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テクノロジー界のゴッドハンド!?

日本文化との関係!?

モノを離すことが困難?

 通常の環境、つまり私たちが普通に目で見ている世界では、重力の影響により、モノをしっかりつかむには3本以上の指が必要です。一方、微細世界では重力などの影響が少なくなり、同時に表面同士が引きつけ合う力が増すために、モノ(対象物)が指に吸着する現象が起こります。つまり、モノを運ぶだけなら1本の指でも十分で、さらにもう1本の指が加わるだけで、モノを回転させたり離したりすることの出来るマニピュレータを作ることが可能となります(ちなみに、重力の影響が少なくなるのは100ミクロンレベルあたりからと言われています)。

写真1

 この場合、各指の先端が、前後、左右、上下に直線運動出来ることが最低必要で、さらに微妙な動きをさせるためには、固定された支点に対して上下、左右に動く回転(手首を動かす感じ)と、ひねりの回転運動(時計の針のような運動)が必要になります。特に、モノが自然にくっついてしまう微細世界ではモノをつかむことは何でもないことなのですが、一度つかんだモノを離すことは、とても難しいことなのです。いわば、微細世界はベタベタした世界なのです。で、そのベタベタした世界でモノを離すのに必要なのが、指先の微妙な動き。

 例えば、指についたご飯粒を落とすには、2本の指をずらしたり、そっとご飯粒を指で押したりと、指の微妙な動きが必要ですよね? 微細世界でモノを自由に扱うには、そんな繊細な動きが必要なのです。


パラレルメカニズムってなんだ?

 2本指で微細作業を行うには、指の動きの自由度が高いこと、そして高い精度で指の位置を決めるメカニズムが必要です。2本指マイクロハンドに求められる機能をまとめると、

(1) 指先の並進運動(前後、左右、上下の直線運動)か、並進と回転の両方の運動が出来ること
(2) 数ミクロンの対象物を操作出来る精度を持っていること
(3) 顕微鏡を見ながら操作するので、メカニズムが数センチ以下であること

 ということになります。

 ところが、今までのマニピュレータに使われている、人間の腕のように部分が直列につながっているメカニズムでは、指の部分(エンドエフェクタ)を十分に小さくしながら、さらに回転運動まで含む器用な動きを実現することは、技術的にとても難しいのです。そこで着目されたのがパラレルメカニズム。パラレルメカニズムは関節によっていろいろな動きを作り出すのではなく、同じ平面の上に、それぞれの駆動リンクが並列に結合されているのです。例えて言えば、首の筋肉が頭をを支え、なおかついろいろな頭の動きを作り出しているような感じです。

 パラレルメカニズムには次のような特徴があります。

(4) 多自由度の動きが、コンパクトな機構で簡単に実現出来ること
(5) 位置決め精度が高いこと
(6) 逆運動学が単純で、動作制御が簡単なこと

 唯一の欠点は可動範囲が小さいということですが、作業範囲は顕微鏡でのぞく範囲に限られるので、さして問題にはなりません。

図

パラレルメカニズム。2本指マイクロハンド模式図

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