光無線通信
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実験してみよう!
完成した実験装置を使って、光通信実験をしてみましょう。実験は2人以上で、室内で行います。なお、使った材料や部品の違いによって、結果が異なることがあります。
受信機のしくみを知ろう
この実験では、受信機だけを使います。このほかに、懐中電灯(改造していないもの)を用意します。イヤホンを耳に装着して、さあ、はじめましょう!
<注意!>音量が大きい場合は耳を傷める恐れがありますので、受信機のボリュームを絞ってください。
Q&A
- 部屋を真っ暗にしてみましょう。何か聞こえますか?
- 何か聞こえたら、受信機の故障です。サーという小さい音が聞こえることはあります。
- 懐中電灯を1mくらいの距離から受信機に向けてみましょう。何か聞こえますか?
そのまま、懐中電灯を揺らしてみましょう。何か聞こえますか? 色々なパターンで揺らしてみてください。
- 揺らさないときはほとんど何も聞こえませんが、懐中電灯を揺らすとポコポコッ、という音が揺らすタイミングに合わせて聞こえます。
- 懐中電灯を消して、部屋の蛍光灯をつけ、受信機を蛍光灯の方向に向けてみましょう。何か聞こえますか?
- ザーッ、という大きな雑音が聞こえます。
- その状態で受信機のまえで手を振ってみるとどうなりますか?
- 手を振る度にプツップツッという音が聞こえます。
- これらのことから、どんなことがわかりますか?
- 受信機に入る光の強さが変わるときに、音が聞こえることがわかります。つまり、受信機は、光の強弱を音に変換するしくみを持っていることがわかります。
- 蛍光灯に向けると大きな雑音が聞こえるのはなぜでしょう?(中級編)
- 蛍光灯などの照明器具は、家庭用の交流(AC)電源周波数の2倍の周波数で点滅しています。東日本ならば交流50Hz(ヘルツ)ですから100Hz(1秒間に100回)で点滅しています。この点滅が光の強弱として受信機に伝わっているのです。一方、懐中電灯は電池を使っているので、電源には周波数がありません(直流)。ですから、懐中電灯だけでは雑音は発生しません。このことが、光通信実験で懐中電灯を使う理由のひとつです。
- 太陽などの強い光に受信機を向けるとどうなりますか?
- 全く音が聞こえなくなります。また、懐中電灯でも受信機に密着させると、全く音が聞こえなくなることがあります。
- それはなぜでしょう?(上級編)
- フォトトランジスタは光の入力に応じて電流を発生する部品です。光量がある量に達すると、電流が大きくなり、バイアス抵抗の電圧が電源電圧と等しくなります。このとき、フォトトランジスタの電圧はゼロになります。よって全く光が入っていない状態と同じ状態になり、音が全く聞こえなくなるわけです。懐中電灯をゆっくり近づけていったり、暗いところから徐々に明るいところに向けるようにしていくと、ある瞬間に音が途切れることで確認できます。
無線通信に挑戦!
ここでは、ライト(改造した懐中電灯)、送信機、受信機のすべてを使います。
ライトを持つ人、マイクで話す人、受信機を持ってイヤホンで聞く人、などと役割分担してみましょう。
蛍光灯を点灯した室内で実験すると雑音が入りますので、ベビー球や他の白熱電球だけにするか、または部屋を消灯して外光を少し取り入れると良いでしょう。
実験のコツ
- ライトの像が受信機に当たるようにねらいましょう。
- 受信機をライトに向かって真っ直ぐに向けましょう。
さあ、それではマイクに向かって声を出しでみましょう。うまく聞こえましたか?
Q&A
- 聞こえない場合は、何が原因なのでしょうか?
- ライトの像の位置を少しずつ変えてみましょう。光が強すぎる場合は、像の最も明るい部分をさけて受信機に当ててみましょう。
- 受信機の方向を調節してみましょう。
- 聞こえにくい場合は、よく聞こえるように色々工夫してみましょう。
- 最初は聞こえていたのに、だんだん聞こえにくくなってきたのですが?
- その場合は、いったん懐中電灯を消して、5~10分後に再開してみてください。(送信機のコイルが熱くなっているのが原因です)それでも改善されない場合は、懐中電灯の電池を取り替えてみてください。
- なぜ声が聞こえるのか、考えてみましょう。
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- うまく聞こえたら、どれくらい離れて通信できるかチャレンジしてみましょう。
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- 隣の部屋との通信は、どうしたらできるでしょう?
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- 鏡を使って通信できるかチャレンジしてみよう。
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- 装置が2セットあったら、電話のようにしてお互いにやりとりしてみよう。
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