Vol.11 No.2 2018
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研究論文:我が国における5万分の1地質図幅整備(宮崎)−62−Synthesiology Vol.10 No.2(2018)ある。一つは海洋プレートが大陸プレートに沈み込む沈み込み帯近傍で形成される高圧型変成岩である。このタイプの変成岩の中には地下100 km、圧力2 GPa以上で形成されたのち地表付近まで再度上昇してきたものがある。もう一つは、火山弧の深部で形成される高温型変成岩である。このタイプの変成岩は地下20 kmから30 km深さで、温度が800 ℃以上に達するものが存在する。岩石の部分溶融が起きる条件である。豊橋周辺では、これら両方のタイプの変成岩が中央構造線を介して接している。以下では、5万分の1地質図幅「御油」[7]を例に、高温型変成岩谷沿いの調査ルート尾根沿いの調査ルート岩相境界の推定と検証谷沿いの調査ルート 1 km① 野外調査による推定地質構造の繰り返し検証20 km5万分の1地質図幅「御油」(2008)5万分の1地質図幅「伊良湖岬」(2010)5万分の1地質図幅「豊橋及び田原」(2008)豊橋岡崎渥 美 半 島遠 州 灘である領家変成岩の地質図作成について述べる。領家変成岩は西南日本中軸部を東西に約1000 km連続する変成岩であり、太平洋ベルト地帯の地下はほぼ領家変成岩およびこれに密接に伴う領家花崗岩から構成されている。変成岩の特徴は、そのもととなる原岩があることである。原岩には堆積岩、火成岩、変成岩のいずれもがなり得る。「御油」地域に分布する変成岩を調査するとき、原岩とそれが受けた変成作用による岩相の変化を注意深く記載する必要がある(図9の②および図12)。領家変成岩の原岩はジュラ紀の付加体であることが多く、この地域でも層状図10 野外調査による地質構造の繰り返し検証見出しの番号は図9中の番号に対応。図は現在作成中の5万分の1地質図幅のある地域のルートマップの一部。ルートマップでは、観察された岩相の種類ごとに異なる色で塗色している。図中には卓越する片理の走向傾斜も書き込まれている。赤い文字は岩石試料採集地点を示す。図11 豊橋地域の5万分の1地質図幅[7][11][12]

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