平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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・水文環境図 複数の水文地質・地理・地形等の多数の情報と合わせ、地中熱ポテンシャルを求めるための基礎資料としても活用できる。 ・精密地球化学図 地球化学図は、各種の環境影響評価におけるバックグラウンド情報として、日本学術会議や中央環境審議会などで基礎情報として活用されている。また、カリウム及びウラン、トリウム含有量から間接的に求めた大地からの自然放射線量の分布図は、福島第一原発事故時の放射線影響評価に活用された。中部地域では、現在、JRリニア新幹線の工事が行われている。中部地方の精密地球化学図の公開により、各地域の詳細な元素の濃度情報を提供できることから、リニア新幹線建設残土中の重金属元素による汚染評価について基礎情報として活用されることを期待している。これまで地球化学図は専門家による利用が主であったが、取材対応を通じて、元素の存在を社会へ身近に感じ、環境問題などへの啓発が進むことが期待される。 ・都市域の3次元地質地盤情報の整備 3次元地質地盤図は地質災害リスク評価や都市インフラ整備、地下水流動・地質汚染調査、不動産取引等への利用が期待される。3次元地質地盤図の公開を前にプレス発表を行い、千葉日報ほか、新聞4紙に記事が掲載された。これまでに自治体の地下水流動・地質汚染調査に3次元地質地盤図の地質構造モデルが利用されているほか、国の地震ハザードマップ作成においてGSJのボーリング調査データ及び3次元地質モデルデータを提供した。 ・活断層・海溝型地震履歴調査・研究とデータベースの整備 知的基盤情報として整備された活断層調査結果は、地震調査研究推進本部に提出され、国の活断層・海溝型地震の長期評価に活用される。データベースの継続的な機能改修による利便性の向上がなされた活断層データベースの利用は社会へ広まり、地震のない期間でも一日に数千アクセス程度、地震直後には一日に数万~数十万アクセスと極めて関心の高いデータベースとなった。津波堆積物データベースにおいて、津波浸水履歴情報は各自治体の津波ハザードマップの検討に活かされることが期待される。 ・火山地質図・火山データベースの整備 平成28年度に約50年ぶりに改訂した富士火山地質図(第2版)は、山梨県・静岡県による噴火時の避難ルートを示した「富士山避難時ルートマップ」や、国の防災関連機関も含めた富士山火山防災協議会による富士山ハザードマップ改定のための想定火口範囲の選定に活用された。八丈島火山地質図はとりまとめの段階から、東京都火山防災協議会に地質情報を提供し、ハザードマップや噴火警戒レベルの設定の基礎資料として活用された。 ・地質情報の二次利用に向けた取り組み 配信データの標準化により国土地理院のウェブサイト「地理院地図」との連携が可能となり、今後「地理院地図」にGSJ地質図が掲載され災害時などの基礎情報の提供に活用される予定である。これにより、GSJウェブサイト及び公開されている地質情報の利用増加が見込まれ、市民の防災・減災意識の向上が期待できる。地質図 Naviについては、着実にアクセス数が増え、地質情報の普及に貢献している。鉄道と地質のデータ組み合わせ例として地質図Naviに追加した「鉄道地質」は、オープンデータ活用のコンテストである「LODチャレンジ2018」において最優秀賞を受賞し、活用性の高いデータとして地質図Naviが認知されることに貢献した。 ・地質情報の成果普及活動 地質標本館全体のストーリーを「地質研究の過去、現在、未来」と定めて、展示物の更新や配置換えを行った結果、来館者からは分かりやすい展示になったと好評を得た。また、SNS等を通- 25 -

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