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古くて新しい発電方法!?

エネルギーの優等生!?

燃料電池

 暮らしに欠かせない電気。電気が無ければ、明かりを初め、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、すべての電気製品は使えず、とても不便な暮らしになってしまいます。

 では、この電気、どこで作られているのか知っていますか? そう、発電所です。発電所ではお湯を沸かして蒸気を作り、これをタービンという羽根にあてて発電機を回し、電気を取り出しているのです。石油を燃やす方法(火力発電)、石炭を燃やす方法(石炭火力発電)、原子力を使う方法(原子力発電)などがありますが、お湯を沸かして発電機を回しているのは同じです。風力発電、水力発電、地熱発電も、タービンを回すという点では同じ原理です。ところが、この方法を使わないで電気を作る方法があります。太陽電池、燃料電池がその代表例。中でも、燃料電池は比較的古くからその原理が研究されてきました。1839年頃、イギリスのグローブ卿がその原理を示し、初めて燃料電池で電気を取り出すことに成功しました。この原理を元に、燃料電池はその後スペースシャトル用の発電装置として改良されてきたのです。しかし、いろいろな技術的問題があり、まだ私たちの身近なところで使えるまでにはなっていません。つまり、燃料電池は古くから知られているのに、実用化されれば新しい発電装置ということになるわけです。

図

 産業技術総合研究所(産総研)では、この燃料電池を実用化するための研究に取り組んでいます。燃料電池は水素と酸素を化学反応させ、水を合成するときに出るエネルギーを利用するシステムですが、電解質を固体にするか液体にするかなどで、いくつかの種類に分類されます。産総研が主に研究開発しているのは、その中でも開発が難しいと言われている固体酸化物燃料電池(SOFC)。開発は難しいのですが、できてさえしまえば稼働時の劣化が少なく、長期安定性に優れた製品として実用性が高いのです。ところがSOFCには、越えなければならない高いハードルがあります。それは、固体電解質のイオン伝導度が液体電解質よりも小さいため、電解質の厚さを薄くしなければならないこと。さらに高温型のSOFCは、割れやすいセラミックスを高温で使うため、それぞれの構成材料の最適化、材料を組み合わせるプロセッシング(もの作り)技術の開発、スタック(発電部である「単セル」が集合したもの)デザインの最適化を同時に進行させなければならないのです。つまり、材料の専門知識、セラミックスの専門知識、機械的強度の専門知識など、多くの専門知識が必要で、複数の専門知識を身につけた人材が数多く求められます。さらに燃料電池の開発には多額の費用がかかるため、研究開発のマネージメントも重要です。つまり、燃料電池を完成させるには、研究開発のチームづくりが大切なのです。

 燃料電池は大きな発電所がなくても、効率よく燃料から電気を取り出すことができます。燃料としては、化石燃料のほか、水素、アルコールも使うことができます。NOxのような有害物質も出しません。電気と同時に熱も供給できるので、うまく使えば燃料を節約することもできるのです。さらにエネルギー源を簡単に運ぶことも可能です。

 まさに21世紀にふさわしいこの燃料電池、その研究開発のようすを早速のぞいてみましょう!

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