本文へ

English

 

『ロボット』は永遠に実現しない?

ロボットの機能を分散配置。生活空間が『ユビキタス・ロボット』になる!

生活空間そのものをロボットに

 ヒューマノイド・ロボットの開発には、数多くの研究機関や企業が熱心に取り組んでいます。産総研もその最先端にいて、数々の成果を発表しています。

 それでも、ヒューマノイド・ロボットが実用化され、普及するまでには、多くの壁が残されています。特に難しいのが、ロボットにモノを認識させる技術。部屋の中にある無数のモノをひとつひとつ認識して、正しく扱えるようになるには、10年や20年はかかりそうです。

 大場さんが開発している『ユビキタス・ロボット』は、単体型ロボットのように機能を1カ所に集中するのではなく、分散させて人間の周りに設置する、環境型のロボット。いわば、生活空間そのものをロボットとすることで、10年後、20年後の単体型ロボットと同じサービスを、ごく近い将来に提供できるようになるのです。

『ユビキタス・ロボット』の核となる、『超小型ネットワーク・ノード』

セキュリティシステム
玄関の内外に設置されたセキュリティ・システム。

写真:セキュリティシステム

 『ユビキタス』とは、ラテン語で『同時にいたるところに(神が)存在する』という意味。『ユビキタス・コンピューティング』という場合は情報機器が、『ユビキタス・ロボット』の場合はロボットが、『同時にいたるところに存在する』ことになります。その核となるのが、大場さんが開発した『超小型ネットワーク・ノード』。見た目はちっぽけな電子部品のようですが、実はこれ、画期的な機能をそなえたロボットになるのです。

 第1の特長は、電池を内蔵した『アクティブICタグ』であること。記録された情報を発信することができます。ちなみに、『Suica』などに入っているICタグは、『パッシブICタグ』といって、リーダーに近づけて読み取ってもらわなければ情報を伝えられません。ところが『超小型ネットワーク・ノード』なら、10メートル以上離れていても交信することができるのです。金属や水、電磁波などの影響を受けにくいこともあり、高性能のICタグとして、物流の情報管理などへの応用が期待されています。

 第2に、コンピュータを搭載し、さまざまなソフトウェアに対応できること。さらに、入出力ポートをそなえていて、センサやアクチュエータのモジュールを簡単に追加できること。大場さんの定義に従えば、まさしくロボットです。

 『超小型ネットワーク・ノード』は、情報を受信して、さまざまな装置を作動させることができます。また、複数の『超小型ネットワーク・ノード』の間で、情報をやりとりさせることも可能。つまり、配線することなしにネットワーク化することができるのです。

 そして最後に、省電力であること。『超小型ネットワーク・ノード』は、数秒に1回立ち上がり、必要な時にだけ電波を発信する仕組みによって、ボタン電池1個で1年以上使えます。

写真:超小型ネットワーク・ノード(左) 写真:超小型ネットワーク・ノード(右)

超小型ネットワーク・ノード
電池内蔵型の端末としては世界最小クラス。共同開発したワイマチック株式会社より、すでに販売されている。

前のページへ 次のページへ

▲ ページトップへ