「巨人アートの国」
「うわ、これ面白い!」と声がする方を見ると、ヘッドマウントディスプレイを装着した来場者が何もないエリアを歩いています。
自分が描いたA4サイズの絵がバーチャル美術館の中に巨大アートとして展示され、ディスプレイを通してバーチャルリアリティを体験します。
今描いた絵がバーチャル空間に展示されることはもちろん、その没入感に皆さん驚いていらっしゃいました。
「絵顔の国」
家族や友人など一緒に来られたグループで研究者とテーブルを囲んで、なにやらひそひそ。
カードを見ながら考え込んでいたかと思うと、一様に皆さん笑顔になります。
「絵顔の国」の体験は、絵文字が描かれたカードを使った表情当てゲーム。
どの絵文字の表情をしているのか当てるのですが、絵文字と同じ顔を作る皆さんの表情が面白くて、つい笑ってしまいます。
みんなが笑顔になれるゲーム、色々な場のアイスブレイクに活用できそうです。
「スメルニア王国」
「難しくて面白かった」という感想が寄せられた「スメルニア王国」。
匂いを出すデバイスとヘッドマウントディスプレイを装着し、コントローラーを持って匂いを当てるバーチャルゲームです。
デバイスから匂いが出ることに驚かれる方が多く、匂いをかぎ分けるのは難しいけれど体験としては誰でもわかりやすいこともあり、幅広い世代の方がチャレンジされていました。
「神器の村」
ニットセンサで計測した身体の動きを使って(神器)ロボットアームを動かし、敵が隠れているブロック塀を取り払う「神器の村」。
ゲーム感覚で楽しんでいただくだけでなく、「モーションコントロールのデバイスが興味深かった」「ロボットアームが動くのが面白かった」「センサのアイデアが面白い」など、使われている技術に興味を持っていただくことができました。
「はっぴぃメェメェ村」
はっぴぃメェメェ村ってなんだろうと思われた方、多いかもしれません。
ここでは、「自分が幸せを感じる時」をあらためて考える場を提供しました。
家族で参加してお互いを知る機会になったり、研究者と1対1で話をしながら自分の幸せをみつけたり、多様性を受け入れ新たな気づきを得たりと、幸せな時間を過ごされたようです。
「問いの村」
焚火のゆらゆら揺れる明かりの中で過ごす自己探求の時間。
入口で足を踏み入れるか迷っている方の背中を押すと、出る時には楽しい体験ができたと笑顔で帰って行かれました。
問いのカードを使って研究者と対話しながら、自分の思考を掘り下げていきます。
「普段とは違う視点でものごとを考えるのが面白かった」「普段では話さないような会話が楽しかった」など、問いを重ねる対話の面白さを体験いただくことができました。
「探険!まぼろしの国 PC版」
現実の柏センターの中で、バーチャルの柏センターの中に入り、リアルと仮想空間を行き来するインターバースを体感。
アバターを動かしたり、サメと戦ったりとゲーム感覚を取り入れ、実在する柏センターの職員がバーチャル世界にも登場することで、子どもから大人まで、楽しく学んでいただくことができました。
「かごめチャレンジ」
賑やかな音が聞こえてくる部屋を覗くと、研究所らしからぬ光景が!
「かごめチャレンジ」は、「かごめかごめ」の遊びをモチーフに、立体音響システムを体感する遊び感覚のデモンストレーション。
動物のぬいぐるみを持った人が鬼になった人の周りを歩いている間、それぞれの動物の鳴き声が聞こえています。
鳴き声が止まった時、自分の後ろにいるのは誰かを当てるのですが、実はこれ、ぬいぐるみから音が出ているわけではありません。
実験室に設置されたモーションキャプチャでぬいぐるみの位置を計測し、その位置情報に基づき立体音響システムが自動制御されています。
「指で操る表情」
整理券配布所の先には扉の閉じられた実験室。
ここでは実際に研究所としての実験を行っていて、整理券を持った実験協力者以外は入室できません。
昨年の一般公開で行ったニットセンサを使いモニターに映るキャラクターの表情を操作するコンテンツを進化させ、今年は来場者に正式な実験に参加いただく形になりました。
参加された方からは、「現実と認知のズレを数値化することで把握できることが興味深かった」とコメントをいただきました。
当日は実験中ということで撮影ができなかったため、代わりにニットセンサの装置と前日に職員がデモ体験をした時の様子をご紹介します。
一般公開2025 RIHSA実行委員長 小島一浩
柏センターでは、人間社会拡張研究部門(RIHSA)、センシング技術研究部門所属の研究者が日々研究を行っています。
昨年までは「忍者」をコンセプトに、研究をアクティビティとして来場者に体験頂きました。
今年は心機一転、何をテーマとコンセプトにしようかな?と考えたとき、RIHSA実行委員のミーティングで、人間拡張研究は「主体性に貢献する」、社会拡張研究は「繋がり・仲間づくりに貢献する」となりました。
そこから、テーマを「主体性」「仲間づくり」「挑戦」とし、このテーマを表す世界観として、各研究を架空の国や村に見立て、来場者はその世界を冒険することにしました。
来場者のみなさんが、研究の世界を冒険し、未来を感じていただけたなら非常に嬉しいです。
|

|
柏センター所長 蔵田武志
人間社会拡張研究部門の設立後、今回が初めての一般公開となりましたが、幸いにも好天に恵まれ、多くの皆様にお越しいただきました。
本イベントを通じて、科学の魅力や、研究が生み出す新たなつながりを感じていただけていたら大変嬉しく思います。 |
 |