つくって学ぼう
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いくつかの実験結果をおみせしましょう。
作った会社のちがう黒のサインペン3本の色を分けてみました。
黒いサインペンのインクがいくつかの色に分かれました。おなじ黒でもサインペンを作った会社によって、分かれ方がちがいますね。
みどり、きみどりを比べてみましょう。
みどりに、きいろがまじってきみどりになっていることがわかるでしょうか?
赤、ちゃいろ、あおです。
赤は、すこし色のちがう2色がまじっているようですね。
ちゃいろは、赤にきいろやあおが少しまじっているようにみえます。
あおは1色なのか、2色なのかわかりにくいですね。
水性サインペンのインクは、ひとつの色のものだけではなく、色がまざってできているものもあることがわかりましたね。
色がまざってできている水性サインペンで、こんなものがつくれます。
水が毛細管現象で上がっていくということは、紙のなかを水がながれていると考えることができます。サインペンの色は水にとけるので、水にながされてしまいます。どの色も水にとけるのなら、同じように流れてしまうはずではありませんか?どうして色が分かれたのでしょう?
インクに色をつけているのは色素という色のついた分子です。すごく小さいので目では見ることができません。色がちがうと、その形もちがっているのですが、もっと大切なことは、色がちがうと、紙や水との仲のよさもちがっているのです。色と水が仲良しだと水といっしょにどんどんながれて、紙の上のほうまでとどきます。では、紙と仲のいい色だとどうなるでしょう?じつは、紙にくっついてながれにくくなるのです。ゆっくり水にながされるので、紙のとちゅうまでしか行けません。
紙や水との仲のよさが色によってちがい、色がわかれます。動かない紙とながれる水が力を合わせて色を分けていたのです。もしも、ちがう色でも紙や水との仲のよさがまったく同じだったら分けることはできません。
この実験で使ったサインペンの色で、水と仲よしなのはどの色で、反対に紙とも仲がよい色はどの色でしょう?考えてみましょう。
クロマトグラフィーという方法は今から100年あまり前に発表された方法です。今でも物質(もの)を分けるための便利な方法としていろんなところで使われています。この実験のように紙を使ったペーパークロマトグラフィーは、あまり使われなくなりましたが、紙や水の代わりにいろいろなものを使って、何種類ものクロマトグラフィーが、最先端の科学技術の研究で使われています。また工場で、薬や、いろいろなものを生産するのにも使われています。クロマトグラフィーがないと科学者や工場の人は困ってしまうにちがいありません。いい薬ができなくなると病気になったときに困ってしまいますね。
いま、よく使われているクロマトグラフィーには、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、超臨界クロマトグラフィーなど、いろいろあります。どんなものが、なんのために使われているのか調べてみましょう。
クロマトグラフィーがはじめて発表されたのは、100年あまり前(1903年)のことです。ロシアのツウェットさんという植物学者が発表しました。クロマトグラフィーをつかって植物の葉緑素(クロロフィルなど)をわけたのです。クロマトグラフィーという名前は、「色」と「記録する」という意味のギリシア語からつけられました。ところがツウェットにはロシア語で「色」という意味があるそうです。ツウェットさんはクロマトグラフィーという名まえのなかに自分の名まえをこっそり入れておいたんだという説があります。この説が本当なら、ツウェットさんはなかなか、おちゃめな人だったんですね。ちょっと楽しくなりませんか?