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寿命を決めるのは誰!?

死なない細胞の正体とは・・・

発見!命のろうそく

 細胞も老化するのであれば、分裂前の細胞と何かが変わっているはずです。つまり、年を取った証拠や、残りの分裂回数を決める「命のろうそく」に当たるものがあるはずです。それは長い間謎のままでしたが、最近になって解明したのです。

 細胞分裂は核の中のDNAの鎖がすべてコピーされて同じものが2つでき、それぞれの細胞に分けられます。ところが、同じだと思われていた分裂前のDNAと分裂後のDNAは同じではなく、DNAの鎖の端っこが、コピーされるたびに少しずつ短くなっていたのです。このしっぽの部分は「テロメア」と呼ばれ、その短縮が残りの分裂回数をカウントする「命のろうそく」の働きをしていたのです。

DNAの図

短くなる秘密

 DNAがコピーされるときにはまず、二重らせんがほどけて真っ直ぐの状態になります。それから2つに分かれ、分かれたところにDNAをコピーする酵素が取り付いて、もう一方のDNAを作り出します。ところが、テロメアがあるDNAの端っこでは、コピーする酵素がうまく取り付くことが出来ません。つまりその部分はコピーできないので、新しくできたDNAには存在しないことになります。このようにして分裂のたびにテロメアは短くなっていくのです。

 人間の細胞が分裂できる回数は種類によって異なり、例えば血管の平滑筋細胞なら20~30回程度、血管の繊維芽細胞なら60回程度といった具合です。そして分裂のたびに細胞も少しずつ老化していくのです。

 若い頃のけがはすぐ治りますが、年と共に治りが遅くなる原因はそこにあるのです。

老年者と若者の細胞の増殖能と寿命

細胞の増殖能

グラフ:細胞の増殖能

細胞の寿命

グラフ:細胞の寿命

いろいろな年齢の健常者の上腕皮膚の繊維芽細胞を比べると、より高齢者の細胞は、培養初期に増殖速度が遅いこと、分裂寿命が短いことが分かる。

内皮細胞の分裂回数にともなう形態変化
7回
写真:7回
49回
写真:49回
15回
写真:15回
58回
写真:58回
36回
写真:36回
74回
写真:74回

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国立研究開発法人産業技術総合研究所