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地球の秘密を探る窓!?

過去との遭遇!?

火山

 宇宙が誕生して1億年たった頃のこと…。暗黒の宇宙の中に、ガス雲(水素とヘリウムでできた雲)が無数にできました。

 それから何十億年もの後、遠くの恒星の爆発の力を受けたガス雲が、ゆっくりと回転し始めました。ガス雲は自分の重力で中心へ向かって収縮し、輝き始めます。「原始太陽」の誕生です。

 原始太陽の周辺には直径10キロメートルほどの小さな惑星が無数にできました。やがて小さな惑星は集合して大きくなっていきます。そのうちの一つが私たちの住む惑星、地球です。

 地球には、なおも小さな惑星が降り注ぎ、地表の温度は数千度に上昇、地球内部の発熱も盛んになり、地球はマグマの固まりと化しました。

 地表の熱が宇宙に逃げて地球が冷え始めると、水蒸気は雨となって降り注ぎ、さらに地球の熱を下降させました。それに伴い岩石層も固まっていきます。最も外側は地殻、その下の層はマントルと呼ばれています。

 地球の地表はすっかり冷めましたが、マントルの深い部分は、今でも高温になっています。つまり私たちの足の下深くには、何十億年も前の地球の姿が保管されているのです。

 マントルは岩石でできていますが、何かが引き金になって、ドロドロに溶けてしまうことがあります。このドロドロに溶けた岩石をマグマと呼びます。さらにこのマグマが地殻の中にまで上昇し、ある場所(マグマ溜まり)に蓄積されます。その場所にそれ以上のマグマが入りきらなくなると上部の岩石が壊れます。この時マグマ内に含まれているガスが、圧力が下がることによって発泡し、マグマを上昇させて噴火が起こります。火口からあふれ出したマグマが冷えて、山になったものが火山です。地球の深部と結びついた火山は、いわば地球の内部の秘密を探る窓と言うことができるのです。

東北の空から見た雲仙火山の立体地質図

図:東北の空から見た雲仙火山の立体地質図

自然のタイムマシン!?

 地球の成り立ちを研究する学問が地質学です。地質学は万年、億年という単位の地球変動の歴史を解き明かしていきます。 火山学も地質学の中に含まれ、百万年くらいの火山活動を地質学的手法で解明していきます。でも、火山の研究は他の地質学の研究とは決定的に違う部分があります。なにが違うかお分かりでしょうか?

 それは「噴火」という現象に、リアルタイムで接することができる点です。例えば、突然起こってあっという間に終わってしまう地震の場合、地震を体験することはできても、地震そのものをじっくり観察するわけにはいきません。それに揺れの原因となった部分をリアルタイムで観察するわけにもいきません。地質を研究する場合も、過去の堆積物の中から地球の歴史を掘り起こしていくわけで、過去の歴史を目の当たりにするわけではありません。地震の研究には地震の研究の、地質の研究には地質の研究のだいご味があります。そして火山研究のだいご味は、ほかの研究では不可能なリアルタイムでの現象調査にあると言えます。なにしろ火山の噴火によって、とても手の届かない地球の深部の情報が私たちの目の前に登場するわけですから。

 まさに火山は地球を探る窓であり、地球の歴史を知ることのできる自然のタイムマシンとも言えそうですね。

図 火山のできる場所
図 普通の山と火山のでき方比較
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