発表・掲載日:2013/06/21

コナカイガラムシの代謝経路を構築する複雑な共生システムを発見

-ゲノム、細胞、個体などの基本概念にインパクト-

ポイント

  • 害虫のコナカイガラムシで従来の常識を超えた複雑な微生物との共生システムを発見
  • 宿主細胞内に入れ子状に存在する2種の共生細菌と、それらとは異なる多様な細菌に由来する水平転移遺伝子が、補完的に代謝経路を構築
  • 生物のゲノム、細胞、個体などの基本概念の定義や区分に一石を投じる新たな知見

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門【研究部門長 鎌形 洋一】深津 武馬 首席研究員(兼)生物共生進化機構研究グループ長、古賀 隆一 主任研究員らと、沖縄科学技術大学院大学【学長 ジョナサン・ドーファン】佐藤 矩行 教授らは、米国モンタナ大学、放送大学などと共同で、農業害虫として知られるコナカイガラムシでは、共生器官の細胞内に極度にゲノムの縮小した2種の細菌が入れ子状になって共生し、さらに過去に多様な細菌から昆虫ゲノムに水平転移した20種以上の遺伝子が共生器官で発現し、それらがモザイク状かつ相互補完的にアミノ酸合成、ビタミン合成、細胞壁合成などの共生関係に必須な代謝経路を構築していることを発見した。これは、従来の常識を超えた複雑な共生システムである。

 この研究成果は2013年6月21日(日本時間)に米国の学術誌「Cell」に掲載される。(DOI:10.1016/j.cell.2013.05.040)

ミカンコナカイガラムシと菌細胞塊の写真
(左)ミカンコナカイガラムシ(中)その腹部には共生器官である菌細胞塊(赤色)が存在する(右)個々の菌細胞の細胞質中に不定形のβ共生細菌(青色)が、さらにその内部に入れ子状にγ共生細菌(赤色)が入っており、宿主の細胞核(緑色)には多様な細菌由来の水平転移遺伝子が存在する。

研究の背景

 地球上に存在する多種多様な生物の最も根源的な分類は、原核生物真核生物の区分である。単純な原核細胞からより複雑な真核細胞が生じた過程の解明は、生命の多様性および進化を解明するうえで極めて重要である。真核生物の起源については、細胞内共生説が基本的な定説となっている。昆虫、植物、菌類、原生生物などで多種多様な細胞内共生関係がみられるが、すべて真核細胞が原核細胞、あるいは真核細胞を取り込んだ内部共生である。真核細胞の進化過程の理解に関係する、原核細胞が原核細胞を取り込む形の細胞内共生は、長年、実例が知られていなかった。

 しかし近年、ミカンコナカイガラムシという害虫の体内に菌細胞塊という共生器官が存在し、その細胞の中に共生細菌トレンブレイヤβ共生細菌)が存在し、さらにそのβ共生細菌の内部に共生細菌モラネラγ共生細菌)が存在するという、入れ子状の共生システムが発見された。その後、ミカンコナカイガラムシのβ共生細菌とγ共生細菌の全ゲノム塩基配列が決定され、さらに多様なコナカイガラムシ類の比較研究により、コナカイガラムシ亜科(Pseudococcinae)のミカンコナカイガラムシなどでは菌細胞中にβ共生細菌とγ共生細菌が入れ子状に共生しているのに対して、ワタカイガラモドキ亜科(Phenacoccinae)のキュウコンコナカイガラムシなどでは菌細胞中にβ共生細菌しか存在せず、γ共生細菌を獲得する前の祖先的な内部共生システムである可能性が示唆された(図1、2)。

ミカンコナカイガラムシとキュウコンコナカイガラムシの内部共生システムの構成の模式図
図1 ミカンコナカイガラムシ(A)とキュウコンコナカイガラムシ(B)の内部共生システムの構成の模式図

