平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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ミャンマー全土の金属鉱物資源データベースは今後5年間かけて完成予定であるが、平成31年度に対象とする錫、タングステン鉱床の一部が紛争地域に存在しており、その情報をどのように入手するかが課題である。そのため、現地コンサルタント等を通じて、紛争地域の有力者経由で情報を入手することに取り組む。ミャンマー現地調査においては、新たに銅、鉛-亜鉛、金鉱床が存在する地域においてその鉱床の分布状態を調べるが、調査地域の半分近くは雨期(6月~10月)に河川が増水するため調査不可能である。そのため、年度内に2回以上の現地調査を行う、調査人員を増やすといった対応で効率的な試料採取を行う。 掘削ビットの高性能化に関する研究では、掘削の目的や岩盤の特性に適応した掘削方法、掘削ビットのデザインや刃先材、操業条件等の設定・選定による、鉱山・土木・エネルギー・環境等さまざまな分野における岩盤掘削の効率化(低コスト化)が課題である。そのため、民間企業との共同研究等を通じて、被削岩石の特徴に応じたビットの開発を進める。また、掘削中に排出される掘削くず(カッティングス)の情報から掘削中の地質やビットの状態を推定する手法を検討する。 CCS技術開発の成果として、事業者が沿岸域で重力モニタリングを実施する際の技術手順をマニュアルとしてまとめることが、成果普及のために必要である。本技術は沿岸域CCSに対応しているが、今後選定されるCCSサイトの状況(沿岸からの距離や深度)に応じて、海底下あるいは坑内設置を含めた重力モニタリングの検討も将来的な課題である。 地層処分沿岸域調査では、水質や地下水年代から地下水流動概念モデルの構築までの作業の流れは確立したと思われるが、今後はそのモデルの検証に関する手法開発が必要である。これらの課題に関して、今後も国や他研究機関と協力して対応していく。 火山ガス・火山灰の迅速観測機器の利用先である、火山噴火の監視観測の任を負う気象庁、大学の火山観測所、あるいは活火山周辺の自治体などに本観測機器や得られたデータを実用してもらうための仕組みづくりが課題である。そのため、社会実装に向けた火山防災協議会との意見交換等を積極的に進める。また、火山ガス観測や火山灰の迅速解析に基づく火山活動評価はいまだに実績が乏しいため、観測事例と背景理論の蓄積によりデータ解析・評価の精度向上を図る必要がある。そのために、火山灰カタログを作成し、画像データによる噴火タイプ判別手法を確立を進める。 - 40 -

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