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古くて新しい発電方法!?

エネルギーの優等生!?

クリーンで高い効率!

図 燃料電池発電システムの原理
図:円筒縦縞型セル(東陶機器)

円筒縦縞型セル(東陶機器)

 火力発電は「化学エネルギー」を使って水を蒸気にし、これで発電機のタービンを回します。つまり、「化学エネルギー」→「機械エネルギー」→「電気エネルギー」という変換を行っているわけです。それぞれのエネルギーに変換されるときには、最初あったエネルギーの何パーセントかは使われずに無駄になってしまいます。ですから火力発電の場合、最初にあった化学エネルギーの40パーセントくらいしか有効に電気に変換できないのです。

 ところで高校生以上の方は、中学校時代に「水の電気分解」という実験をした覚えはありませんか?

 水に2本の電極を入れて電流を流すと、電極から小さな気泡がプクプクと出てくるというあの実験です。つまり、水を作っている水素と酸素が分離されて、気体となって現れるのです。

 「燃料電池」はこの原理を応用したもので、水の電気分解の逆の反応を起こさせ、そのときに発生する電気を直接取り出すのです。つまり、「化学エネルギー」→「電気エネルギー」の変換を行っているだけです。燃料電池の場合、最初の化学エネルギーの50パーセント以上を有効に電気に利用できることになり、同じ量の石油や石炭を使っても、多くの電力が得られます。さらに、同時に発生する熱エネルギーを利用すればお風呂やビルの給湯にも使えるので、非常に効率の高い装置だと言えます。

 燃料電池で使える燃料ガスは水素そのものだけではなく、水素と炭素を含む天然ガスなどもあります。天然ガスなどを使う場合は、水と二酸化炭素を発生させて電気を作ります。しかし、火力発電よりもずっと少ない量しか二酸化炭素を排出しませんので、地球温暖化を抑えることになります。また、有害物質の排出量も少ないので、自然環境に優しい発電ができます。

 いろいろなメリットを持つ燃料電池は、まさにエネルギーの優等生と言うことができます。

「燃料電池の研究開発には、さまざまな分野の知識と経験が必要です。

 私自身、昔は溶鉱炉の研究を行っていたのですが、高温での化学反応に対するそのときの知識が、高温が必要なSOFCの研究に役立っています」

(横川晴美博士)

横川晴美博士の写真
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国立研究開発法人産業技術総合研究所