県立柏の葉高校1年生が企画・運営する街文化祭「まちとマルシェのクロスフェスタ」が2025年11月7日、柏の葉キャンパス駅前エリアで開催されました。
今年のテーマは「柏の葉ーとでつながろう」、企画を通じて地域の課題と向き合い、地域の方々に日々親しんでもらえるような空間づくりに挑みました。
このイベントは「総合探究の授業」の一環で、柏センターの研究者も授業で関わってきました。
柏センターの一般公開(2025.11.3開催)では柏の葉高校ブースを設け、実行委員の高校生がPR活動を行うなど、柏センターも全面的に応援しています。
当日は天候に恵まれ、ショッピングセンターやホテルが並ぶ通りは人の流れもほどよい感じでスタート。
高校生とコラボレーション企画の出展ブースが多数並び、ホテル前広場ではスタンプラリー、クイズ、ゲーム、スポーツ体験など様々な企画を実施。
高校生たちの勧誘の声が飛び交い、近くの保育園児たちがお散歩に立ち寄り、小学生が校外学習に訪れるなど、いつもとは違う楽しい景色になりました。
道行く人に参加を呼び掛けながら、イベント記念のリストバンドを配る実行委員の姿がありました。
食で街を盛り上げるマルシェ
マルシェのエリアでは飲食関係が24ブースも出展していて、どこを覗いてみようか迷ってしまいます。
農薬・化学肥料不使用と書いた立て看板を出し野菜を販売していたのは、我孫子市の農園「ベジLIFE!!」さん。
野菜に関するクイズを当てると野菜のプレゼントがありました。
テーブルに貼った掲示物には、「フードロス削減」「農業を憧れの職業に」などの文字があり、社会課題への意識づけにも取り組んでいらっしゃいました。
「美味しいので食べに来てください!」
声をかけてくれた二人組の手には「柏の葉生考案‼焼き芋ブリュレ」のポスター。
柏たなか農園×蜜芋のむらまつ屋×柏の葉高校のトリプルコラボ企画のようです。
迫力あるイラストは自身で手描きした力作でした。
お洒落を楽しむ提案 ファッションエリア
ファッション関係の出展は6ブース。
ヘアアレンジ体験では、こんな微笑ましいシーンも。
「世界でひとつだけのオリジナルTシャツが作れますよ」
声高に呼び込みをしている高校生3人組。
コラボレーションしていたのは、なんと「HIROKI TSUZUKI」のブランドを立ち上げデザイナーとしても活動している四千頭身の都築 拓紀さん。
「一緒にやっていただいています!」と高校生が嬉しそうに話してくれました。
ミサンガキーホルダーのブースでは、ミサンガを手作りしているところでした。
こっそり手元を覗くと、動画を見ながら取り組んでいました。
自分たちの街への理解を深めるスタンプラリー
今回のフェスタでは、スタンプラリーが複数ありました。
「全問(3問)正解したら、プレゼントがあります」との誘いに、柏の葉由来クイズのスタンプラリーに挑戦。
クイズもさることながら、そもそもスタンプを見つけるのが難しかったです。
街中で体力つけて健康増進
スポーツ体験エリアは、運動不足解消を目的としたストラックアウトや握力測定、筋トレなどのコーナー。
筋トレに挑戦していた高校生に、撮影のためにもう1回やってとリクエスト。
笑顔で応じてくれるところがまた素敵ですね。
「総合探究の授業」は普通科の授業ですが、情報理数科の1年生も「情報産業と社会」の授業でこの街文化祭に取り組んできました。
情報理数科は柏センターの開設当初から、研究者とのつながりが深く、高校生の発想から良い刺激をもらうことも。
学びの成果を街中でプレゼン
今年はQRコードを使ったデジタルによるスタンプラリーを実施していました。
スタンプを集めるともらえる景品は、レーザーカッターを使って作った自信作。
また、ゴーグルを装着してバーチャルジェットコースターを体験、コントローラーでロボットを操作するなどの体験コーナーも設けていました。
柏の葉地域を盛り上げる街文化祭は、今年も大成功だったのではないでしょうか。
小島 一浩さん(人間社会拡張研究部門 総括研究主幹)コメント
街フェスの企画・実施は、1年生の総合的な探究の時間で行われ、今年で3年目となりました。
これで、柏の葉高校全生徒と先生が経験したことになります。
RIHSArch2025(人間社会拡張研究部門シンポジウム)でも発表しましたが(ポスター番号 55※)、いま世界で必要とされている力は、個人の知識を深めるだけではなく、世界をより良い方向に変えていく「行動する力」だと思います。
しかも、楽しく行動できることが重要だと思います。
今年の街フェスでは、先生の歌パフォーマンスが印象的でした。
最初は不安な先生も多かったですが、生徒にワークを行ってもらう前に、先生に同じワークをやって頂きました。
「私が輝いているとき」をテーマに実体験の作文を書いてもらい、朗読する、じっくり聞く、気になったことを掘り下げる質問をするというワークを行いました。
ワークが終わったあとに、「職員会議ではわからなかった同僚の先生のことが、少しわかりました。」という言葉が印象的でした。
「行動する力」で世界に働きかけ、フィードバックをもらう、そしてそこから学びを得て次の行動を起こす。つまり「経験から学ぶ力」です。
このサイクルを繰り返すことで、個人と世界は変わっていくのだと思います。
12月には、授業の振り返りをおこなうそうです。
その場にも参加させてもらう予定です。
各自にどのような学びがあったのか、今後何に挑戦したいのか聞けるのが楽しみです。 |
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2024年のレポート
https://www.aist.go.jp/kashiwa/ja/news/announce/harc-event-festa2024.html
※RIHSArch2025
https://unit.aist.go.jp/rihsa/symposium/RIHSArch2025/poster.html