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最近の研究成果

生物発光酵素 2017年12月11日発表

人工生物発光酵素(ALuc®)に選択的に発光する基質を開発-信号コンタミのない高速バイオアッセイによる革新的な医療・環境診断へ期待-

生物発光酵素に極めて選択的に明るく発光する一連の基質類の新規合成に成功した。従来、生物発光酵素は、おおむね同じ発光基質を共有することが常識であった。例えば、ホタルを含む昆虫由来の生物発光酵素類は一般的にD-ルシフェリンを共通の基質とする。しかしこのような発光特性は、バイオアッセイで2つ以上の生物発光酵素を用いることを難しくする。例えば、2つ以上の生物発光酵素が共通の基質を光らせた場合、互いの発光スペクトルが重なるため、発光信号のコンタミが起こる。従来の光学フィルターでは、完全な発光信号の分離は困難であり、分離できたとしても発光輝度を弱める問題点があった。もしバイオアッセイで多数の発光酵素を同時に用いることができれば、高いサンプル処理能など、バイオアッセイの効率を大きく高めることができる。共同研究チームは、これまでの常識を覆す新たな挑戦として、発光酵素に対してそれぞれ選択的に発光する発光基質類の分子設計と開発に成功した。その結果、バイオアッセイにおいて汎用(はんよう)的に用いられているウミシイタケ由来の発光酵素(Renilla luciferase; RLuc)類や発光プランクトン由来の人工生物発光酵素(artificial luciferase; ALuc®)類に選択的に発光する基質類の合成と生細胞実証に成功した。

生きた動物細胞(アフリカミドリサルの腎臓由来)を用いた生物発光イメージング実験の図

共生細菌 2017年11月17日発表

ハムシは共生細菌の酵素の助けで葉を消化-ペクチン分解に特化した極小ゲノム共生細菌の発見-

アザミの葉を食害するアオカメノコハムシの消化管に付随する共生器官中の細胞外共生細菌であるスタメラの全ゲノム配列を決定し、スタメラが植物の細胞壁の主要構成成分の1つであるペクチンを分解する酵素の生産に特化した極めて小さいゲノムをもつことを解明した。アオカメノコハムシの幼虫から共生細菌を除去したところ、体内のペクチン分解酵素の活性が著しく低下し、幼虫の成長や生存が阻害された。植物細胞はセルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどの細胞壁多糖類が複合した丈夫な細胞壁で囲まれているが、最も可溶性の高いペクチンを、共生細菌の酵素の助けにより分解して、効率的に植物細胞を破壊して栄養源として利用していると考えられる。 従来、シロアリなどの腸内共生微生物によるセルロース分解が木質の消化に関わることは知られていたが、今回、共生細菌によるペクチン消化が生きた植物組織の利用に重要な役割を果たすことを初めて明らかにした。ハムシ類は多くの農業害虫を含むため、植物消化機構を標的とした新たな害虫防除法の開発につながる可能性も期待される。

アザミの葉を食べるアオカメノコハムシの写真

パスワード認証方式 2017年11月9日発表

従来方式より安全で高機能な二種類のパスワード認証方式が国際標準化-アカウントの乗っ取り対策や匿名のまま認証を受けられる方式が国際標準規格として発行-

パスワードのみを用いてユーザーとサーバーが安全に相互認証することで、フィッシングなどの攻撃検知が可能となる「AISTパスワード認証方式」をISO/IEC JTC 1/SC 27に提案し、この度、本方式が標準技術の一つとして掲載された国際標準規格 ISO/IEC 11770-4:2017が発行された。また、安全性は確保しつつ、ユーザーを特定せずに特定の権限や属性を有している事を認証する「AIST匿名パスワード認証方式」を同じくISO/IEC JTC 1/SC 27に提案し、同様に、本方式が標準技術の一つとして掲載された国際標準規格 ISO/IEC 20009-4:2017が発行された。AISTパスワード認証方式(AKAM3)は、パスワードのような短い秘密情報のみでユーザーとサーバーの相互認証を安全に実現するため、現在ウェブにおけるサーバーの認証に広く利用されているSSL/TLS通信のような公開鍵証明書を使った認証方式と異なり公開鍵証明書の検証処理が不要になり、また同じレベルの安全性を保証するISO/IEC 11770-4(第一版)に掲載の既存の認証方式に比べて少ない計算量で相互認証を実現できる。今回AKAM3が国際標準規格として発行されたことにより、今後計算能力が低い機器を含む端末などにおけるさまざまなアプリケーションへの本方式の導入が期待される。

