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つくって学ぼう

スリットアニメのペン立てをつくろう!  シマシマフィルムをずらすと絵が動くのはなぜ?

スリットアニメの例のgif
マウスカーソルを画像の上にのせると何がみえるかな?
(スマートフォンやタブレットで見ているときは画像をタッチしてみてね。
止めるときはマウスカーソルを外すか、画像の外側をタッチしてね。)

はじめに

人間の脳は、見えてる部分から隠れたところを想像して、映像を完成させることを自然にやっています。 たとえば、下の絵では木の奥に何かが見えます。何が見えるでしょうか。

日常でも感じる脳の補完のイメージアニメ
木の奥に何が見えるかな?まずはそのまま見てみよう。
その後、マウスカーソルを画像の上にのせて木をどかしてみよう。
(スマートフォンやタブレットで見ているときは画像をタッチしてみてね。
止めるときはマウスカーソルを外すか、画像の外側をタッチしてね。)

木をどかさなくても、木の奥に散歩をしている人が見えましたか?

この能力を利用して、1枚の絵にスリットを重ねることで動くように見せるのがスリットアニメ(スキャニメーションともいいます)です。

この工作では、もとになる絵と、それに合わせるスリットフィルムの原稿ファイルを用意しました。
くるくる回すと、絵が動く「スリットアニメ・ペン立て」を作ってみましょう!

自分でオリジナルアニメを作りたいひとのために、(難しいけど)作り方と注意点も最後に載せておきますね。

つくってみよう!

準備するもの

  • 工作用台紙:1枚
    スリットアニメのイラスト
    下にあるダウンロードデータから「スリットアニメ【ランニング】」のファイルをダウンロードして、台紙(厚紙)にプリントします。
    拡大・縮小しないでプリント!
    おすすめの用紙は、「ケント紙(125kg)、A4版」

  • スリットフィルム:1枚
    スリット
    黒のシマシマがある透明シートが必要です。 下にあるダウンロードデータから「スリットフィルム」のファイルをダウンロードして、透明シートにプリントします。
    拡大・縮小しないでプリント!
    (最近はあまり目にすることがないですが)「OHPフィルム用プリントシート」がおすすめです。
    レーザプリンタ用とインクジェットプリンタ用があるので、使うプリンタにあわせて用意しましょう。

  • 使い捨てプラスチックカップ:2個
    ★サイズが重要です!図をよく見てくださいね。
    カップの例(おすすめサイズは高さ約89mmカップのふちの内径が約67mm)
  • ハサミ・カッター
    手を切ったりしないように気をつけてね。むずかしいところは大人の人にやってもらおう
  • セロテープ

ダウンロードデータ

作り方

プリントした台紙から型紙をていねいに切り抜いて、説明をよく見ながら、じっくり作ってみましょう!
スムーズに動くようにするためには、正確に切り抜いて、動きを確かめながら正確に貼りつけることが大切です。

①青い線で、ていねいに切り抜こう。

②赤い線にあわせて、つつを作ろう。

③切れ目を入れて、プラカップを切り離そう。

切れ目を入れるときカッターで指を切らないように!
切れ目が入ったらはさみで切れるよ。切り離せたらカップのふちのほうを使います。
★小さい子は、おとなにやってもらおう♪

④紙のつつをプラカップにかぶせて、内側をテープで貼りつけよう。

⑤シマシマの透明フィルムを、つつの上に巻きつけよう。

テープで貼りつけるとき、つつに貼りつかないように注意!つつとフィルムはべつべつに回るようにします。

⑥もうひとつのプラカップをつつの中に入れて、透明フィルムにテープで貼りつけよう。

⑦完成!

上と下のプラカップのふちをもって、ゆっくり回してみよう。絵が動くよ。

遊んでみよう

左右の手で、内側のコップ(上のふち)と外側のコップ(下のふち)を持って、外側のコップだけをゆっくりと回してみましょう。
最初のアニメーションみたいにうまく動いたかな?逆に回しちゃうと、動きが逆回しになっちゃうよ。

付録:オリジナルのスリットアニメの作り方

今回ダウンロード用に用意したランニングガールのスリットアニメは、4コマの動画が繰り返して動くように1枚の絵にまとめたものです。
キャラクターを黒ぬりのシルエットにしてるのは、たとえば右手と左手、右足と左足の動きを、1つの絵にできるので、4コマで8コマ分の動きを作れるからです。

スリットは、3mm幅の黒線が、1mmずつ空けて並んでいるので、透明のところだけ下の画像が見えます。 人間の目と脳は、見えてるところから見えない部分まで想像してくれるので、なんとなく下の絵がわかります。

スリットが1mmずれるごとに別の絵が見えるように、下の絵を並べます。作るのはとても難しいですが、簡単に言っちゃうと、このスリットを使うには、4コマで繰り返す絵(4枚)を用意して、1mmの細い縦割りにして並べ直していきます。
1コマ目は、1mmごとに縦割りした1番目・5番目・9番目・・・、
2コマ目を使うのは、2番目・6番目・10番目・・・、
3コマ目を使うのは、3番目・7番目・12番目・・・、
4コマ目を使うのは4番目・8番目・13番目・・・、
という感じで組み合わせると、スリットごしに動いて見える絵ができます。これはパソコンで作りましたが、 パソコンがないと絶対できないわけじゃありません。

試しにやってみたい場合は、1mmの方眼紙を使うと良いと思います。根気強く(慎重に)方眼紙の1mmマスを塗りつぶしていけばいいんです!
なるべく単純な絵(4コマ目の次が1コマ目にもどることが大切)を4枚の方眼紙に描いて、それを見ながら、新しい方眼紙に、 さっき説明したように、4コマ分の絵を1枚に割り当てていくんです。


五角形が回るアニメの画像

五角形がくるくる回るアニメーションで例を作ってみました。(ごめんなさい。この図はパソコンで作ってます。)
ペン立て工作の台紙にあわせたサイズで作ったので、だいぶスペースが余ってます。
小さくて見にくいと思うので、画像をクリックして大きな画像を表示するか、PDFをダウンロードして見てください。(PDFをダウンロードする【PDF:111KB】

  • 五角形を描く(まず円を描いて、円周上の点を、円の中心で72度(360÷5)ずつ角度をずらして、5個作って直線でつなぐと、正五角形になるよ。)
  • 正五角形は72度回転すると同じ形になるので、5コマ目が1コマ目と同じになるようにするには、1辺分の角度を5で割って(72÷5)14.4度ずつずらした形(1コマ目と5コマ目の間の3コマ)を作る。(横の図の、グレーの五角形)
  • 4コマ分(5コマ目は1コマ目と一緒だから)の図形を1枚にまとめるために、どこをうつすかがわかるようにタテ線を入れてみる。
    1コマ目は、3mmおきに1mm幅の線。2コマ目は1コマ目を右に1mmずらした線。3コマ目はもう1mmずらした線。4コマ目はもう1mmずらした線。(図の、グレーの縦シマシマ)
  • 1コマ目・2コマ目・3コマ目・4コマ目、それぞれのグレーシマシマとグレー五角形の重なり(図では黒)が、そのコマの使う部分なので、間違わないように慎重に、別の方眼紙にあわせていく。
  • 4コマ分を1枚にうつしたのが、下の図。
    4コマ分を1枚にうつした画像
    なんだかとげとげの不思議な絵ができたね
    PDFでダウンロードしてみる【PDF:459KB】

この図を、スリットに重ねて、スリットをずらしてみましょう。