コナカイガラムシ類の内部共生システムの多様性と推定される進化過程の図
図2 コナカイガラムシ類の内部共生システムの多様性と推定される進化過程

研究の経緯

 産総研を代表とする日本の研究グループは、モンタナ大学を代表とする米国の研究グループと共同で、ミカンコナカイガラムシ(図1A)の菌細胞の網羅的遺伝子発現解析と概要ゲノム配列決定、そしてキュウコンコナカイガラムシ(図1B)のβ共生細菌の全ゲノム塩基配列決定を行い、コナカイガラムシ類における原核細胞と原核細胞で構成される内部共生システムの進化過程を、沖縄科学技術大学院大学の研究チームの協力を得てゲノムレベルで解明する研究プロジェクトを開始した。

 なお、本研究成果の一部は、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターおよび文部科学省 科学研究費補助金の支援を受けて行った。

研究の内容

 キュウコンコナカイガラムシのβ共生細菌のゲノムを決定したところ、175個のタンパク質をコードする遺伝子を保有していた。ミカンコナカイガラムシのβ共生細菌は121個のタンパク質をコードする遺伝子を保有しているため、ミカンコナカイガラムシの祖先がγ共生細菌を獲得してから現在に至るまでに、β共生細菌のゲノムから少なくとも50個以上の遺伝子が失われたと推定された(図2)。

 キュウコンコナカイガラムシのβ共生細菌は、大部分の翻訳関連の遺伝子群を保有していた(図3B青)が、ミカンコナカイガラムシのβ共生細菌ではほとんどの翻訳関連遺伝子群が失われ、γ共生細菌の遺伝子群(図3A橙)がそれらの代謝経路を相補する形になっていた。すなわち、β共生細菌はγ共生細菌の獲得に伴って翻訳関連遺伝子群を失ったと推定される。

ミカンコナカイガラムシおよびキュウコンコナカイガラムシの内部共生
システムにおける翻訳関連遺伝子群の構成図
図3 ミカンコナカイガラムシ(A)およびキュウコンコナカイガラムシ(B)の内部共生 システムにおける翻訳関連遺伝子群の構成
●の色は遺伝子の由来または有無を示す(凡例を参照)。●の数はそのカテゴリに属する遺伝子の数を表す。例えばアミノアシルtRNA合成酵素をコードする遺伝子は、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸に対応した20種類がある。

 カイガラムシ類は一生を通じてタンパク質をほとんど含まない植物の汁液のみを餌とするため、共生細菌からの10種類の必須アミノ酸の供給が必要である。キュウコンコナカイガラムシのβ共生細菌では、合成系遺伝子が全て揃っている必須アミノ酸はトリプトファンとアルギニンの2種のみで、他の8種の必須アミノ酸の合成経路が不完全となっていた(図4B)。ミカンコナカイガラムシでも同様に、合成系遺伝子が全て揃っている必須アミノ酸はトリプトファンとアルギニンの2種のみであったが、β共生細菌の遺伝子(図4A橙)とγ共生細菌の遺伝子(図4A青)がモザイク状に組み合わさって合成系が完成していた。他の8種の必須アミノ酸についても同様に、β共生細菌の遺伝子とγ共生細菌の遺伝子がモザイク状に組み合わさって不完全な合成経路を構築していた(図4A)。

ミカンコナカイガラムシおよびキュウコンコナカイガラムシの内部共生システムにおける必須アミノ酸合成系遺伝子群の構成図
図4 ミカンコナカイガラムシ(A)およびキュウコンコナカイガラムシ(B)の内部共生システムにおける必須アミノ酸合成系遺伝子群の構成
●はそれぞれアミノ酸合成系の遺伝子(上/下に示すアルファベットは遺伝子名)で、アミノ酸合成経路の順に並べて示す。●の色は遺伝子の由来または有無を示す(凡例を参照)。

 共生細菌の必須アミノ酸合成経路で欠けている遺伝子はどうなっているのかを明らかにするために、ミカンコナカイガラムシの共生器官と全身で発現している宿主昆虫遺伝子を網羅的に解析した。その結果、多くの欠失遺伝子については、似た機能をもつ宿主昆虫の遺伝子が共生器官で発現して、相補されているらしいことが判明した(図4A緑)。ところが、3種の欠失遺伝子については、宿主昆虫の遺伝子ではなく、β共生細菌やγ共生細菌とは異なる細菌に由来する遺伝子に相補されていることがわかった(図4A黄)。

