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2015/11/01

「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター」を設立
-産業を牽引する新素材創出のスピードアップを目指して-

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、平成27年11月1日に「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター(CD-FMat)」【研究センター長 浅井 美博】を設立します。部素材のバリューチェーン強化を目指す材料・化学領域【領域長 村山 宣光】の3つ目の研究センターとなります。

 アメリカでの「マテリアルズ・ゲノム」プロジェクトなど、計算シミュレーションと人工知能関連技術を統合的に用いて、材料開発に必要な研究期間を大幅に短縮しようとするマテリアルズ・インフォマティクス研究プロジェクトが、この数年間に世界各国で多く立ち上がっており、特許審査のあり方まで変える可能性があります。

 本研究センターでは、機能性部材・デバイスの相反する機能を解明する新たな計算手法の開拓だけでなく、計算手法に大規模化や粗視化の導入を行っていきます。これにより、ミクロからマクロにつながるマルチスケール計算材料設計手法を構築し、 『材料の機能、物性パラメータ』、『材料の化学構造』、および『材料の合成プロセス』の関係を決定するための技術開発を推進します。さらに、企業などが研究課題を持ち込んで集中研究を行うためのコア機能として、材料設計手法を開発し産業界への普及を図るとともに、大学・研究機関とも協力しつつ、開発した設計手法をより広く応用するオープンイノベーションハブを構築します。

機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センターのイメージ図
機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センターのイメージ 
研究開発の概要(左)とセンターの構成とミッションの概要(右)

 最近の機能性材料は、ナノ粒子を素材に練り込むなどの複合化と同時に、単一材料で多数の相反する機能を実現するといった高度化もなされており、材料開発、合成プロセスがより高度化しています。化学組成と構造の複雑化が生み出す膨大な可能性を網羅するデータベースの構築が容易ではない機能性材料のような場合、データベースを活用して行う機能から材料を予測する逆方向の探索には困難が予想され、材料からその機能を予測する順方向の計算シミュレーション技術の能力を高め、実験の代替機能を持たせていく必要があります。

 産業を牽引する新素材創出のスピードアップを目指すためには、材料機能を計算から直接的に評価するシミュレーション技術と、複合材料を取り扱えるようなマルチスケール技術を創出し、それらを融合することが重要になります。そのような計算材料設計(コンピュテーショナルデザイン)基盤技術の構築により、マテリアルズ・インフォマティクスの有効な適用対象を大幅に拡大することができると期待されます。

 本研究センターは平成27年5月1日に設立された「人工知能研究センター」と連携して材料開発研究のインフォマティクス化を強力に進めていきます。


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