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ニュース

2016/09/09

計算・プロセス・計測による三位一体の研究開発体制の構築により「経験と勘」に頼らない機能性新材料の研究を加速
-民間企業16社が結成した先端素材高速開発技術研究組合(Hi-Mat)と産総研が共同研究をスタート-

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(産総研)は、計算科学を活用し機能性材料の開発期間の短縮を目指した共通基盤技術の開発を進める国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(平成28~33年度)」【プロジェクトリーダー 村山 宣光(産総研 材料・化学領域 領域長)】のもと、材料系の16社が結成した技術研究組合である先端素材高速開発技術研究組合(Research Association of High-Throughput Design and Development for Advanced Functional Materials;Hi-Mat)【理事長 腰塚 國博(コニカミノルタ株式会社 取締役 常務執行役)】と共同研究契約を締結し、集中研方式で共同研究をスタートします。

 本共同研究では、計算科学、材料プロセス技術、先端計測技術の一体開発を行うことができる集中拠点を産総研(つくばセンター及び中部センター)に置き、エネルギー変換材料、誘電材料、超高性能ポリマー、超高性能触媒(機能性化成品)などの将来の事業化に向けて、先端素材高速開発技術研究組合とともに、三つの手法(計算科学、プロセス技術、計測技術)を組み合わせた新たな研究開発手法を導入し、機能性材料の試作回数や開発期間を大幅に短縮する新技術の創出を目指します。


新たな機能性材料の研究加速基盤技術の開発体制の図
新たな機能性材料の研究加速基盤技術の開発体制

背景

 日本が強みをもつ機能性材料での研究開発の国際競争力を維持・向上するためには、目的の機能を備えた素材の開発期間の短縮化が要求されていますが、その一方で、機能性材料の構造等が複雑化しており、従来の研究開発手法では材料の開発期間が長期化する傾向にあります。従来の技術者は、これまでの研究開発の蓄積から「経験と勘」に基づく仮説を立てて、実験による検証を繰り返すことで、適切な機能を有する機能性材料の最適な組成や構造を求めてきました。こうした人海戦術での研究開発を超え、製品を構成する機能性材料の開発期間を飛躍的に短縮すると同時に、要求される材料の高機能化・複合化を達成するためには、新たな研究開発の仕組みを構築する必要があります。

 この度、革新的な材料開発手法の構築に着手するNEDO事業「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」が開始され、本プロジェクトに公募採択された化学素材メーカーとして、出光興産株式会社、宇部興産株式会社、株式会社カネカ、コニカミノルタ株式会社、JSR株式会社、昭和電工株式会社、新日鉄住金化学株式会社、積水化成品工業株式会社、DIC株式会社、東レ株式会社、東ソー株式会社、株式会社日本触媒、パナソニック株式会社、日立化成株式会社、 株式会社村田製作所、 横浜ゴム株式会社の16社が、機能性材料の試作回数・開発期間を大幅に短縮する研究開発を目的とする先端素材高速開発技術研究組合(Hi-Mat)を平成28年7月12日に設立し、平成28年9月9日の総会により、同じく本プロジェクトに公募採択された産総研との共同研究にて、集中研方式で研究開発を始動することとなりました。

計算科学、材料プロセス技術、先端計測技術の一体開発での機能材料開発スキームの図
図 計算科学、材料プロセス技術、先端計測技術の一体開発での機能材料開発スキーム

研究内容

 本研究では、産総研 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センターで開発する第一原理計算や分子動力学法、有限要素法などを活用し、ナノスケールからマクロスケールまでの状態をシームレスに表現し、材料機能を高い信頼度で予測する計算機支援次世代ナノ構造設計基盤技術、精密に構造などを制御した試作品などを高精度に試作するための高速試作・革新プロセス技術開発、並びに、試作したサンプル品の構造や組成、機能などを非破壊、あるいはその場環境で測定するための先端ナノ計測評価技術開発を集中拠点で実施し、新たな機能性材料の、設計~プロセス技術~評価のサイクルをスピードアップする基盤技術の構築を進めます。さらに、高度な機能予測モジュール(最適条件予測等)の実証や、自動化機構の高度化による試作プロセス、計測技術の高速化、人工知能(AI)技術等を用いた材料開発の検証、実材料の創製等、エネルギー変換材料、誘電材料、超高性能ポリマー、超高性能触媒(機能性化成品)などの各種材料開発への展開を目指します。


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