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2016/01/01

理事長年頭所感 -新春に想う 2016-

年頭所感の中鉢理事長画像


 新年あけましておめでとうございます。日頃は、産総研の活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。心より、御礼申し上げます。

 昨年は、産総研にとって節目の年でありました。一つは、法改正に基づいて2015年4月に従来の独立行政法人から国立研究開発法人に移行し、「研究開発の成果の最大化」を目指す研究機関であることが明確化されたこと。もう一つは、同時に第4期中長期(5年)計画をスタートさせたことです。

「目的基礎研究」、「技術の橋渡し」、「人材の育成と活用」の三本柱

 研究開発の成果の最大化に向けて 産総研が第4期で重視しているのは 、イノベーションの基となる「目的基礎研究」を強化すること、産業界に「技術の橋渡し」をすること、そして イノベーション創出を担う「人材の育成と活用」を、組織を超えて推進することです。

 中でも「技術の橋渡し」を進めるためには、産業界に産総研の研究内容をご理解いただき、成果である技術を利活用していただく必要があります。まず、産総研の研究テーマを外部からわかりやすくするため、研究組織を従来の6つの研究分野から7つの領域に再編し、同時に産業界のビジネスと産総研の領域が可能な限り符号するよう、産業カテゴリーに合わせて、領域の名称を変更しました。
 そして、目的基礎研究と技術の橋渡しを推進するため、各領域に予算面、人事面で大幅に自主性を持たせ、組織の活性化と迅速な意思決定を図りました。また、企業の事業化ニーズと産総研の技術シーズのマッチングを図る専門員であるイノベーションコーディネータ(IC)を増強し、本部・領域・地域センターを拠点に120名規模で全国展開を進めました。このICには、産総研内部だけでなく、広く民間企業や全国にある公設試験研究機関などから人材を募り、活動を促進しています。 本部内に技術マーケティング室を新設し、産総研内外の情報を集約してマッチングを支援する体制も整えました。

 人材の育成と活用は、イノベーション創出の基盤です。産総研は、所内での人材活用・育成に加え、クロスアポイントメント制度を導入し て大学や他機関の研究人材と産総研の研究者との交流を進め、革新的な技術シーズの創出 を図っています。また、若手研究者を対象に、産総研での研究と企業での実務を経験できるイノベーションスクールを毎年開講し、研究現場で即戦力として活躍できる研究人材を養成・輩出しています。さらに、有能で意欲ある大学院生を産総研が雇用し、所内の研究業務に参画させるリサーチアシスタント制度を設け、将来のイノベーション創出を担う若手研究者の育成を支援しています。


総合力と連携で地方企業を支援し、地方経済の活性化に貢献する

 地方企業の成長と地方経済の発展は、産総研にとっても大変重要な課題です。産総研は、全国7か所に地域センターを有し、それぞれの地域特性やニーズに合った研究開発に重点的に取り組み、その成果を地域の企業に還元していく活動を続けています。しかしながら、この取り組みは、地域センター内で完結するものではありません。オール産総研として、総合的な技術力で地域センターを支援すると共に、地域の大学や他の研究機関の協力も得て、企業との連携を進めています。加えて、最近は、金融機関との連携も活発に行っています。企業、特に地方企業の研究開発を支援するためには、人・技術だけでなく、資金的なサポートも大変重要です。産総研は、研究機関としての総合力と他機関との連携を生かして、人・技術・資金、三位一体の支援体制を整備し、地方企業と経済の活性化に貢献してまいります。


ナショナル・イノベーションシステムの中核機関として

 目的基礎研究を充実させ、技術の橋渡しを活発化し、継続的にイノベーションを創出していくことは、日本の産業・経済の成長を牽引する大きなエンジンとなります。産総研は、このイノベーションシステムを日本全体として構築することに貢献し、成長エンジンとしてシステムの中核的な役割を担いたいと考えています。

 それと同時に、公的研究機関として、産総研の研究成果や開発された技術が、未来の日本社会において評価されるものでなければなりません 。私たちは、未来につながる長期的な視点に立ちながら研究活動を行うことで、日本社会と経済の活性化に資すると共に、将来の持続的な発展に貢献できるものと考えています。

 産総研は、日本を代表する公的研究機関として、今後も広い視野と高い志を持って、世界最高レベルの研究・開発に挑戦し、その成果を日本社会に還元する事業活動に邁進してまいる所存です。

 本年も益々のご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。


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