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お知らせ記事2012/02/16

福島大学と産業技術総合研究所が協定を締結
-再生可能エネルギー分野における人材育成・研究開発をはじめとする広範な連携を目指して-

ポイント

  • 連携・協力協定に基づき、共同研究などの研究協力、研究施設・設備の相互利用などを推進
  • 連携大学院協定に基づき、産総研の研究者が福島大の客員教員に就任し、再生可能エネルギーに関する授業を担当、企業の技術者などにも公開
  • 両機関の連携により、福島県の復旧・復興・発展に貢献し、わが国の学術および産業技術の振興に寄与

概要

 国立大学法人 福島大学【学長 入戸野 修】(以下「福島大」という)と独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)は、再生可能エネルギー分野の人材育成・研究開発などにおいて、相互の研究開発能力および人材を活かして総合力を発揮するための連携・協力の推進に係る協定(以下「連携・協力協定」という)を、平成24年2月16日に締結した。同時に、福島大大学院共生システム理工学研究科における教育研究活動の一層の充実を図り、研究活動の推進とその成果の普及を図るために、教育研究協力に係る協定(以下「連携大学院協定」という)を締結した。

 両協定に基づいて、福島大と産総研は共同研究などの研究協力を推進し、研究施設・設備の相互利用や研究交流を促進するとともに、人材育成や成果普及活動を協力して行うことにより、東日本大震災後の福島県の復旧・復興・発展に貢献し、わが国の学術および産業技術の振興に寄与することを目指す。

連携体制図
協定による連携体制図

締結式の写真
左から福島大学 入戸野学長、 産総研 野間口理事長

経緯

 福島大は、学類として人間発達文化学類、行政政策学類、経済経営学類、共生システム理工学類の4学類、大学院として人間発達文化研究科、地域政策科学研究科、経済学研究科、共生システム理工学研究科の4研究科を持ち、「研究成果を還元する教育重視の人材育成大学」として発展すべく教育・研究に取り組んできた。東日本大震災とそれに続く原子力災害からの復旧・復興のために、再生可能エネルギー関連の研究開発・産業の集積地を目指す福島県における唯一の国立大学として再生可能エネルギーの研究開発・普及を担う人材の育成が期待されている。

 産総研は、環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・製造、標準・計測、地質の6分野を持ち、「社会の中で、社会のために」という理念のもと、高齢化・環境問題などの社会的課題の解決に向けて、グリーン・イノベーションおよびライフ・イノベーションの領域を中心に研究開発に取り組んできた。今般、経済産業省の東日本大震災復興関連事業の1つとして平成23年度3次補正予算により、産総研が再生可能エネルギーに関わる開かれた研究開発拠点を福島県に新たに設立することが決定された。本拠点では、産学官が結集して世界最先端の再生可能エネルギーの研究開発を行うことにより、関連産業の集積と人材育成に貢献することを目的としている。

 このような背景のもと、福島大と産総研は、両機関の広範な連携・協力関係の構築が今後の両機関の発展と東日本大震災からの復興支援に大きく寄与するとの共通認識に達したため、連携・協力協定および連携大学院協定を締結することとした。

協定の内容

<連携・協力協定>
  • わが国の学術および産業技術の振興に寄与することを目的とする
  • 共同研究などの研究協力、研究交流・人材交流、教育・人材育成の相互支援、研究施設・設備の相互利用などを推進
  • 緊密な連携・協力を推進するために連携協議会を設置
  • 有効期間は平成26年度末までで、双方合意の上で更新可能
<連携大学院協定>
  • 産総研の研究者が福島大の客員教員として、共生システム理工学研究科の再生可能エネルギーに関する授業などを実施

今後の予定

 平成24年度より産総研の研究者が福島大の客員教員に就任し、太陽光発電、風力発電、地熱発電・地中熱利用などの再生可能エネルギーに関する授業を担当する。これは、公開授業として、企業の技術者などにも公開する。さらに、産総研が福島県内に設立予定の再生可能エネルギーの研究開発拠点などにおいて、大学院生の実験・実習などの実施も検討する。また、さらなる展開として、連携協議会において共同研究などの新たな幅広い連携についても検討を始める。