人気記事で振り返る2023年
産総研マガジン編集部
カーボンニュートラル、量子、新素材、ゲノム編集などバイオものづくり、そして生成AI。科学技術用語が日々ニュースを彩ることも多くなってきているのではと感じたこの1年。産総研マガジンで2023年を振り返ってみたいと思います。
電池関連技術は人気が高い
まずは、カーボンニュートラル社会実現の鍵となる電池関連技術。
ニュースでも毎日のように見かける「ペロブスカイト太陽電池」。塗布や印刷技術で量産でき、ゆがみに強く軽い太陽電池として、実用化が急速に進んでいます。そんなペロブスカイト太陽電池を「手作業は面倒だから自動化したい」と研究を行う山本さんの音声配信書き起こし記事(次世代太陽電池を「初号機」でつくる。)も、研究者の日常が垣間見えておすすめです。
そして、自動車業界のニュースから多くの人に読まれたのが「全固体電池」。世界的に進むEVシフトと連動したポスト・リチウムイオン電池(LIB)の開発競争の激化が感じられました。
カーボンニュートラル関連は毎日のようにさまざまな技術や取り組みがニュースなどで紹介されていますが、クリーンエネルギーとしての期待が高まる「洋上風力発電」の記事も多くの方からアクセスがありました。洋上風力発電が世界的に本格導入、稼働するなか、日本の動きも気になるところです。
量子関連技術は、理解は難しい…でも期待されていることを強く感じます
次に、科学関連の話題といえばやはり「量子コンピュータ」ははずせません。
具体的な仕組みでなく量子コンピュータが万能ではなく得意不得意があることを書いたこの記事、これから量子コンピュータについて調べていく基礎知識として、ぜひ読んでほしい1本です。さらに知りたい人は、2022年ノーベル物理学賞から「量子もつれ」についてもチャレンジしてみてほしいです。
バイオものづくり、新素材、自動運転、これから楽しみな技術もいろいろ
これから大注目の「バイオものづくり」関連技術からは、「ゲノム編集」がノミネート。CO2を出さない生産技術の基礎技術として今後も要注目です。その他、自動運転の普及に不可欠なセンサ機能からは、「LiDAR」の記事解説が、素材関連からは「セルロースナノファイバー(CNF)」へ関心があつまりました。
生成AIの衝撃が大きかったAI関連技術
名残惜しいですが、最後に、生成AIで大きな話題となったAI技術から。
AI技術はまさに日進月歩の世界です。そのなかでも画像認識の技術をつかい、医療従事者判断の補助や教育機能までの機能が期待できる「医療AI」の記事は、これから医療従事者を目指す学生の方にも多く読まれたのはうれしかったです。また、AIが苦手とするデータが少ない領域でもつかえることを目指した「ジェネレーティブAI」。いわゆる生成AIとは少し異なる切り口ですが、AI技術の研究者たちが次のステージに進んでいることを感じてもらえると思います。
AI技術の関連記事は、他にもたくさんあります。年末年始ですこし時間にゆとりがあるときに編集部がおすすめしたいのはChatGPTの基礎になる「自然言語処理とは」の記事です。記事検索からいろいろと探してみてください。
いかがでしたか?
2023年も、産総研マガジンの記事をご覧いただきありがとうございました!
2024年からの記事にもご期待ください!