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つくって学ぼう

プラスチックにめっきをしてみよう

監修:牛島 洋史

めっきをしたプラスチックの写真

はじめに

「めっき」という言葉を知ってますか?お母さんやお姉さんのアクセサリーに金めっきされたものがあるはずです。その他にも、色々なところで「めっき」の技術が使われているんですよ。

普通のめっきでは、めっきをしたい材料に電気を流す必要があるので、金属にしかめっきはできません。では、金属以外の材料にめっきをしたものはないのでしょうか?じつはあるんです。一見、金属のように見えても、軽いものってありませんか?例えば、携帯電話のボディとか。

今回はそういった、金属ではないモノに「めっき」をする実験です。

実験してみよう

この実験は、産総研のイベントでお楽しみください。

必要な薬品類

洗浄液と触媒溶液と水の写真 めっき液の写真

洗浄液、触媒溶液(1)、触媒溶液(2)、めっき液、そして、それらを洗い流す水です。

水以外の薬品は、お店で買うことはできません。今回は、この「無電解めっき」の技術をもった上村工業株式会社さんから、特別に薬品を分けて頂きました。今回の無電解めっき法では、いろいろなものにめっきをすることができますが、簡単にできるものとできないものがあります。簡単にできるものとしてプラスチックについての実験をしてみましょう。

プラスチックのおもちゃを洗浄液に浸している写真

まず、プラスチックのコップに、めっきをしようとするもの(今回は透明なプラスチックでできた貝がらのおもちゃです)を入れ、洗浄液に浸します。

水で濯いでいる写真

洗浄液をすて、水ですすぎます。

コップに触媒溶液(1)を注いでいる写真

次に、触媒溶液(1)を、洗浄した貝殻の入ったコップに注ぎます。

触媒溶液(1)を回収している写真

触媒溶液(1)には金属のイオンが入っていますので、きちんと回収します。

コップに水を入れている写真

触媒溶液(1)をすてたコップに水を注いで、貝がらをすすぎます。

コップに触媒溶液(2)を注いでいる写真 触媒溶液(2)を回収している写真

今度は触媒溶液(2)で、先程と同じような処理をします。

貝殻をよく水で濯いでいる写真

十分に水ですすいだ貝がらを、めっき液に入れます。めっき液に入れる前の貝がらはプラスチックの色をしていますね。

貝殻をめっき液に浸している写真 貝殻を上から見た写真

めっき液に浸してしばらく経つと、少し色が変わってきたのがわかりますか?

貝殻をめっき液から取り出したところの写真

めっき液から取り出してみます。透明だった貝がらに綺麗な銅のめっきがされているのがわかりますか?

最後に貝殻をよく水で濯いでいる写真

最後は、よく水ですすいで完成です。

めっきされた貝殻の写真

複雑な形のものでも綺麗にめっきができました!

考えてみよう

ではここで、「めっき」について考えてみましょう。

「めっき」って何?

そもそも、「めっき」って何でしょう?

いろいろなものの表面に薄い金属の膜をつくる技術のことです。

では、何のために金属の膜をつくる必要があるのでしょう?

綺麗に見せるため?そうですね、それも理由の一つでしょう。でも、その他にも、丈夫にするためとか、電気を流すためとか、いろいろな理由があるんです。

今回のめっきは「無電解めっき」と呼ばれる方法でしたが、普通のめっきとどこがどうちがうのでしょう?

めっきの説明図

めっきの違い

普通のめっきは「電気めっき」とも呼ばれ、めっきをしたい材料に電気を流して、その表面に金属の膜をつくります。電気を流す時間を調節することで、めっきの厚さを制御できるところが大きな利点です。しかし、電気が流れないプラスチックやガラスにはめっきできないとか、有毒な化学薬品を含むめっき液を使わねばならない場合があるなど、うれしくない点もあります。

その問題を解決するために考えられたのが、「無電解めっき」というわけだったんです。

でも、金属の薄い膜って、どのようにしてできるのでしょう?

電気めっきと無電解めっきの違いの図

調べてみよう

  • 「めっき」って、いつ頃から使われていたのでしょう?
  • 原子、イオン、分子って何?
  • 電子と電気ってどんな関係?