English

 
 
  • 霧島山新燃岳2017年噴火情報へのリンク
  • ブルーバックス探検隊が行くへのリンクバナー
  • 研究者が語る!1分解説へのリンク
  • 産総研LINK No.14
  • OSLの利用案内へのリンク
  • 2016研究成果ハイライト
  • 地域産業振興新聞連載記事ページへのリンク
  • テクノブリッジon the Webへのリンク
  • 産総研が創出するベンチャービジネス紹介コンテンツへのリンク
 

最近の研究成果

メソポーラス材料 2017年10月13日発表

グラフェン-メソポーラスシリカ複合体の細孔の制御に成功-垂直配向した細孔の深さや孔径の制御が可能に-

グラフェン(炭素原子一個の厚さのシート)の両側を、数十ナノメートルの薄膜のメソポーラスシリカで挟んだサンドイッチ型複合体において、グラフェン表面に対して垂直に配向した細孔の孔径や深さを制御できる技術を開発した。グラフェンとメソポーラスシリカのサンドイッチ型複合体は、グラフェンの電気伝導性、熱伝導性、光誘起発熱性などと、メソポーラスシリカの多孔性を組み合わせることで、新たな機能を持たせることができる。この複合体は、グラフェンの前駆体であるグラフェン酸化物、有機シリコン源、界面活性剤の溶液中でグラフェン表面の両側に細孔をもつシリカを成長させたもので、これまでできなかった細孔の孔径と深さの制御が可能である。孔径や深さは、メソポーラスシリカ膜の細孔内に侵入した分子の吸着力、吸着分子・反応分子の拡散距離、選択性を持つ分子のサイズの閾値などの機能に影響する重要な因子である。これらを制御できるようになることで応用範囲が広がると考えられ、分子ふるい型汚染物センシング、ドラッグデリバリーシステムなどへの応用も期待される。

グラフェン-メソポーラスシリカのサンドイッチ型複合体模式図

膵がん治療薬 2017年9月26日発表

膵がん細胞表面の糖鎖をレクチン融合薬で狙い撃ち-ポスト抗体医薬としての新規抗がん治療法開発へ-

難治がんの代表である膵がんの幹細胞表面に強く発現している糖鎖構造と、それを特異的に認識するレクチン(糖鎖結合能力を持つタンパク質)rBC2LC-Nを発見しました。これまで、レクチンの多くは血液凝集活性を持つと考えられてきたため、生体に投与する薬剤として利用されることはほとんどありませんでした。しかし今回、このrBC2LC-Nレクチンは全く血液凝集をもたらさないことを見出し、rBC2LC-Nレクチンを薬剤キャリアーとして応用することができました。緑膿菌の外毒素(PE38)を抗がん薬として融合したLDC(Lectin Drug Conjugate)は、シャーレ上の膵がん細胞株に対して、既存の抗体−薬剤融合体(ADC)の1000倍強力な抗がん効果を示しました。さらに、このLDCはマウスの腹腔内、血管内に安全に投与することができ、様々な膵がんモデルを有効に治療することにも成功しました。現在、抗体薬によるがん標的治療が盛んに開発されていますが、標的となるタンパク質抗原はほぼ探索し尽くされており、今後大きな発展は望みにくい状況です。さらに、抗体医薬による数百万~数千万円/年/がん患者という高額な薬価は医療経済の破綻を招く恐れがあります。今回、安価なレクチンにより細胞表面糖鎖を標的するというアプローチに成功したことは、がん治療だけでなく、多くの疾患に対する新しい治療戦略としての可能性を切り開いたと言えます。

細胞表面の模式図とLDCの作用の図

モデル動物 2017年9月12日発表

脳卒中後に生じる痛みを解明し治療するためのモデル動物を確立-"最悪の痛み"の克服を目指して-

脳卒中後に生じる痛みである脳卒中後疼痛のメカニズムの解明や、脳卒中後疼痛のために開発した治療法を評価するためのモデル動物を開発した。今回、モデル動物であるサルの脳で、皮膚に触れたときの感覚の情報(体性感覚情報)を中継する視床の後外側腹側核に局所的な脳出血を作成し、感覚刺激に対する逃避行動を調べた。脳損傷が安定してから数週間経過した後には、脳損傷前は逃げることがなかった軽い触覚や温度を与えたときにも逃げる様子が見られたことから、アロディニアと呼ばれる症状が生じたと考えられた。これまで、げっ歯類をモデル動物とした研究は複数あったが、いずれもアロディニアの発症に至る時間経過がヒトと異なっていた。今回の研究はヒトに近い脳を持つサルをモデル動物としており、また実際にヒトの患者に近い病態が得られたため、世界で最もヒトの病態に近い脳卒中後疼痛モデル動物であるといえる。このモデルを用いることで、脳卒中後疼痛を引き起こすと考えられている不適切な脳の変化の解明や、この病気を根治する治療法の開発につながる可能性がある。

