Vol.11 No.2 2018
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研究論文:我が国における5万分の1地質図幅整備(宮崎)−66−Synthesiology Vol.10 No.2(2018)執筆者略歴宮崎 一博(みやざき かずひろ)1987年九州大学大学院理学研究科地質学専攻修士課程修了。同年通商産業省工業技術院地質調査所入所。沈み込み帯及び火山弧深部における変成作用進行と変成帯形成を研究テーマとして、変成岩地域の地質図幅作成に携る。1994年九州大学理学博士。2005年より研究グループ長。2007年から5年間、5万分の1地質図幅、20万分の1地質図幅、及びシームレス地質図の作成を行う陸域地質図プロジェクトのリーダーを務める。2007年より地質情報研究部門副研究部門長。2012年よりIUGS(国際地質科学連合)CGI(地質情報管理普及委員会)評議員。専門は岩石学。⑦ 5万分の1地質図幅出版⑧ 高温型変成帯形成モデル5万分の1地質図幅「御油」(宮崎ほか,2008)Miyazaki (2010)用語1:地質図幅:東西南北を緯度経度で区切られた矩形の範囲の地質図を地質図幅と呼ぶ。産総研地質調査総合センターでは、5万分の1地質図幅、20万分の1地質図幅等を出版している。用語の説明[1]経済産業省 産業技術環境局知的基盤課: 知的基盤の活用事例集, (2012).[2]小笠原正継, 大井健太 (編): 地質図の社会的価値—米国地質調査所サーキュラー 111 (日本語翻訳版) および米国における地質図の経済学的評価の動向—, 産総研地質調査総合センター速報, 37, 66 (2006).[3]地質調査所百年史編集委員会 (編): 地質調査所百年史, 地質調査所 (1982).[4]河合正虎: 地質図幅事業の歴史と現状, 地質ニュース, 220, 2–37 (1972).[5]加藤碩一: 戦後(昭和30年代前期) 地質調査所史補遺, GSJ地質ニュース, 6, 12, 390–395 (2017).[6]山田直利, 宮崎一博, 栗本史雄, 加藤碵一: 20万分の1地質図幅全国完備までの道, 地學雜誌, 121 (3), N29–N41 (2012).[7]宮崎一博, 西岡芳晴, 中島礼, 尾崎正紀: 御油地域の地質, 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅), 産総研地質調査総合センター, 97 (2008).参考文献図16 野外調査と室内研究を統合した成果物の例左:5万分の1地質図幅「御油」[7]、右:高温型変成帯の形成モデル[8]。[8]K. Miyazaki: Development of migmatites and the role of viscous segregation in high-T metamorphic complexes: Example from the Ryoke Metamorphic Complex, Mikawa Plateau, Central Japan, Lithos, 116, 287–299 (2010).[9]20万分の1日本シームレス地質図編集委員会: 20万分の1日本シームレス地質図 V2, https://gbank.gsj.jp/seamless/v2.html, 閲覧日2018-01-25.[10]地質調査総合センター: 地質・地盤情報に関する調査 地質調査企業アンケート結果 平成26年度, 産総研地質調査総合センター, (2015).[11]中島礼, 堀常東, 宮崎一博, 西岡芳晴: 豊橋及び田原地域の地質, 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅), 産総研地質調査総合センター, 113 (2008).[12]中島礼, 堀常東, 宮崎一博, 西岡芳晴: 伊良湖岬地域の地質, 地域地質研究報告(5万分の1地質図幅), 産総研地質調査総合センター, 69 (2010).に5万分の1地質図幅の全国的完備の要望は強い[10]。全国完備は無理にしても、地域を限定して優先的に整備を行うなど、5万分の1地質図幅整備の全体シナリオの構築を行うべき時期に来ているではないだろうか。

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