Vol.11 No.2 2018
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研究論文:我が国における5万分の1地質図幅整備(宮崎)−68−Synthesiology Vol.10 No.2(2018)ろで述べました。位置精度や地層岩体区分の正確さは、地質図の作成年度が新しいほど、また大縮尺であればあるほど高くなり、これを利用するときに得られる社会的便益も大きくなります。どの縮尺で作るかは作成にかかるコストと時間の問題ですが、5万分の1地質図幅が業界からは要望されています。断層や岩相境界の精度の表示はJISに従い地質図に表示しています。3次元地質図は地層がほぼ水平に堆積している平野部の地質を理解する上で重要です。これは現在地質地盤図の作成として別途首都圏を中心にプロジェクトが進行中です。大縮尺とは精密なものを、小縮尺とは粗いものを指します。図4をみても分かるように時代と伴に小縮尺な地質図から大縮尺な地質図に変遷しています。質問(松井 俊浩)全国をカバーする「一様な」地質図を整備することが重要な戦略にされていることがわかりますが、それはなぜなのでしょうか?全体を完成させるとどのような価値が生じるのでしょうか?最初の地質図の目的の設定によっては重要な地域とそうでない地域があるように思われます。「3.4 産総研になって以降の5万分の1地質図幅」では、産総研になってから特定地区の地質図完備の計画がなくなったと書かれていますが、それ以前は、北海道の石炭資源探査用以外にあったのでしょうか?回答(宮崎 一博)「2 社会における地質図幅の役割」を新たに加筆し、高品質・高精度の地質図が存在することが社会的便益を生むことを述べました。図4の歴史的変遷をみれば、20万分の1地質詳図の完備、7万5千分の1地質図幅、そして現在の5万分の1地質図幅と高品質・高精度化が行われています。戦後復興期は北海道地域、1979年以降産総研になるまでは、全国8地域の地震観測の特定観測地域の整備を集中的に行うシナリオが存在しました。

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