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鏡に変身するガラス窓?

鏡のアリスはどこへ消えた?

調光ミラー

 光は波長によって、可視光(人の目に見える光)、赤外光(目には見えない波長の長い光。熱作用が大きい)、紫外光(目には見えない波長の短い光)に分けられます。これらの光は窓ガラスを通って部屋の中に入ってきます。外の景色を見られるのは可視光のため。そして暑いと感じるのは、赤外光のためです。

 一般の住宅の断熱性は完璧ではなく、屋根からも壁からも熱が出入りしています。中でも影響が大きいのが、窓。出入りする熱のトータルを100とすると、夏に冷房しているとき、窓から入ってくる熱は約70パーセント。冬の暖房時、窓から逃げていく熱は約50パーセントにものぼります。これでは冷暖房の効果が低くなりますね。

 光を調節するのにカーテンやブラインドが使われていますが、これをいちいち人が開け閉めするのではなく、天気や外気温に応じて自動的に窓からの光・熱を調節できたら、どんなに便利でしょう。

 特に夏が暑い日本では、強い日差しを効果的にさえぎることで、冷房を弱めることができ、大きな省エネルギー効果が得られます。

 実は光・熱の出入りをコントロールする「調光ガラス」はすでに開発されています。外からの熱が多くなると、青く変色して光を遮断してくれるのです。しかしこの方法はガラスが光を吸収してしまい、ガラスがため込んだ熱は室内に入ってきてしまいます。

 それなら、光を吸収するのではなく、鏡のように反射させてやれば、熱は入ってこないのでは? つまり透明なガラスを鏡に変化させることができれば、光・熱を効率的にコントロールできるのです。 こうした光学特性を持つ「調光ミラー」の方が良いということは分かっていたのですが、このような性質を持つ材料が見つかったのは1996年と、ごく最近のことです。

 産総研では現在、省エネルギーにも役立つ、より進化した「調光ミラー」の実用化を目指して研究を進めています。

調光ミラーのイメージ
炎天下に駐車した自動車の透明な窓(左)を、スイッチ一つで鏡に変える(右)。鏡が熱を反射するため、車内の温度の上昇を大幅に抑えることができる。
図:調光ミラーのイメージ
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国立研究開発法人産業技術総合研究所