Vol.7 No.3 2014
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−i−放射線による生体障害を軽減する高安定化細胞増殖因子の開発-放射線防護剤の創薬に向けた基礎研究機関における研究開発―高線量の放射線被ばくによって生体が受ける障害を軽減するため、細胞機能を調節する生理活性タンパク質「FGFC」を開発した。一般薬品とは異なる放射線防護剤の医薬承認を見据えて、高活性の候補分子の選択と安定化、大量生産系の確立、医薬用途への分子構造の至適化、防護メカニズムの解明に取り組んだ。基礎研究機関の取り組みとして、既存の医薬品を凌ぐ放射線防護剤を社会に出していくための長期的なシナリオを示している。自己抗体解析のためのプロテインアレイ開発-生体防御系を利用した総合的疾患診断に向けてーがんなどの疾患では、血清中に特定の自己のタンパク質に対する抗体が通常より過剰に存在するため、自己抗体を網羅的に検出することにより、疾患の早期診断が可能であることを示した。この開発にむけて「世界最大のヒトタンパク質発現リソース」の構築というブレークスルーを軸に、網羅的なタンパク質発現技術、タンパク質のアレイ化技術、抗体の検出技術、スクリーニング技術などの要素技術を統合していったシナリオを提示している。内部熱交換式蒸留塔(HIDiC)の技術開発-バイオエタノール蒸留のベンチプラントに至る実証研究- バイオマスのように目詰まりを生じやすい物質を効率よく蒸留し、かつ、本来の目標である省エネを実現するために、内部熱交換式蒸留塔の開発を進め、圧縮機不要で安全性の高いベンチプラント実証により、実用化に大きく道を拓いた。バイオプロセス分野と連携しつつ、プロセスシステム工学と伝熱工学を融合することにより、平衡論と非平衡論の乖離による開発の障壁を打破していったプロセスを示したプロジェクトマネージメント論である。漏えいに強いパスワード認証とその応用-短いパスワードを許容しながら情報漏えい耐性を実現-インターネット社会では、パスワード(鍵)が漏洩・窃用されると、資産や権限が危険に晒される。パスワード鍵管理の実問題から基礎理論に立ち戻り、サーバーとクライアント側のいずれか一方での漏洩であれば、安全性が維持される鍵共有方式を考案・実装した。セキュリティは信頼であり、社会実験を繰り返しながら改良することができない。事前にあらゆる問題を想定して対策を施すリスクアセスメントが実施されていることが重要である。低環境負荷表面処理技術の開発-有機フッ素化合物および凹凸加工を用いない新規はつ液処理の実用化を目指して-汚れ等の液滴が残りにくい固体表面を実現するために、環境負荷物質である有機フッ素化合物や凹凸加工を必要としない新技術を開発し、技術移転による量産化技術へ短期で進展させた。固体表面分子の動的挙動に着目した基礎研究を基に、実用に不可欠なコーティング技術としてゾル-ゲル法を導入し、さらに企業が持つ要素技術を見事に融合させた研究開発戦略が描かれている。本誌は、成果を社会に活かそうとする研究活動の目標と社会的価値、具体的なシナリオや研究手順、また要素技術の構成・統合のプロセスを記述した論文誌です。本号論文の価値が一目で判るように、概要を紹介します。シンセシオロジー編集委員会電子ジャーナルのURL産総研HPhttp://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/synthesiology/index.htmlJ-Stagehttps://www.jstage.jst.go.jp/browse/synth/-char/ja/Synthesiology 第7巻第3号(2014.8)論文のポイント

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