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隙間風なしの木製サッシ!?

木材の七変化?

建築廃材のリサイクル

 日本の建設廃棄物のうち、木材や各種ボード類などの木質廃棄物は年間600万トン。そのうち4割がリサイクルされ、残りは廃棄、焼却されています。産総研では、故小渕総理が内閣総理大臣決定したミレニアムプロジェクトに基づき、木質廃棄物90パーセント以上のリサイクル技術を確立しようと研究を進めています。

 木質廃棄物は、まず品質により大まかに3種類に分類。全てチップ化して品質に応じたリサイクルを目指します。

 防腐剤のCCA(銅、クロム、ヒ素)が使われた「低品位チップ」は、炭化処理でCCAを分離・回収し、炭にします。その後は、調湿材や廃水浄化資材、また現在、問題になっているシックハウス症候群の原因とされるVOC(揮発性有機化合物などを吸着する素材に加工。

 CCAはほとんど使われていないが、シロアリや腐朽菌と呼ばれるキノコ類に食い荒らされている「中品位チップ」「低品位チップ」は、薬剤で液化して接着剤や断熱材などに再利用します。

 それほど痛んでいない「高品位チップ」「中品位チップ」は微細な粉末にして、合板の代わりとして高性能木質ボードに加工します。

 産総研では環境のことを考えて、この木質ボードの熱的物性の解析に取り組み、断熱性の高い木質ボードなどの熱的特性を制御する研究を進めています。

図

省エネ型床暖房化粧床基材用ボードの開発。

床暖房で、必要な方向にだけ熱を向かわせるため、ボード内部の構造を設計する。熱の流れを制御して、熱効率を向上するほか、基材への熱負荷軽減を目指す。


プラスチックに代わるファインウッド

写真:接着剤を使用することなく、木粉を原料として成形した歯車

接着剤を使用することなく、木粉を原料として成形した歯車

金山公三博士の写真

 従来の窯業製品(オールドセラミックス)に対して、高度な機能を持たせた材料がファインセラミックス。木質材料の分野でも、伝統的な木質製品(オールドウッド)に対し、すぐれた機能を持つ材料を作り出そうと考え、木粉熱圧成形材料「ファインウッド」の開発に取り組んでいます。

 ファインウッドは、木粉粒子に熱と水分を加えるなどの方法で軟らかい粘土状にし、金型に押し込んで圧縮成形。機械的、物理的特性を調べたところ、プラスチックなどの材料の代替材としての可能性が高いことが認められました。

 樹木はセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの成分から構成されていますが、成分同士を接着する力を持つのがリグニン。このリグニンが表面に残るように選択的に微細化すれば、木粉粒子はリグニンに覆われた状態になり、再構築がしやすくなります。

 実験では、木粉粒子に高温の水蒸気で加熱処理を行い、射出成形を行いました。その結果、歯車のような複雑な形の成形でも可能なことが示されました。

 今後は、粒径、水分、温度などの条件を変えて木粉粒子の流動性を高め、実用化に耐えられるような強度を得ることが課題となるでしょう。

「もともと金属の変形加工の研究を行っていましたが、木材が環境にやさしい材料だと知って、どうしても木材に取り組みたくなりました。

 木材の熱処理の技術が確立できれば、昔のようにさまざまな場所で木材が使われるようになると思います」

(金山公三博士)


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