脳卒中後疼痛のメカニズムの解明や、治療効果の評価につながる可能性のあるモデル動物の図

メソポーラス材料 2017年10月12日発表

原料の反応性を制御して多様なメソポーラス材料を合成-細孔表面の性質を変えたメソスケールの化学反応場として期待-

有機架橋ホスホン酸と金属塩化物から非シリカ系の有機無機ハイブリッド型メソポーラス材料を合成する産総研オリジナルの手法を改良し、原料の反応性を連続的に制御することで多様なメソポーラス材料を合成できる技術を開発した。メソポーラス材料の産業応用の拡大には、材料表面を親水性にするなど、表面特性の多様化が重要である。そのために有機架橋ホスホン酸化合物と塩化アルミニウムなどさまざまな金属塩化物を反応させた細孔の形成を検討してきたが、従来手法では反応速度を制御できず細孔の形成が不十分であった。これに対して金属塩化物と反応するホスホン酸化合物のエステル基の割合を連続的に制御する技術を開発し、特定の金属塩化物との組み合わせに対して、細孔を形成させるのに最適な反応性を実現した。開発した技術により、メソポーラス材料の細孔表面の性質に関する設計自由度が向上したため、従来の疎水性のメソポーラス材料とは異なるメソスケールの化学反応場をもつ触媒材料やフィルター材料、人工光合成材料など、さまざまな分野での応用が期待される。

メソポーラス材料表面の構造と性質の図

情報通信ネットワーク 2017年9月28日発表

シリコンフォトニクスによる新しい光ネットワークの実運用を開始-超高精細で超低遅延の映像サービスなどの実用化へ期待-

ダイナミック光パスネットワークと呼ばれる新しいネットワーク技術の開発を進め、今回そのテストベッドを東京都内に構築し実運用を開始した。従来の光ネットワークでは、電子ルーターを用いているため、通信量に比例して消費電力が増大する。一方、今回のシステムでは、光スイッチにより信号を光のまま振り分けるため、通信量によらず超低消費電力で通信できる。また、4K/8Kなどの超高精細映像を遅延少なく非圧縮伝送でき、それによって実現する遠隔共存は、医療や教育、産業などの幅広い分野で革新を引き起こすほか、AR/VRなどを活用したeスポーツなどの新産業創出の契機になることが期待されている。今回のテストベッドは都内の既設の未使用光ファイバーを利用した。ユーザーの要求に基づき、任意のユーザー間を光回線(光パス)でつなぐ回線交換型の光ネットワークである。数万人規模のユーザーに対応するには高性能な光スイッチが多数必要となる。シリコンフォトニクス技術による光スイッチは、信頼性が高く、小型・低消費電力で大量生産に適しているが、実用面での課題が多く、これまで実験室での検証にとどまっていた。今回、光スイッチの多くの課題が解決でき、実環境で安定に動作するレベルに達したため、今回のテストベッド実運用を初めて実現した。

ダイナミック光パスネットワークの概念図

鳥羽地質図 2017年9月14日発表

恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか?-志摩半島の地殻変動の歴史を編んだ5万分の1地質図幅「鳥羽」を刊行-

三重県鳥羽地域における地質調査の結果をまとめた5万分の1地質図幅「鳥羽」を刊行した。紀伊半島の東端、志摩半島に位置する鳥羽地域は、古生代~中生代のさまざまな種類の地層・岩石が分布する日本列島でも有数の場所で、1996年には恐竜「トバリュウ」の化石が発見されたことでも知られる。しかし、これまでこの地域の詳細な地質図は作製されていなかった。今回、詳細な地表踏査を基に、複雑に分布する地質を把握して鳥羽地域の精緻な地質図を作製した。また、これまで時代未詳であった地層の年代を決定し、地層名の定義や、地質のまとまりである地質帯の区分と整理を行った。鳥羽地域の地質の成り立ちを解明する上で重要な地殻変動の復元を行った結果、鳥羽で恐竜化石が発見された理由や、この地域の最高峰である朝熊ヶ岳あさまがたけが形成された過程を解明できた。鳥羽図幅は、今後、学術研究に加え、防災・減災計画、都市計画、観光産業、地学教育の基礎となる重要な資料として利活用されることが期待される。

今回刊行した5万分の1地質図幅「鳥羽」の図

結晶欠陥検出 2017年9月21日発表

透過電子顕微鏡画像から結晶欠陥を容易に検出する技術を開発-欠陥の分布表示で次世代半導体のデバイスプロセス技術の改良を促進-

結晶の透過電子顕微鏡画像から欠陥を検出できる画像処理技術を開発した。近年、半導体の性能・寿命を保証するため、半導体デバイスの製造時に発生する構造欠陥を精密に制御するプロセス技術の確立が求められている。原子レベルの欠陥は、従来、透過電子顕微鏡で撮影された高分解能原子配列画像を人が観察して評価していたが、高倍率にするほど視野が狭くなるため、広い領域で欠陥を評価するには非常に手間が掛かっていた。今回開発した技術は、結晶の透過電子顕微鏡画像の広い領域で欠陥を容易に検出できる画像処理である。この技術を次世代パワーデバイスとして期待されている窒化ガリウム(GaN)半導体の透過電子顕微鏡画像に適用したところ、画像全体で欠陥の一種である転位の分布を評価することができた。開発した技術は、半導体デバイスの製造プロセス改良への貢献が期待される。

透過電子顕微鏡画像から転位を可視化する技術の図

  • ニュース一覧
  • お知らせ
  • 研究成果
  • イベント
  • 受賞
  • 私たちの取組み
  • こんなところに産総研
  • 総合技術相談窓口
  • TIA
  • オープンイノベーションラボラトリ(OIL)
  • レポート
  • データベース
  • 出版物
  • メールマガジン
  • 見学施設
  • Youtube AIST channnel
  • Twitter @AIST_JP
  • 調達情報RSS
  • 手続き一覧
  • 環境・社会的取り組み
  • 情報公開
  • 個人情報保護