Vol.7 No.3 2014
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研究論文:自己抗体解析のためのプロテインアレイ開発(川上ほか)−162−Synthesiology Vol.7 No.3(2014)ンソ、2008-2010年関東地域イノベーションでプロテイン・アクティブアレイの開発を行い、血液サンプル中の自己抗体プロファイリングを実施し、自己抗体バイオマーカー探索を行っている。この論文においてプロテインアレイ研究の統括ならびに医療現場との連携を担当。査読者との議論議論1 全体的なコメント質問・コメント(三石 安:産業技術総合研究所東北センター)ヒト完全長cDNAプロジェクトからつづく国家プロジェクトの成果を活用して、当初予想していなかった、血清中の自己抗体のプロファイリングにより、疾病の早期診断が可能になるとの論文、興味深く読み進みました。疾患がある場合に何らかの自己抗体が通常より過剰に発現しており、疾患マーカーとして利用できるとの発想は理解できましたが、技術的成果の部分の書き込みがあっさりしすぎていて肩すかしをくらった感じです。このままでは、プロテインアクティブアレイを作製して血清中に含まれる結合タンパク質を網羅的に解析できるようになったことにとどまってしまうように思います。タンパク質の網羅的解析ができるようになったことは素晴らしいことではありますが、この論文では是非、血清中の自己抗体の種類や含有量から疾病の有無や程度が推定されるというところまで書き込んでください。回答(五島 直樹)当初の原稿に記述した結果の詳細は、マーカーとしての検討も含めて専門雑誌に投稿を考えております。そのため、プロテインアレイ技術の開発を中心にしたこの論文のデータとして、卵巣がん由来傍腫瘍性小脳変性症患者由来血清中の自己抗体解析と入れ替えてコメントのご指摘に対応しました。議論2 プロテインアクティブアレイの概念について質問・コメント(湯元 昇:産業技術総合研究所)この研究の目標は「網羅的な自己抗体の検出システムの開発」であり、「世界最大のタンパク質発現リソースの構築」という大きなブレークスルーを軸に、網羅的タンパク質発現技術、タンパク質のアレイ化技術、抗体の検出技術、スクリーニング技術といった要素技術を統合したというシナリオはバイオ分野の読者には良くわかります。ただ、分野外の人にとっては、プロテオームアレイが実態としてどのようなものかをイメージすることは困難と思います。そこで、開発されたプロテインアクティブアレイの概念図を入れて頂けないでしょうか。回答(五島 直樹)プロテインアクティブアレイの概念図を図4Bに追加し、図4の図の説明を記述しました。執筆者略歴川上 和孝(かわかみ よしたか)2008年大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程を単位取得退学。産業技術総合研究所バイオメディシナル情報研究センター・テクニカルスタッフとして、地域イノベーション創出研究開発事業「ランダム免疫法による効率的な血清腫瘍マーカーの開発」、「自己抗体を活用した効率的な特定のがんの総合診断システムの開発」に参加した。また、厚生労働省「CHP/NY-ESO-1ポリペプチドがんワクチンの術後食道癌症例を対象とした多施設共同前期第Ⅱ相臨床試験」に従事した。2013年5月よりバイオ産業情報化コンソーシアムの研究員として福島医薬品関連産業支援拠点化事業に参加し、現在に至る。この論文においてプロテインアレイの作製ならびに自己抗体測定を担当。五島 直樹(ごしま なおき)1987年大阪府立大学大学院農学研究科生化学専攻修了(農学博士)。理化学研究所流動研究員。京都薬科大学助手。広島大学大学院・理学研究科助教授。現在、産業技術総合研究所創薬分子プロファイリング研究センター定量プロテオミクスチーム研究チーム長。2000年よりNEDO「タンパク質機能解析プロジェクト」に参加し、ヒト完全長cDNAのGateway化、網羅的タンパク質発現をもとにゲノムワイドなタンパク質機能解析を行う。2006年NEDO「ケモバイオプロジェクト」、NEDO「TRプロジェクト」、JST「山中iPS細胞特別プロジェクト」においてヒトタンパク質発現リソースを活用し各成果を上げる。2006年九州地域コadverse prognosis and high frequencies of SSX-positive PCs, J Immunother., 28 (6), 564-575 (2005).[11]E. Leah: Lipidomics: Growing on a free-fat diet, Nat. Rev. Cancer, 10, 160 (2010).[12]K. Matsumoto, S. Nishihara, M. Kamimura, T. Shiraishi, T. Otoguro, M. Uehara, Y. Maeda, K. Ogura, A. Lumsden and T. Ogura: The prepattern transcription factor Irx2, a target of FGF8/MAP kinase cascade, is involved in cerebellum formation, Nat. Neurosci., 7 (6), 605-612 (2004).[13]M. Zhang, J. Zhang, SC. Lin and A. Meng: -Catenin 1 and -catenin 2 play similar and distinct roles in left-right asymmetric development of zebrafish embryos, Development, 139 (11), 2009-2019 (2012).

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