 共生細菌が供給する栄養素として重要なビタミンBの合成系遺伝子群についても、同様の結果が得られた(図5)。ミカンコナカイガラムシのリボフラビン(ビタミンB2)合成経路の4種の遺伝子のうち、2種はγ共生細菌の遺伝子(図5Aリボフラビン橙)であったが、残りの2種は、β共生細菌やγ共生細菌とは異なる細菌に由来する遺伝子(図5Aリボフラビン黄)であった。ビオチン(ビタミンB7)についても、γ共生細菌の6遺伝子(図5Aビオチン橙)に加えて、最終段階の3遺伝子(図5Aビオチン黄)が他の細菌由来であった。

ミカンコナカイガラムシおよびキュウコンコナカイガラムシの内部共生システムにおけるビタミンB(VB)合成系遺伝子群の構成図
図5 ミカンコナカイガラムシ(A)およびキュウコンコナカイガラムシ(B)の内部共生システムにおけるビタミンB(VB)合成系遺伝子群の構成
●はそれぞれVB合成系の遺伝子(上に示すアルファベットは遺伝子名)で、VB合成経路の上に順番に並べて示す。●の色は遺伝子の由来を示す(凡例を参照)。
 細胞壁合成系の遺伝子群ではさらに極端な結果となった(図6)。ミカンコナカイガラムシの共生器官において、細菌細胞壁の主要構成成分であるペプチドグリカンの合成系遺伝子群は2個だけがγ共生細菌の遺伝子(図6橙)で、残りはβ共生細菌やγ共生細菌とは異なる細菌に由来する遺伝子(図6黄)であった。
ミカンコナカイガラムシの内部共生システムにおける細胞壁合成系遺伝子群の構成図
図6 ミカンコナカイガラムシの内部共生システムにおける細胞壁合成系遺伝子群の構成
●はそれぞれ細胞壁合成系の遺伝子(上/下に示すアルファベットは遺伝子名)で、ペプチドグリカン合成経路の順に並べて示す。●の色は遺伝子の由来または有無を示す(凡例を参照)。

 ミカンコナカイガラムシのゲノム解析から、これらβ共生細菌やγ共生細菌とは異なる細菌に由来する遺伝子は、すべて宿主昆虫の核ゲノム上に存在することが確認された。つまりコナカイガラムシは、その細胞内に2種類の共生細菌を入れ子状に保有するだけでなく、多種多様な細菌からさまざまな代謝系遺伝子を水平転移により獲得していた。これらの共生細菌の遺伝子と水平転移した遺伝子を組み合わせて機能的な代謝経路を構築することで、コナカイガラムシが生存可能になっているという、従来の常識を超えた複雑な共生システムであることが判明した。

  分子系統解析の結果、これら水平転移遺伝子の多くはボルバキア、リケッチア、ソダリス、アルセノフォナス、カルディニウムなど、昆虫類に広く見られる非必須の共生細菌の遺伝子に近縁であることが判明した。しかし現時点では、ミカンコナカイガラムシはこれらの共生細菌に感染していない。おそらくコナカイガラムシ類の祖先が、これらの共生細菌に感染していた時期があり、遺伝子の一部を核ゲノムに水平転移した後に、感染が失われたものと推定される(図7)。

ミカンコナカイガラムシの内部共生システムの進化過程概念図
図7 ミカンコナカイガラムシの内部共生システムの進化過程の概念図

 今回の発見は、生物における個体、細胞、ゲノムとは何か、それらはどのように構築され、進化してきたのかという根源的な問いに新たな観点を提示する。例えば細胞内共生説において、ミトコンドリアや葉緑体のように細胞内小器官として残ったものは一部にすぎず、大部分の共生細菌は一部の遺伝子のみを宿主核ゲノムに水平転移したうえで消失したのではないか、そのような水平転移遺伝子も真核細胞の進化に寄与してきたのではないか、初期の真核細胞は多数の細菌のキメラとして生じたのではないか、といった仮説に具体的な根拠を与えるものである。

