平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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国立研究開発法人 産業技術総合研究所 平成30年度 研究評価委員会(地質調査総合センター) 評価資料 1.領域の概要と研究開発マネジメント (1)領域全体の概要・戦略 【背景・実績・成果】 地質調査総合センター(GSJ:Geological Survey of Japan)は「地質の調査」の実施機関として、国からその研究業務を付託された日本で唯一の組織(ナショナルセンター)であり、以下の重要な研究開発事項を担っている。 ・地質調査のナショナルセンターとしての地質情報の整備 ・レジリエントな社会基盤の構築に資する地質の評価 ・地圏の資源と環境に関する評価と技術の開発 ・地質情報の管理と社会利用促進 これらを効率的に実施するため、GSJは3つの研究部門(RI)、すなわち地質情報RI、活断層・火山RI、地圏資源環境RI(一部は再生可能エネルギー研究センター地球熱ブロック)と地質情報基盤センターを配置しており、総合センター長はユニット間の連携を促しながら、各分担業務で最大限の成果を上げるよう指導している。 産総研第4期中長期計画にしたがって、上述の研究開発事項は、「知的基盤の整備」と3段階に区分した「橋渡し」機能の強化としてその活動を進めている。「知的基盤の整備」は地質の調査とその情報整備を担うものであり、ナショナルセンターとしてのGSJの研究開発活動の根幹を成すものである。そこから展開される社会への「橋渡し」について、GSJではこれを広くとらえており、国の判断等に貢献する資源や環境及び防災等に資する「目的基礎研究」、また省庁他の公的機関と連携しながら公的資金の活用により間接的に成果を民間へ渡す「橋渡し研究前期」、さらに直接的に民間と連携する「橋渡し研究後期」に分類する。 GSJの研究職総数は240名であり、地質情報RI 75名、活断層・火山RI 67名、地圏資源環境RI 58名、地質情報基盤センター 8名、GSJ以外の産総研の部署 6名である(以上、平成30年12月時点)。平成30年度の研究予算は総額が43.8億円であり、約半分が運営費交付金(18.5億円)、残りが外部資金(25.3億円:平成30年12月末時点)である。 「知的基盤の整備」では主に運営費交付金を使用し、第2期知的基盤整備計画(平成23年度から32年度)の達成へ向け、陸域地質図・海洋地質図の整備、日本周辺海域の鉱物資源に関する情報の整備等を推進した。第4期中長期目標期間中の特筆すべき成果としては、まず第2期知的基盤計画に沿って5万の1地質図幅の調査と公表を着実に進めた。また、東・東南アジア地域の地質情報の総合的なデータ共有システムの構築を目的とするCCOP地質情報総合共有プロジェクトを主導し、CCOP各国が保有する各種地質情報の数値化を進めた。平成30年9月に国際標準形式で一般にウェブ公開し、それについてプレスリリースを行った。いずれも今後、地質情報のベースとして広く社会に利活用されることが期待される。 「目的基礎研究」については、主な研究として地下の原油をメタンに変換する新たな資源技術を開拓するメタン生成菌の研究、超臨界地熱の利用に向けた技術開発、土壌・地下水汚染浄化技術開発、微小地震の発震機構解をベースに各地の応力分布をまとめた地震テクトニックマップの高度化技術等に関する調査・研究などを重点的に行い、その成果を論文などとして公表した。 「橋渡し」研究前期については、民間企業にはまだ着手できない国が先導すべき段階にある研究開発や、国として推進すべき研究手法の整備等が該当し、GSJでは各省庁や自治体などからの公的外部資金で実施している研究事業を指す。その委託元としては、経済産業省またその所管の- 5 -

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