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1,400グラムの神秘

遺伝子のスイッチON?

ネットワークが脳を育てる!

写真:研究のようす

研究のようす

 生まれた赤ちゃんは体長50センチメートルほどしかありません。その赤ちゃんが育つのは、細胞分裂によって細胞が増えていくからです。それだけではなく、細胞が分裂出来る回数には限りがありますから、古い細胞は新しい細胞と入れ替わっていきます。

 一方、脳を形作っている神経細胞は、受精後25週目頃で増えるのをやめます。ということは、人間が年をとるにつれて神経細胞が老化し減少し続けていくわけですから、物忘れがひどくなったりするのは仕方のないことなのです。

 ただし心臓や肝臓は生まれたときから機能としては大人と同じように出来上がっているのに対し、脳は10年以上もかけてゆっくりと機能を発達させていきます。つまりいろいろなことを学んで少しずつかしこくなっていくわけです。

 では細胞が増えない脳の発達とは、どういうことなのでしょうか? それは、神経細胞がネットワークを形成していくことなのです。

 神経細胞はシナプスによって、互いに手をつなぐようにネットワークを形成していくのですが、そのシナプスの多くは経験や学習の結果作られます。なんと、1つの神経細胞が1000個以上のシナプスを持つこともあります。

 そしてさらに驚くべきことには、そのネットワークが形成されるとき、軸索と呼ばれる神経細胞の手がほかの神経細胞に伸びていくのですが、でたらめに相手を選んでいるわけではなく、無数にある細胞の中から一つを選び出しています。この軸索が相手を選ぶメカニズムについては、まだ解明されてはいません。

 私たちの体を司る臓器でありながら、ほかの主要器官に比べ、解明されていないことがまだまだたくさんある脳。その脳のナゾを一つひとつ明らかにしていくことは、私たち人間という存在そのものののナゾを解き明かしていくことなのかもしれません…。

図:シナプス模式図

シナプス模式図

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