の高い太陽電池モジュール用シリコーン封止材―過酷な環境でも長期間使用できる太陽電池用部材を目指して―

信越化学が開発した太陽電池モジュール用のシリコーン封止材を用いた太陽電池モジュールの評価試験を行った。産総研九州センター(佐賀県鳥栖市)に設置された環境試験機や測定装置を用いて、開発された新規シリコーン封止材を用いた太陽電池モジュールの高温高湿試験と温度サイクル試験を行ったところ、このモジュールは優れた耐久性を示した。また、この封止材を用いた単結晶n型シリコン太陽電池モジュールの評価試験を行ったところ、Potential-induced degradation(PID)現象による出力低下を抑制する効果が確認された。この封止材は、従来のシリコーンとは異なりシート状であり、太陽電池モジュールの製造工程に使用される一般的な設備で使用できる。今後、単結晶n型シリコン太陽電池モジュールをはじめ、厳しい環境下での太陽光発電システムの導入拡大や長期信頼性向上への貢献が期待される。

開発したシリコーン封止材を用いた単結晶n型シリコン太陽電池モジュールのPID試験前後の電気特性(左)とエレクトロルミネセンス(EL)画像(右)の図

細胞内分子観察 2015年6月10日発表

半導体ナノ粒子の発光が安定化するメカニズムを解明-個々の生体分子の観察に基づく創薬・診断技術の確立を目指して-

半導体量子ドット(以下「量子ドット」という)と呼ばれる発光性の半導体ナノ粒子の退色機構を解明し、発光を安定化する有効な手法を提案した。今回の研究では、量子ドットをカバーガラス表面にまばらに固定し、単一量子ドットからの発光を光学顕微鏡で観察した。その結果、励起状態にある量子ドットが電子を放出(オージェ・イオン化)すると、一重項酸素によって酸化されなくなり、発光が安定化することを見いだした。また、一重項酸素捕捉剤を用いれば、オージェ・イオン化していない中性の量子ドットの酸化が抑制されることも明らかにした。これらの成果は、生きている細胞内で個々の分子の働きを研究する一分子生体イメージング技術への貢献が期待される。

量子ドットの発光が減少する機構と発光の安定性の改善法の図

情報・人間工学 2015年5月7日発表

「人工知能研究センター」を設立―人工知能研究のプラットフォーム形成をめざして―

平成27年5月1日に「人工知能研究センター」【研究センター長 辻井 潤一】を設立しました。人間と共栄する情報技術に取り組む「情報・人間工学領域」の3つ目の研究センターとなります。ビッグデータと呼ばれるように電子化されたデータの量が飛躍的に増大しつつあり、それらを解釈して価値に変える人工知能技術への社会ニーズが高まっています。これに応えるため、当研究センターは、国内外の大学、企業、公的機関と連携して、実社会のサービスから得られる大規模データを活用しながら先進的な人工知能技術の研究開発を推進します。

人工知能研究センター設立の概要図

バイオプラスチック 2015年4月10日発表

バイオマスプラスチック度の計算方法の国際規格ISO 16620シリーズが発行

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所と日本バイオプラスチック協会との共同研究の成果を、経済産業省の国際標準化活動の支援を受けて、日本プラスチック工業連盟を通じて国際標準化機構(ISO)に提案し、国際規格ISO 16620シリーズとして発行された。今回発行されたISO規格の番号をバイオプラスチック製品に明示することで、世界市場に通用するバイオベース度の指標となる。また、バイオマスプラスチック製品にバイオマス原料やバイオマスプラスチックがどの程度使用されているのかを規格化された計算法で明示できるため、バイオプラスチック製品の信頼性の向上が期待される。

バイオマスプラスチックの識別・判別法の図

結晶移動制御 2015年6月19日発表

結晶が光照射によって移動する現象を発見-光による液化と結晶化を利用-

アゾベンゼンという単純な構造を持つ有機物質の結晶が、光照射によってガラス板の上を変形しながら移動する現象を発見した。さらに、垂直に立てたガラス板を垂直方向に上ることも確認した。今回発見した現象は、市販のガラス板に載せたアゾベンゼンの結晶に、結晶が液化する波長の光(紫外光)と、結晶化する波長の光(可視光)を異なる方向から同時に照射すると結晶が移動する現象である。紫外光の光源から遠ざかる方向に移動するため、結晶の移動方向を制御できる。また、この現象は、ガラス板の特殊な表面処理や、レーザーなどの特殊な光源を必要としない。今回の結晶固体が光で固体基板上を変形しながら移動する現象はこれまでに報告がない。将来的には、微小な領域での物質や物体の運搬やバルブなどへの応用が期待される。

結晶が光で移動する現象の模式図(左)と顕微鏡写真(右)の図

生体牛計測 2015年5月18日発表

牛の霜降り状態を計測できる核磁気共鳴スキャナーを開発-生きている牛の計測が可能に-

肉用牛の僧帽筋の脂肪交雑(霜降り)の程度を、牛が生きたままの状態で計測できる核磁気共鳴装置のプロトタイプを開発した。このプロトタイプは、従来技術では困難であった、肉用牛の霜降り状態を生きたまま計測できる。今回開発した技術は、牧場でのより効率的な肥育プログラムの改善や競り市でのより正確な価格評価への応用が期待される。

今回開発したプロトタイプによる肉用牛の霜降り状態の計測イメージ図

高精度電圧測定 2015年6月24日発表

世界最高水準の性能でコンパクトな直流電圧標準器を開発―±2 ppm/年の高い経時安定性を実現―

経時安定性と温度安定性がともに世界最高水準で、コンパクトな直流電圧標準器を開発した。今回開発した直流電圧標準器は、基準源となる電圧標準部の精密測定に量子標準を用いる手法と、回路のノイズ対策、断熱実装、モジュール化技術を駆使することにより実現した。メーカーの研究開発現場や品質管理部門、大学、研究機関、校正機関などでの高精度の電圧測定が可能になるとともに、校正業務の飛躍的な効率化が期待される。

開発した直流電圧標準器と使用イメージ図

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