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透視から念動力へ!?

微小物体を意のままに繰る?

超音波を用いた非接触マイクロマニピュレーション

 超音波と聞いて思い浮かべるのは、イルカ? コウモリ? それとも魚群探知機や、エコーで体内のようすを調べる医療用の診断装置でしょうか。

 人の耳が感じる音は20ヘルツ(1秒間に20振動)から2万ヘルツ(同2万振動)。それ以上の音を超音波と言います。

 この超音波を水中や体内の目標物めがけて発射すると、目標物に当たってエコーとしてはね返ってきます。そのはね返ってくる時間と角度から距離と方位を推しはかるのがソナー。形や大きさを捉えるのが医療用のエコー検査装置です。

 目に見えない物を感知するなんて、まるで超能力の「透視」みたいですね。しかし超音波には、実は物を動かす「念動力」も持っているのです。とはいえ、ごく弱い力ですが…。しかし微弱な力も結束して1点に集中させれば、思わぬ力を発揮するのでは?

 超音波は100年ほど研究されてきていますが、これまでは主に「透視」することで得られる「情報」として利用されてきました。それを力学的に「動力」として使えたら、セラミックスやマイクロマシン技術、バイオテクノロジー、医療など、様々な分野へ応用できるはずです。

 たとえば近い将来、患者が飲んだ薬を超音波で任意の臓器にまで運び、治療が必要な場所に来たら拡散させる…などというドラッグ・デリバリー・システムが実現するかもしれません。これなら患部でダイレクトに薬が効くので、他の臓器にダメージを与えずにすみますよね。

 超音波で物に触れずにマニュピレーション(操作)する。その可能性を探っていきましょう。

ドラッグ・デリバリー・システムのイメージ

図:ドラッグ・デリバリー・システムのイメージ
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