平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
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100万分の1日本地質図第3版の凡例を基にした凡例を用いたものであった。当時とは地質区分の考え方も変わってきたため平成4年以降の研究の進展を踏まえて、最新の地質の知見に基づいて凡例を全面的に再編さんした。階層構造化した凡例を基に全国すべての20万分の1地質図データを完全に再編纂し、凡例数は従来の386から2,400超へと6倍以上に詳細化したV2版を作成した。正式公開を行った平成29年度には、宮崎県地理情報システム「ひなたGIS」の基図として利用された。平成30年度中には国立研究開発法人農研機構の土壌図インベントリーへのの組み込まれる。平成31年度には、国土地理院の地理院地図への取り込みが予定される見込である。 ・海洋地質図 日本周辺海域において、平成23年度から平成32年度の国の第2期知的基盤計画に基づき、海洋地質図(海底地質図・重磁力図・表層堆積図)の作成を進めてきた。第4期中長期の目標として、これまでに実施してきた主要4島周辺の全49区画の整備完了と海底地質図、重磁力図や表層堆積図の出版、そして平成20年度から調査を進めてきた南西諸島海域の海洋地質図の作成・出版を行ってきた。また、第4期中長期の始めの平成27年度に、主要4島周辺の全49区画の整備が完了し、「室蘭沖表層堆積図」を出版した。平成28年度は「金華山沖表層堆積図」と「見島沖海底地質図」を出版した。平成29年度は「響灘海底地質図」を出版した。南西諸島海域は、海洋調査を実施し、報告書を各年度で発行しながら、平成30年度までに沖縄島、徳之島、奄美大島、宮古島、石垣島、西表島周辺の海域調査が完了した。平成28年度は「沖縄北部周辺海域」の海洋地質図を出版した。平成30年度は、「沖縄島南部周辺海域」の海洋地質図を出版し、“沖縄島の成り立ちには南北で大きな違いがあることを発見”と題したプレスリリースを行った。平成31年度は、主要4島周辺の海底地質図、重磁力図や表層堆積図の出版を実施する。南西諸島周辺海域については、与那国島周辺の調査を実施し、整備を推進する見込である。GSJは国の唯一の海洋地質の調査機関として地質調査所時代から海洋調査・海域地質図整備を続けており、長年培ってきた海洋調査の技術ノウハウを多く持つ。この技術ノウハウを継続し、次の世代へ伝えるため、海域地質図整備を通じて東京大学や東北大学等を含めて大学院生をアルバイトや産総研RA等で雇用し、実際の調査航海で指導することで人材育成にも取り組んでいる。 ・沿岸域プロジェクト 人口・インフラが集中する沿岸域における地質災害の軽減を目指して、相模湾~房総半島沿岸と伊勢湾・三河湾沿岸を調査してきた。平成27年度は、関東南部沿岸域の調査を実施した。また、第3期中期計画で調査してきた成果を、1/20万駿河湾北部沿岸域の海陸シームレス地質情報集、及び富士川河口断層帯及び周辺地域の1/5万地質編纂図として取りまとめた。平成28年度は、海陸シームレス地質情報集「駿河湾北部沿岸域」を出版し、プレス発表を行った。平成29年度は、関東地方南部沿岸地域の海域・陸域の地層分布の連続性の調査を行うとともに、房総半島沿岸域の調査結果を取りまとめた。また、駿河湾北部の海陸の断層の連続性を含めた最新の研究成果を、静岡県と東京都にて開催した第25・26回GSJシンポジウム(来場者数それぞれ87名、102名)において紹介した。平成30年度は、伊勢湾・三河湾沿岸の海域と陸域におけるボーリング調査と地震波探査を行い、海陸シームレス地質情報集「房総半島東部沿岸域」を出版した。太平洋プレートによる海から陸に至る大規模な地殻変動を復元できた成果を千葉県で開催した第30回GSJシンポジウム(来場者数205名)で発表した。平成31年度は伊勢湾・三河湾沿岸の調査成果を取りまとめを行う予定である。 ・水文環境図 安全で良質な地下水の利用に向けて、日本全国の平野や盆地を対象に、地下水の資源・環境に関する情報を体系的に取りまとめたマップを水文環境図をとして作成・公表してきた。平成29年度までに、水文環境図「富士山」を出版し、平成30年度は「勇払平野」、「筑紫平野(第2版)」、「大阪平野」についてウェブ版を整備予定である。これまで公表してきた各地域の水文環境図の一部を取りまとめて「全国水文環境データベース」として作成・公表予定である。このデータベースはウェブを通じた地下水情報の新たな発信形態であり、全国を共通フォーマットで表示可能- 20 -

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