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温度を変えなければわからない?

結晶の研究が拡がれば、新しい工学素材が生まれる?!

デスクトップ型単結晶育成装置

 たとえば真冬の早朝。外の気温は0℃だとしましょう。眠い目をこすりながら外に出るのは、かなりつらいことです。鼻から吐く息さえ真っ白で、ついつい背中を丸めてしまいます。私たち人間という生き物にとって、0℃というのは相当に低い温度だといえるでしょう。

 足元の水溜りには、氷が張っていたりします。水という物質にとっても、0℃という温度は低いのです。

 それでは、空気にとってはどうでしょうか? たとえば窒素の融点は、マイナス209.86℃。沸点は、マイナス195.8℃です。つまり、マイナス209.86℃で固体が液体になり、マイナス195.8℃で液体が気体になるわけです。窒素にとって0℃という温度は、相当に高い温度だといえるでしょう。ちなみに鉄の場合は、1536℃で液体になり、2863℃で気体になりますから、ずいぶんと違うものです。

 「窒素は気体で鉄は固体なんだから、違うのは当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、それは平均気温が15℃前後という地球に住んでいるからです。窒素も鉄も水も、固体になったり液体になったり気体になったりする物質であることに変わりありません。ただそれぞれの物質の温度に対する感じ方の尺度が違っているだけなのです。

 物質の性質は、温度が低くなればなるほど見えてきます。固体である方が、その本質をとらえやすいということです。さらに言えば、ただ固まっているだけの状態よりも、単結晶にすることで、より詳細な情報がわかってきます。

 産業技術総合研究所(産総研)が、NECマシナリー株式会社と共同開発した「デスクトップ型高性能結晶育成装置」は、その単結晶を簡単に作るためのものです。

 単結晶はどうやって作られるのか、単結晶によって何がわかるのか、その研究によって何が生まれてくるのか、詳しくご紹介していきましょう。

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国立研究開発法人産業技術総合研究所