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ニュース

2014/03/25

福島県と産業技術総合研究所が連携・協力に関する協定を締結
-再生可能エネルギー関連産業の福島県内への集積に向けた取り組みを強化-

ポイント

  • 平成26年4月に開所する産総研福島再生可能エネルギー研究所を中核として、再生可能エネルギー分野の研究開発、地元企業への技術支援、人材育成などの取り組みを連携して推進
  • 福島県内外の教育・研究機関や企業などともネットワークを構築し、上述の取り組みの骨太化を図るとともに、情報発信・成果普及を効果的に実施
  • これらの活動を通して福島県における再生可能エネルギー分野の産業集積を促進し、東日本大震災からの復興を加速

概要

 福島県【知事 佐藤 雄平】と独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、わが国および福島県の再生可能エネルギー分野をはじめとした産業振興と、活力のある個性豊かな地域社会の形成・発展に寄与することを目的として、両者の連携・協力に関する協定を平成26年3月25日に締結した。

 本協定に基づいて、再生可能エネルギー分野における研究開発の強化とその成果の産業利用の促進、福島県内企業などへの技術開発支援、人材育成、情報発信などの取り組みを強化し、福島県における再生可能エネルギー関連産業の集積につなげることにより、東日本大震災からの復興の加速を目指す。

連携内容概要図


調印式の様子
(左)福島県 佐藤知事  (右)産総研 中鉢理事長

協定締結の背景・ねらい

 福島県は、東日本大震災からの復興に向けた主要施策の一つに「再生可能エネルギーの飛躍的な推進による新たな社会づくり」を位置付け、再生可能エネルギーの導入推進および再生可能エネルギー関連産業集積のための基盤づくりを進めている。

 産総研は、政府の 「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成23 年7 月29 日、東日本大震災復興対策本部決定)を受けて、平成26年4月に福島県郡山市に福島再生可能エネルギー研究所を開所する。そこでは、「世界に開かれた再生可能エネルギーの研究開発の推進」と「新しい産業の集積を通した復興への貢献」を大きな使命とし、国内外から集うさまざまな人々と共に、新たな再生可能エネルギー技術を生み出し発信する拠点を目指している。

 今回の協定締結により、福島県における再生可能エネルギー産業の集積に向けた両者の取り組みをより緊密に連携させて強化し、東日本大震災からの復興を加速する。

具体的な連携・協力内容

 協定に基づく連携・協力事項として、再生可能エネルギー分野における研究開発の強化、福島県内企業などへの技術開発支援を推進するほか、人材育成・人材交流、情報発信・成果普及などに取り組む。

 連携当初は以下の取り組みを行う。

1.研究開発の強化

(1) 県内企業などへの技術開発支援

1)被災地企業のシーズ支援プログラム
 産総研は、被災地企業の再生可能エネルギー関連技術シーズの事業化を技術的に支援するプログラムを実施している。福島県はそれを県内企業に周知するとともに、産総研に県内企業を紹介する。

2)再生可能エネルギー研究開発補助事業
  福島県は、平成26年度より、創・蓄・省エネルギー関連分野で産総研と共同研究を行う県内企業や大学に対して、研究開発経費の一部を補助する事業を開始する。産総研は県内企業などとの共同研究を推進することにより協力する。

(2) 福島県と産総研との共同技術開発

1)福島県再生可能エネルギー次世代技術開発事業
 福島県は、世界を先導する「福島発」の再生可能エネルギー技術の創出を目指して、次世代技術開発を支援する事業を実施している。産総研は同事業で次の2課題を実施する。
 1. 水素利用蓄エネルギーの有効活用のための次世代コジェネ技術の開発
 2. 再生可能エネルギー大量導入に向けた再生可能エネルギー発電観測システムの開発及び解析

2)福島県ハイテクプラザと産総研との共同研究
 太陽光パネル用結晶シリコン基板の加工技術の開発などを実施する。

(3) 県内研究機関との研究協力

 文部科学省の地域イノベーション戦略支援プログラムにおいて、産総研は国立大学法人 福島大学などと共同で次世代太陽電池などの研究開発を推進している。福島県は研究開発に関する協議会の体制整備の支援を行っている。