AISTパスワード認証方式の図

調光ガラス 2017年12月5日発表

常温・大気中で作製できる酸化タングステン系ガスクロミック調光膜-省エネルギー窓ガラスに向けた新技術-

常温・大気中で簡便に作製できるガスクロミック方式の酸化タングステン系調光膜を開発した。調光膜は、電気や熱、周辺のガス雰囲気などによって光の透過量や反射量をスイッチングすること(例えば、透明状態と着色状態を切り替えること)ができるため、透明状態にして太陽光を取り込んだり、着色状態にして太陽光や熱を遮断したりすることで空調負荷を減らすことができる。今回開発したガスクロミック調光膜は水素ガスによりスイッチングするが、常温・大気中、化学溶液法で作製でき、さらに一種類の膜のみでデバイス化できるため、膜の製造コストを大幅に低減できるようになる。また、常温で成膜できるため、ガラス基板だけでなく耐熱性の低いプラスチック系の基板への適用も可能となる。さまざまな基板やシート上に成膜したこの調光膜は、省エネルギーに役立つスマートウインドー(調光ガラス)や、水素ガスに感応することを利用した水素ガスセンサー、水素可視化シートなどへの応用が期待される。

今回開発した調光膜の水素ガス導入による色の変化例の写真

不揮発性メモリー 2017年12月1日発表

高効率な電圧スピン制御を実現する磁気メモリー用材料を開発-低消費電力の電圧制御型磁気メモリーの実用化に前進-

電圧制御型の磁気メモリー(電圧トルクMRAM)用の新材料を開発し、高効率な電圧スピン制御を実現した。電圧をかけて金属磁石薄膜の磁化の向きやすい方向(磁気異方性)を制御する電圧スピン制御技術は不揮発性固体磁気メモリー(MRAM)の駆動電力を低減するキーテクノロジーとして注目されている。今回、典型的な磁石材料である鉄(Fe)に低濃度のイリジウム(Ir)を添加したFeIr超薄膜磁石では、実用上求められる垂直磁気異方性を保ちつつ、電圧スピン制御効率が従来よりも約3倍高効率化することを見いだした。これにより電圧トルクMRAMの実用化に向けた性能目標が初めて達成された。電圧トルクMRAMは、現在のMRAM開発の主流である電流方式よりも書き込みに必要なエネルギーを大幅に低減できる可能性が有り、待機電力が不要で、駆動電力が小さい新たな不揮発性メモリーの実現につながると期待される。

今回開発した鉄イリジウム超薄膜磁石の特性(赤星印)と素子構造模式図

巨大津波 2017年12月4日発表

先島諸島では、1771年八重山津波と同規模の津波が、過去2千年間に約600年の間隔で4回起きていた

石垣島を含む先島諸島で初めて、砂質津波堆積物を発見し、その成果が国際誌Tectonophysicsにてオンライン公開されました。1771年八重山地震は、最大遡上高30mの巨大津波を引き起こした琉球海溝沿いの最大の地震です。この地震に伴う八重山津波は、石垣島を中心に先島諸島全域にわたり、1万2千人の犠牲者と甚大なる被害を与えました。この八重山津波のメカニズムの研究は、これまでは主に津波石を用いて行われてきましたが、その分布からは津波の遡上限界を決定できません。一方、砂質津波堆積物の分布からは遡上範囲を決定できますが、先島諸島では、津波堆積物の分布を把握できる場所は未発見でした。しかし、本研究による調査用溝(トレンチ)で、津波堆積物の分布を正確に決定できる場所が発見され、過去2千年間に約600年間隔で、1771年八重山津波とほぼ同規模の津波が、4回起きていたことが判明しました。さらに、従来、八重山地震は “津波地震”(津波の大きさに比べ地震動が小さい、断層面上でゆっくりとしたすべりが生じた地震)と考えられていましたが、今回の調査ではトレンチ内から地割れがいくつも発見され、激しい地震動を伴う、“巨大地震”であったことが推定されました。以上の研究成果は、先島諸島の防災対策に有益な科学的知見となります。

左は石垣島と琉球海溝の位置、右は古文書記録に基づく1771年八重山津波(明和津波)の遡上高の推定値(単位はm)の図

電子散乱 2017年11月24日発表

電子波の位相変化は人工原子の内部構造を反映することを世界で初めて実証-20年来の電子の散乱位相に関する問題に決着-

電子波の位相のずれを精密かつ信頼性高く測定できる独自の二経路干渉計を用いて、多電子の人工原子でも位相のずれが軌道の形を反映することを世界で初めて明らかにしました。その研究結果は、2017年6月7日にPhysical Review Bに掲載されました。本研究では更にデータを追加して、現実的な実験系で正しい測定を行えば普遍的な位相変化は観測され得ないことを示し、20年来の電子の散乱位相の問題に決着をつけました。開発した位相測定技術は、人工原子の内部構造を探る方法として有用であり、散乱問題が関わる様々な物理現象の解明や、電子波の位相を情報のリソースとする量子情報デバイスにも利用できます。

本研究で用いた二経路干渉計の模式図とマッハツェンダー干渉計の図

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