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モバイル端末が、押す・引っぱる・浮き上がる?

人間の錯覚を利用して力覚を伝える、画期的なインターフェース!

持つだけで、手ごたえが伝わってくる

写真:『ジャイロ キューブ センサス』体験の様子

『ジャイロ キューブ センサス』体験の様子
パソコンで方向を指示すると、手の中の『ジャイロ キューブ センサス』がその方向へ移動しようとしているような感覚が伝わってくる。

 モノを押したり引いたりしたときに感じる手ごたえや、モノを握った時の筋肉の緊張の具合からその硬さや形がわかる感覚を、触覚の一種で、『力覚』といいます。

 産総研の中村さんが開発した『ジャイロ キューブ センサス』は、手に持つだけの触力感覚提示インターフェース。アームやワイヤーを使った従来型のインターフェースのように、持ち運びの不便や、違和感がありません。しかも、たわみや遊びが少ないダイレクト・ドライブです。

 実際に握ってみると、どこにも足場がないのに、押したり引いたりしてきます。これは、他では味わえない魔法のような体験です。


写真:ジャイロ キューブ センサス

従来のインターフェースでは、マニピュレータ・アームやモーターで引っぱるワイヤを使って、『触力感覚』を伝えている。これらは足場が不可欠であるため、接地型のものでは持ち運びに不便で、腕に取りつける非接地型のものでは、指先に加えた力の反作用で、腕も押されたり引っ張られたりする感覚がついてまわるという問題がある。さらにどちらも、アームやワイヤーのたわみや遊びがダイレクトな感覚を損ねている。


従来方式と課題

図:従来方式と課題
アームを用いた接地型
ワイヤを用いた接地型
非接地・身体内ベース型

中村研究員の写真

● 中村さんのアイディア発想法

 開発当初、回転力提示用インターフェースを小型化すると回転軸が弱くなり、高速回転ではどうしても振動してしまい、中村さんは困り果てたそうです。そこで、発想を転換して、振動を逆に積極的に利用し、人間の感覚特性を巧みに活用することで押される感覚を提示する方法を発明しました。

 「子供のころは天邪鬼と言いますか、模範解答が嫌いで、教科書に書かれていない解答を導き出すのに夢中で、授業はあまり聞いていませんでした」と語る、中村さん。「今回の発明は常識という模範解答を捨て去ることで生まれたんですよ」

 高校・大学とサッカーに熱中。時折、「こうすればゴールできる」という最終的なシーンが鮮明に見えたといいます。「そんな現象を解明したり、アイディアや創造性を生みだすメソッドを追求したいこともあり、研究者になりました」と、中村さん。

 例えば、読む本を左側にコピーし、右側の大きな余白に疑問や考えたことを図的に書きながら読み進めると本の内容や自分の考えが整理でき、その余白に絵が見えてきてアイディアが湧いてくる。研究で頭が一杯の時にお風呂に浸かり頭の中を真っ白にすると頭の中を映像が飛び回りアイディアが降りてくる。『空白というコントラストを作り出すことで余計な情報がそぎ落とされ、解決方法が自然と浮き上がって見えてくる』という一定の『型』があるそうです。

 皆さんも試してみては?

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