平成30年度研究評価委員会(地質調査総合センター)評価報告書
23/140

ーカイブ化を進め、各国が協調して、東・東南アジア地域における地質情報の総合データベースの構築を進めてきた。このシステムは、Open Geospatial Consortium(OGC)による国際標準技術を用いている。相互運用性の向上、他のOneGeologyなどの国際プロジェクトとの連携などが期待できる他、オープンソースであるため維持管理が容易である。WebGISやデータベース構築技術の普及、各国スタッフへの教育、講習会やマニュアルによる技術移転などを進めている。 このシステムは、CCOP各国の地質関連データを共有する総合プラットフォームとなっており、比較的簡便に、地質関連データをシステムに掲載する機能を提供できる。現在、地質図、地震、火山、地質災害、環境、地球物理、地球化学、地下水、地熱、リモートセンシング、地形図など、全部で570以上のデータが掲載されている。また、国ごとやプロジェクト単位でポータルサイトを作成する機能があり、各国のポータルサイトの他、ASEAN鉱物資源データベース、CCOP地下水プロジェクト、OneGeologyプロジェクト(アジア版)など15以上のポータルサイトがある。そして、モバイルデバイス用のサイトも用意されている。このシステムにおいて、作成中のデータなどはアクセスコントロール機能により、関係者だけが閲覧できるような仕組みを提供している。 平成30年9月にCCOP地質情報総合共有システムを正式公開した。正式公開に伴って、プレスリリースを行い、日刊工業新聞など新聞紙3紙に掲載された。産総研の開発したウェブシステムを本プロジェクトにおいて国際標準としてアジアに展開することにより、CCOP各国の各種地質情報(地質図、鉱物資源、地震火山災害、地滑り災害、地下水等)を一元的に閲覧検索し効果的な利用が可能となった。平成31年度には、地質情報の質と量の充実化を進め、9月にカンボジアで第4回国際ワークショップを開催予定である。 ・陸域地質図 平成23年度から平成32年度の国の第2期知的基盤計画に基づき、5万分の1地質図幅及びシームレス地質図の整備を行なっている。目標である10年間で5万分の1地質図幅40区画の出版を達成するため、年間平均4区画の出版を目指し、第4期中長期計画中も着実に調査と公表を進めた。平成27年度から平成29年度までの3年間に、5万分の1地質図幅13区画の原稿を完成させ、うち9区画の印刷出版を行った。この間、中期計画にはなかった20万分の1地質図幅「松山」の印刷出版も行った。さらに、20万分の1日本シームレス地質図V2(次世代シームレス地質図)の正式公開を行った。平成30年度の成果としては、5万分の1地質図幅「十和田湖」、「本山」、「上総大原」の3区画の原稿を完成させ、「糸魚川」、「身延」、「網走」、「吾妻山」の4区画の印刷出版を行った。さらに、年度計画にはなかった20万分の1地質図幅「高知」の印刷出版も行った。平成31年度は5万分の1地質図幅4区画の原稿を完成させ、5万分の1地質図幅4区画と20万分の1地質図幅1区画の印刷出版を行う予定である。 地質図幅が社会の中で多様に利活用されるために、地質図幅の認知度を向上させることが重要である。平成28年度に出版した5万分の1地質図幅「播州赤穂」では、“赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町だった”と題したプレス発表を行い、大きな反響を呼んだ。平成29年度には、地質図幅「鳥羽」を“恐竜化石はなぜ鳥羽で見つかったのか?”、地質図幅「観音寺」を“香川を作った1億年の歴史”とそれぞれ題して、出版とプレス発表を同時に行い、地域での反響を呼んだ。平成30年度は、地質図幅「網走」を“微小な化石を新たな手がかりに、北海道東部の地質を解明”と題して、地質図幅「吾妻山」を“活火山を含む吾妻山地域の成り立ちを解明して地質図に”、地質図幅「糸魚川」を“日本を分断する糸魚川-静岡構造線最北部の謎が明らかに”、地質図幅「身延」を“南部フォッサマグナ(伊豆衝突帯)の歴史を凝集した身延地域の地質図を刊行”と題して、それぞれ出版とプレス発表を同時に行い、出版した地域での成果普及と認知度向上に務めた。特に、平成30年度の「糸魚川」と「身延」の地質図幅は、糸魚川-静岡構造線をまたいで南北に位置する地域であり、プレート境界や活構造の認識を改めて社会へ発信し、多数のメディア報道につながった。20万分の1地質図幅については、平成27年度に「松山」、平成30年度に「高知」(第2版)を印刷出版した。「高知」(第2版)については、「主な研究成果」として、研究成果報告を行った。 平成29年度に20万分の1日本シームレス地質図V2(次世代シームレス地質図)の正式公開を行った。平成18年に公開された20万分の1日本シームレス地質図は、平成4年に発行された- 19 -

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る