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人間とカニくらい違う?

地球上に棲んでいる細菌の99%が正体不明!

未知の細菌を探索せよ

 試しに、人間とカニの共通点を考えてみましょう。

 まず、歌の文句ではありませんが、どちらも生きています。つまり、生物です。自分で移動することができます。動物です。雄と雌があって、子孫を残します。数は違いますが、脚を持っています。目も持っていますね。他にもいくつかあるかもしれませんが、共通する点よりも、異なっている点の方が、はるかに多いでしょう。

 それもそのはず、人間とカニは、「門」が違います。

 「門」とは、生物の系統を分類する際の階級のひとつです。カニは「節足動物門」、私たち人間は、「脊椎動物門」なのです。

 私たち人間は、真核生物、動物界、脊椎動物門、ホ乳綱、霊長目、ヒト科、ホモ属、ヒト(種名)として分類されています。カニと共通しているのは、最初の2つ(真核生物、動物界)だけなのですから、似ていないのも当然でしょう。人間とカニは、進化の過程で、6億年ほど前に枝分かれしたと考えられています。

 昨年、産業技術総合研究所(産総研)の花田智博士は、「ジェマティモナス オーランティアカ」という細菌(バクテリア)を発見しました。この細菌は、これまで知られていなかった「種」であることはもちろん、「属」も、「科」も、「目」も「綱」も、すでに知られている細菌とはまったく異なっていました。

 この細菌を分類するためには、まったく新しい「門」が必要だったのです。

 つまり、すでに知られている他の細菌とは、人間とカニに匹敵するほど違いがあったということです。

 花田博士は、この細菌を代表菌とした新しい「門」、「ジェマテモナデテス門」を提案し、認められました。細菌の系統で新しい「門」を提案し、認定されたのは、日本では初めてのことです。

 花田博士は、どうやってこの大発見を成し遂げたのでしょうか。その秘密に迫ってみましょう。

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