2.人材育成・人事交流

(4) 大学生、大学院生向け人材育成

 産総研は県内大学などから学生を受け入れ、先端研究開発におけるOJT(On The Job Training)を通して再生可能エネルギー分野における人材育成を実施する。福島県は、県内大学・企業・産総研との橋渡しを行う。

(5) 工業高校生向け人材育成

 産総研の研究者が工業高校生を対象に再生可能エネルギー技術に関する講師などを務める。

(6) 人事交流

 産総研と県内企業などとの連携強化や福島県職員の資質向上などを目的として、産総研と福島県との間で人事交流を実施する。

3.情報発信・成果普及

(7) 研究会活動:福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会

 福島県が事務局となり、再生可能エネルギー産業の集積に向けた情報共有・発信、ネットワーク形成、共同研究の検討などを目的として、福島県内外の企業・大学などの約500団体が加盟して福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会を組織している。産総研は、分科会の運営やセミナーへの講師派遣などで協力する。

(8) シンポジウムの開催

 再生可能エネルギー関連の取り組みについて、次のシンポジウムなどで協力し、さまざまな機会を捉えて国内外へ情報発信を行う。

日本を元気にする産業技術会議シンポジウム「福島から世界へ」
 ~産総研 福島再生可能エネルギー研究所 開所記念~
 (平成26年4月18日開催、於 日経ホール)

(9) 産業フェアでの協力

 再生可能エネルギー産業の集積に向けた情報発信を行うために、福島県などが主催する次の産業フェアなどで協力する。産総研は、出展やセミナー講師の派遣を行う。

第3回「ふくしま復興・再生可能エネルギー産業フェア2014」
 (REIFふくしま2014、平成26年12月3~4日開催、於 ビックパレットふくしま)

(10)海外研究機関とのネットワーク活用

 福島県および産総研との間で個別に覚書を締結しているフラウンホーファー研究機構などの海外研究機関とのネットワークを活用して、国際的な情報交換・情報発信・共同研究などを推進する。


用語の説明

◆被災地企業のシーズ支援プログラム
東日本大震災の被災地(福島県、宮城県、岩手県の3県)に所在する企業の再生可能エネルギーに関連するシーズについて産総研が福島再生可能エネルギー研究所などを活用し、無償で技術支援を実施する事業。平成25年度は11テーマを実施(うち6テーマが福島県の企業)。平成26年度は予算成立後に実施テーマを決定。
https://unit.aist.go.jp/col/ci/fukuseihyo/index5.html[参照元へ戻る]
◆福島県再生可能エネルギー次世代技術開発事業
日本さらには世界を先導する「福島発」の再生可能エネルギー技術の創出を目指して、新たに県内企業などの次世代技術開発を支援する事業。
藻類バイオマス生産など4つの研究開発テーマを推進している。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=38174[参照元へ戻る]
◆水素利用蓄エネルギー
水素を大量に貯蔵・輸送するために、水素を含む化合物に化学変換したエネルギー媒体。例えば、水素キャリアの一つに有機ハイドライドがあり、水素をトルエンに反応させてメチルシクロヘキサンにして水素を貯蔵する。逆に、化学反応によりメチルシクロヘキサンからトルエンに変化させ水素を放出する。メチルシクロヘキサンは常温常圧で液体であり、ガソリンと同様に取り扱えるため、既存の石油系インフラが活用できる。[参照元へ戻る]
◆次世代コジェネ技術
水素を燃料の一部として使うコージェネレーションエンジンシステム。重油や軽油などの鉱物由来の燃料使用量を削減でき、低炭素化と低コスト化が両立できる。また、エンジンの廃熱を利用して水素利用蓄エネルギー(水素キャリア)から水素を取り出すため、高効率なシステムとなる。[参照元へ戻る]
◆地域イノベーション戦略支援プログラム
審査により「地域イノベーション戦略推進地域(東日本大震災復興支援型)」に選定された地域のうち、東日本大震災からの復興・再生などに寄与するとともに地域イノベーション戦略の実現へ大きく貢献すると認められる地域に対して、戦略の中核を担う研究者の大学への集積や、戦略実現のための人材育成プログラムの開発および実施など、地域の大学など研究機関の地域貢献機能強化の観点から支援する事業。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/1321695.htm[参照元へ戻る]

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