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大きさで性質が変わる?

日本のお家芸!

湯気を冷やす研究?

 さてこういう特殊な粒子を作るにはどうしたらよいでしょうか? 砕いていく方法では、小さくなってくると、だんだん大変になってきます。ゴマをすることを考えてください。最初のうちは楽に砕けますが、途中からどんどん大変になっていきますね。実際にはこの方法では、微粒子はできても、“超”微粒子はほとんど作ることができません。そこで、いろいろな方法が考えられています。たとえば、石油や紙や木を燃やすと、すす(炭素の微粒子)が出ます。また、寒いときに息を吐くと白く見えます。やかんで湯をわかすと、出てくる湯気も同じで、これらは水蒸気が集まって小さな水滴になったもので、霧も同じものです。氷点下よりも寒いところの湯気は凍って小さな氷の粒(水の微粒子)になります。他にもいろいろな方法が考えられていますが、ここで紹介する研究は、この湯気を冷やすのと似た方法です。

レーザーで作る湯気?

 水の三態と言うのは水(液体)、水蒸気(気体)、氷(固体)と変化する水の状態を言いますが、普通の条件では、0℃以下では固体、0℃以上100℃以下で液体、100℃以上で気体になります。金属や石など普段固体として存在している物質でも、温度が上がれば液体に、更に気体になります。産業技術総合研究所(産総研)では、レーザーを使って、とても高い温度を作りだし、金属やシリコンなど色々な物質を蒸発させて“湯気”を作っています。

 太陽の光を虫めがねで集めて、たとえば紙や木に当てると、煙が出て火がつきますね。これは、光が熱に変わって紙や木の温度を上げているからです。また氷に当てると、湯気が出てきます。レーザーは、とても強い光を出すことができるもので、これを集めると、普通に太陽の光を集めるよりも、ずっと高い温度にすることができます。これによって、おおよそどんな物質でも蒸発させることができるのです。氷を暖めて湯気を出すように、レーザーを使ってシリコンや金属の蒸気を作ることができます。

 シリコンやほとんどの金属は室温では固体ですから、0℃以下のところで水蒸気から氷の粒ができるように、集まって固まります。つまり“シリコンの湯気”からシリコンの超微粒子が、こうしてできるというわけです。

図 レーザーによる超微粒子作製

「粒子が小さくなると、様々な特性が発揮される一方で、取り扱いがとても困難になります。

 これが「揃えること」とともに、超微粒子の実用化を妨げてきた大きな原因でした。

 私たちは、粒子を「材料」として作製してから、別のプロセスへ持って行きデバイスに仕上げるのではなく、上に示した装置のように、一貫したプロセスの中で、できたての粒子をすぐに集積してデバイスにすることで、この問題もクリアできると考えています。」

(綾信博博士)

綾信博博士の写真

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国立研究開発法人産業技術総合研究所