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お知らせ

2016/10/01

特定国立研究開発法人指定のお知らせ

 産業技術総合研究所は、特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法によって、平成28年10月1日付で特定国立研究開発法人に指定されたことをお知らせします。



特定国立研究開発法人発足にあたって

中鉢理事長の写真

 国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長 中鉢良治】(以下「産総研」という)は、特別措置法(※)により、10月1日付けで特定国立研究開発法人に指定されました。このたび産総研が特定法人に指定されたことは、ひとえにご関係の皆様方のご尽力の結果であると、感謝申し上げます。

 産総研のルーツは1882年(明治15年)に農商務省に設置された地質調査所にまで遡ります。以来、明治政府の主導する殖産興業の政策推進を目的として、様々な産業分野の研究を行って参りました。それから100年余りを経て、2001年につくばの8つの研究所と、北海道から九州まで全国7地域の拠点を統合・再編して、独立行政法人として設立されたのが産総研です。こうした長い歴史の中、日本の産業振興に貢献する研究成果を、数多く世に送り出してきたものと自負しております。たとえば、最新鋭の旅客機であるボーイング787に用いられているPAN系の炭素繊維や、皆様がお持ちの携帯電話のディスプレイに使われている透明導電膜も、オリジナルの技術は産総研において開発されたものです。

 産総研は現在、約2300名のプロパー研究者と、ポスドクや大学、企業からの研究者を含め、全体では約9000名の関係者が、研究開発に取り組んでいます。産総研の研究対象は幅広く、グリーンテクノロジーからライフテクノロジー、インフォメーションテクノロジー、知的基盤技術に至るまで、我が国の産業技術のほぼ全てをカバーしています。

 2015年に始まった第4期中長期目標期間(5年間)では、イノベーションの基となる「目的基礎研究」の強化と、その技術的成果の産業界への「橋渡し」を積極的に進めており、これにより産総研のモットーとする「技術を社会へ」という理念の実現を目指しております。加えて、将来のイノベーション創出を担う「人材の活用と育成」、そして地域経済の活性化につながる「地域の中小・中堅企業との連携」にも、積極的に取り組んでいるところです。たとえば昨年度は、産総研が開発した製造技術をベースに「単層カーボンナノチューブ」の量産工場が完成し、商業生産が開始されました。また、産総研の技術をベースに、肝臓の線維化を診断する「糖鎖マーカー」が商業化され、医療現場でのべ20万人の診断に活用されるといった実績を上げています。

 本年3月に、ロイター通信社から「世界で最もイノベーティブな国立研究機関」のランキングが発表されました。それによると、産総研は名だたる世界の名門国立研究機関と肩を並べ、第7位に選ばれています。「橋渡し」に関わるこれまでの実績やポテンシャルが世界的に評価されていることを大変光栄に思っております。しかし、私たちが理想とする姿には、更なる前進が必要と考えております。私たちが目指す姿は、大学の純粋基礎研究、産業界のものづくりの力を結集して、産総研が産・学・官のイノベーションのハブとなり、目的基礎研究により優れた技術シーズを生み出し続けるとともに、技術の「橋渡し」を通じて、産業競争力の強化、新産業の創出、そして、真に持続可能な産業・社会の構築に向けた中核的役割を果たしていくことです。

 今回、特定法人に指定されたことは、この理想の研究開発体制を構築する絶好の機会だと捉えており、それに向けた新たな取り組みを加速させたいと考えております。たとえば、今年度から、既に4つの大学の構内に産総研の研究拠点である「オープンイノベーションラボラトリ」を設置しております。これは、各大学と産業界の連携により、基礎から応用研究、実証・実用化開発までを一気通貫に実施することを目的としています。まずは10大学への拠点設立を目指しております。また、パートナー企業名を冠した連携研究室である通称「冠ラボ」を、産総研内に既に4件設置しております。これは、研究成果の事業化・産業化に強いコミットメントを示す企業と、これまで以上に密接な連携を行うためです。同時に、企業との連携を業務とするイノベーションコーディネータを大幅に拡充し、現在約150名の体制で「橋渡し」に臨んでいます。さらに、人工知能技術やIoT技術の活用により「ものづくり」、「サービス」、「ロボット」、「医療」の高度化を行う、世界的な研究拠点である「グローバルオープンイノベーションラボラトリ」の設置を進めていきたいと考えています。

 これらを実現するには、世界トップレベルの研究人材が必要です。特定法人の仕組みは、今後の産総研の研究体制の強化に大きく貢献するものと思います。また、同時に特定法人に指定された物質・材料研究機構及び理化学研究所とは、それぞれの強みを上手く活かした未来志向の連携を進めていきたいと考えております。既に理化学研究所とは、「2050年の社会課題を解決するための、若手・中堅精鋭による共同研究」に向けての作業を開始しています。また、物質・材料研究機構も含めた3機関での連携についても、現在、関係者間で議論中です。

 この度の特定国立研究開発法人化を機に、産総研はナショナルイノベーションシステムの中核機関として、特定化にふさわしい世界水準の研究開発成果を上げ、さらなる基礎研究の強化と技術の「橋渡し」を確実かつ迅速に推進してまいる所存です。

 皆さまの益々のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げます。


国立研究開発法人 産業技術総合研究所
理事長 中鉢 良治

※ 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法(平成28年法律第43号)



指定に伴い合同記者会見を行いました

 10月1日にグランドプリンスホテル京都において、鶴保庸介内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)と島尻安伊子前内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)同席の下、同じく特定国立研究開発法人に指定された物質・材料研究機構の橋本和仁理事長と、理化学研究所の松本紘理事長と共に、合同記者会見に臨みました。会見では、鶴保大臣より3法人に対して「日本を世界で最もイノベーションに適した国とするためにも、特定国立研究開発法人には成果を上げていただくよう期待します」という激励のお言葉を頂きました。中鉢理事長は、「この度の特定国立研究開発法人化を機に、ナショナルイノベーションシステムの中核機関として、特定化にふさわしい世界水準の研究開発成果を上げ、更なる基礎研究の強化と技術の「橋渡し」を確実かつ迅速に推進していきたい」と表明しました。


記念撮影の様子(左から松本理事長、中鉢理事長、鶴保大臣、島尻大臣、橋本理事長)   決意を表明する中鉢理事長(中央)の写真
記念撮影の様子
(左から松本理事長、中鉢理事長、鶴保大臣、島尻前大臣、橋本理事長)
  決意を表明する中鉢理事長(写真中央)

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