今後の予定

 今後はコナカイガラムシの内部共生システムを構築する宿主昆虫の遺伝子、β共生細菌の遺伝子、γ共生細菌の遺伝子、そして水平転移遺伝子がコードするタンパク質などの遺伝子産物の機能解析を進め、この複雑な共生システムがどのように構築され、働いているのかを具体的に解明していく予定である。

  さらに、多様な生物における内部共生システムの探索と解明を進めていくことにより、コナカイガラムシで発見されたこの現象が、特殊なものなのか他の生物でも見られるのかを明らかにし、共生進化と遺伝子水平転移の関係について追求していきたい。


用語の説明

◆コナカイガラムシ
半翅目(Hemiptera)、カイガラムシ上科(Coccoidea)、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)に属する昆虫の総称。体長数mmの楕円形で、白い綿状のワックスを体表から分泌するため、粉をまぶしたような外観である。植物の汁を吸って餌とし、農作物に害を与える害虫種を多く含む。[参照元へ戻る]
◆共生器官
微生物との共生のために特殊化した生物の器官のこと。コナカイガラムシやアブラムシにみられる菌細胞塊のほか、マメ科植物が細菌との共生のために根に形成する根粒、ヒカリキンメダイが発光細菌を取り込んで純粋培養するための共生発光器官、キクイムシが共生菌を保有する体表面の特殊な窪みである菌嚢、カメムシの消化管の後端に発達する中腸盲嚢などがある。[参照元へ戻る]
◆ゲノム
生物のもつすべての遺伝情報のこと。全遺伝子を含むDNAセットを指す。[参照元へ戻る]
◆水平転移、水平転移遺伝子
生物において遺伝子DNAは通常、繁殖に伴い親から子へと受け継がれ、これを遺伝子の垂直伝達という。ところが生物の個体間や種間で遺伝子の受け渡しがおこる場合があり、これを遺伝子の水平転移という。また水平転移した遺伝子を水平転移遺伝子という。[参照元へ戻る]
◆発現
生物学では、遺伝子の情報が細胞における構造や機能に変換されることを意味する。普通は遺伝情報に基づいてタンパク質が合成されることを指すが、RNAとして機能する遺伝子ではRNAの合成が発現となる。[参照元へ戻る]
◆代謝、代謝経路
生物が外界から取り入れた無機物や有機化合物を素材として行う一連の合成や化学反応のことを代謝という。代謝を構成する化学反応の連鎖を代謝経路という。[参照元へ戻る]
◆菌細胞、菌細胞塊
昆虫類および他の生物において、共生細菌を細胞内に保有するために特殊化した細胞を菌細胞という。また、菌細胞はしばしば集合して共生のための器官を構成し、これを菌細胞塊という。[参照元へ戻る]
◆原核生物
細胞核をもたない生物のこと。真核生物よりはるかに小さく細胞の構造も単純である。真正細菌(バクテリア、狭義の細菌)と古細菌(アーキア)から構成され、古細菌は細菌よりもむしろ真核生物に近い。大腸菌、乳酸菌など通常細菌と呼ばれる生物はほとんど全て真正細菌である。古細菌の例としてはメタン菌、超好熱菌、高度好塩菌などがある。[参照元へ戻る]
◆真核生物
細胞核をもつ生物のこと。真核細胞は一般に原核細胞よりもはるかに大きく、内部に核、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、葉緑体などの細胞内小器官が存在する。動物、植物、菌類、原生生物などが含まれる。私たちが普段目にするような生物はほとんど全て真核生物である。[参照元へ戻る]
◆細胞内共生説
1960年代後半から70年代にかけて米国のマーギュリス(Lynn Margulis)が提唱した真核細胞の進化的起源を説明する仮説で、細胞内小器官のうちミトコンドリア、葉緑体、鞭毛は細胞内共生によって獲得されたものであり、細胞本体とは異なる細菌に由来すると主張した。その後の遺伝子情報に基づく研究により、ミトコンドリアと葉緑体については細胞内共生による進化的起源が定説となっているが、鞭毛の細胞内共生起源を支持する証拠は乏しく、現在ではほとんど顧みられない。[参照元へ戻る]
◆トレンブレイヤ、β共生細菌
