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つくって学ぼう

ペーパークロマトグラフィー~紙と水とで色を分ける~

監修:下村正樹

ペーパークロマトグラフィーの写真

はじめに

ちがう色の絵の具をまぜると、もとの絵の具とちがった色になることは知っていますね。それとは反対に、まじった色を分ける実験をしてみましょう。絵の具をまぜるのはかんたんにできますが、まじってしまったものをどうやってわければよいのでしょう?ボールみたいに手でつかめるものなら、2つの色のボールがまじってしまっても、がんばれば手で分けることはできます。では、絵の具みたいなものはどうしたらよいのでしょう?

ここでは、水性サインペンを使って実験しましょう。水性サインペンのインクには水にとける色のついた色素というものがはいっています。水性サインペンのインクに何色の色素がはいっているのかを、紙と水を使って調べてみます。

色素みたいに小さなもの(分子)を分けるために、いろんなところで使われているクロマトグラフィーという方法があります。その原理を使って色を分ける実験をしてみましょう。

実験してみよう

準備するもの

準備するものすべての写真
  • コーヒーのフィルターペーパー(白) 数枚
  • 水性サインペン 好みの色を数本
  • 透明なコップ(プラスチック) 1個
  • 使っていない(割っていない)わりばし 1膳
  • はさみ
  • 水 少々

紙はコーヒーのフィルターペーパーを使います。紙を使うのでペーパー(紙)クロマトグラフィーといいます。水性サインペンを何本か用意しましょう。ここでは、水をいれるのにコップ、紙をはさんでおくのにわりばしを使って実験をしますが、おうちにあるものを工夫して使ってみましょう。

注意:油性マーカーや、水性顔料を使ったペンでは、この実験はできません。

水を入れたコップの写真

コップのそこに少し水を入れておきます。

フィルターペーパーを細長く切る写真

フィルターペーパーを細長くきります。幅は5mmから1cmぐらい、長さは15cmぐらいにしてみましょう。

まずフィルターペーパーのくっついている(接合)部分を切りましょう。左の写真のように①から②に向かって、切り口が直角になるようにまっすぐ切ります。

扇形のフィルターペーパーを切る写真

丸を4等分したような形(扇形)になったら、まがった線(曲線)のところをフィルターペーパーが長い四角(長方形)になるようにまっすぐ切ります。

丸みのあるところを切って長方形にする写真

こちらも同じようにフィルターペーパーが長い四角(長方形)になるようにまっすぐ切ります。

長方形になったフィルターペーパーの写真

長い四角(長方形)になりました。

フィルターペーパーを細長く切る写真

フィルターペーパーを細長くきります。幅は5mmから1cmぐらいにしてみましょう。

細長く切ったフィルターペーパーの写真

左の写真のような形になったかな?

サインペンで点を書く写真

はしから2cmくらいのところに、水性サインペンで2mmくらいの点を書きます。どれぐらいの大きさがいいか、いろいろ試してみましょう。

スタート場所を書く写真

鉛筆で点のよこに、スタート場所のしるしを入れておきます。

サインペンの色を書く写真

また、反対側のはしに、何色のペンを使ったかを書いておくと、もとの色がわかって便利ですよ。

わりばしに紙をはさむ写真

点を書いた反対がわのはしを、わりばしのまんなかあたりに、はさみます。

わりばしをコップの上においた写真

わりばしをコップのうえにおいた時に、紙のはしがコップの水の中に入るようにしましょう。でも、サインペンの点は水に入らないようにしてください。

紙のながさをあわせる写真

わりばしをコップの上において、紙のはしが水に入るようにして、どうなるか観察しましょう。

わりばしをおいたコップの写真

サインペンで書いた点はどうなるかな?

1
インクがのびはじめる写真
2
インクが長くのびる写真
3
インクがのびて色が分かれる写真
4
インクの色がはっきり分かれる写真

水が紙にしみこんで、上って行きます。これは毛細管現象(もうさいかんげんしょう)とよばれています。サインペンのインクは水に溶けるので、水といっしょにインクも上っていきますね。サインペンの色が、いくつかに分かれるのが観察できましたか?

きみどり

1
インクがにじむ写真
2
インクがのびはじめる写真
3
インクが長くのびる写真
4
インクの色がはっきり分かれる写真

紙をとりだすようすの写真

しばらくしたら紙をとりだして、かわかしましょう。

黒ときみどりをならべた写真

黒もきみどりも、色がわかれています。いくつかの色がまじってできていたのですね。