本文へ

English

 

「ナノ」の決死圏!

ナノの「ミサイルドラッグ」が、患部だけを攻撃する!

ミサイルドラッグ用DDSナノ粒子

 ある科学者が、脳に重症を負ってしまいます。すぐに手術しなければ死んでしまうのですが、外からメスを入れることは不可能であることが判明します。そこで、特別に編成された医療チームをミクロ化して患者の体内に送りこみ、体の中から治療することに。チームは細胞よりも小さくされ、白血球や毛細血管、たんぱく質など、さまざまな障害を乗り越えて、患部をめざしていきます。

 と、これは映画のお話。1966年に公開された、「ミクロの決死圏」というSF映画の傑作です。

 もちろん現実には、人間をミクロ化することなど夢のまた夢ですが、他のものを送りこみ、体の中から治療するということは、決して夢ではありません。

 それを実現すると期待されているのが、「ナノテクノロジー」。1ナノメートル(1mmの100万分の1)というスケールで、機械や構造物を作り出し、さまざまな分野に活用していこうという技術です。欧州諸国、アメリカ、日本などは、国をあげて研究と開発に取り組んでいます。

 中でも重点課題とされているのが、ナノテクノロジーを医療分野に活用していこうという、「バイオメディカル・ナノテクノロジー」です。

 これは、分子を組織化して、有益な機能を持つような構造をつくり、毛細血管の中で働かせるというものです。ミクロ化された医療チームのかわりに、ナノサイズのメカニズムを送り込むわけです。

 昨年、産業技術総合研究所(産総研)が世界で初めて開発したのが、このメカニズムです。「ミクロの決死圏」どころか、それよりもさらに小さな、「ナノの決死圏」が実現したことになります。

 そのメカニズムの名は、「ミサイルドラッグ用DDS」。最新のミサイルのように標的めがけて飛んで行き、その標的だけに薬を注入するというものです。

イメージ写真
次のページへ

▲ ページトップへ

国立研究開発法人産業技術総合研究所