コナカイガラムシ類の菌細胞内に共生する、βプロテオバクテリアに属する共生細菌Tremblaya princepsのこと。細菌としては大型で不定形であり、ゲノムサイズは約14万塩基対で大腸菌の30分の1程度である。コナカイガラムシ亜科のミカンコナカイガラムシでは、β共生細菌の中にさらにγ共生細菌が細胞内共生している。ワタカイガラモドキ亜科のキュウコンコナカイガラムシのβ共生細菌はTremblaya phenacolaと呼ばれ、γ共生細菌を保有しない。[参照元へ戻る]
◆モラネラ、γ共生細菌
コナカイガラムシの菌細胞内のβ共生細菌の内部にさらに共生する、γプロテオバクテリアに属する共生細菌Moranella endobiaのこと。ゲノムサイズは約54万塩基対で大腸菌の8分の1程度である。[参照元へ戻る]
◆コード
タンパク質のアミノ酸配列が、遺伝子DNA上で塩基3つずつに対応する配列として暗号化されていることを指す。[参照元へ戻る]
◆翻訳
メッセンジャーRNAの塩基配列を読み取ってそれに対応するアミノ酸配列のタンパク質を合成する過程のこと。ゲノムDNAの複製、遺伝子の塩基配列情報のメッセンジャーRNAへの転写、そしてメッセンジャーRNAの情報に基づくタンパク質への翻訳は、細胞が生きていくうえで最も基本的な過程であり、それらに関わる分子機構は生物の系統や種によらず極めて高度に保存されている。[参照元へ戻る]
◆必須アミノ酸
生物の体を構成するタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されるが、多くの動物はうち約10種類のアミノ酸を自分で合成できず、食物などから摂取しないと生きていけない。これらを必須アミノ酸と呼ぶ。[参照元へ戻る]
◆ビタミンB
水溶性ビタミンのうち、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ニコチン酸(B3)、パントテン酸(B5)、ピリドキシン(B6)、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、シアノコバラミン(B12)の総称。いずれも生体内において特定の酵素が化学反応を触媒するのを助ける働きをする。動物が自分では合成できない微量栄養素で、食物などから摂取する必要がある。[参照元へ戻る]
◆細胞壁
植物や菌類、細菌の細胞膜の外側に見られる構造。動物細胞には存在しない。細胞に機械的強度を与え、形態の維持を行う。植物ではセルロースやリグニン、菌類ではキチンやグルカン、細菌ではペプチドグリカンなどが主要な構成成分である。[参照元へ戻る]
◆ペプチドグリカン
ペプチドとはアミノ酸が重合したもので、タンパク質の小さなものである。ペプチドグリカンとはペプチドと糖からなる高分子で、細菌の細胞壁を構成する主要な成分である。[参照元へ戻る]
◆ボルバキア、リケッチア、ソダリス、アルセノフォナス、カルディニウム
いずれも昆虫類に広く見られる共生細菌であり、一般に宿主の生存に必須ではない任意共生細菌と考えられている。ボルバキア(Wolbachia)とリケッチア(Rickettsia)はαプロテオバクテリアに、ソダリス(Sodalis)とアルセノフォナス(Arsenophonus)はγプロテオバクテリアに、カルディニウム(Cardinium)はバクテロイデスにそれぞれ属する。[参照元へ戻る]
◆キメラ
ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つというギリシア神話の怪物のこと。転じて生物学では、同一個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっていること、またそのような個体をキメラという。近年ではさらに「キメラ分子」「キメラ型タンパク質」のように、由来の異なる複数の部分から構成されるという意味でもよく使われる。[参照元へ戻る]

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